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アクティヴJBタイプ大研究 feat.関将典(Kroi)

  • Photo:Hiroki Obara
  • Equipments Explanation/Movie&Sound Engineer:Makoto Kawabe

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ATELIER Z
M#245 TA

青木智仁氏のシグネイチャー・モデル。歯切れの良いサウンドは唯一無二

【Specifications】●ボディ:アッシュ(2ピース)●ネック:メイプル●指板:メイブル●フレット数:20フレット●ペグ:ゴトーFB-30、シャーラーBMFL Dチューナー(4弦)●ブリッジ:オリジナルBB419●ピックアップ:オリジナルJBZ-4(フロント/リア)●プリアンプ:バルトリーニTCT+MCT-250●カラー:ヴィンテージ・ナチュラル●コントロール:フロント・ヴォリューム、リア・ヴォリューム、トレブル(ブースト)、ベース(ブースト、兼アクティヴ/パッシヴ切り替えスイッチ)●価格:390,500円

 アトリエZは国産のアクティヴJBを語るうえで欠かせないブランドのひとつ。M#245は同社を代表するモデルとして知られており、本器はM#245を基本とした故・青木智仁氏のシグネイチャー・モデルだ。重めのアッシュ・ボディ、バインディング、ブロック・ポジションを入れた20フレット仕様のメイプル・ネックという70’s JBのスペックを備える一方でピックアップのマウント位置は60’s JBを踏襲。アクティヴ回路を取り入れることで、クリアかつワイドなサウンドを出力する。

 また同ブランドはプロの意見を取り入れた実戦的なプレイアビリティを、ハンドメイドによって実現しているのも特徴だ。ピッチ感に優れた独自のオクターヴ・チューニングのほか、緻密な弦高セッティングに加えて、スラップがしやすい厚めのピックガードを採用。プレイヤーの繊細なタッチをしっかりと表現する。

 オリジナルのピックアップとバルトリーニTCTプリアンプ回路に加え、ミッド・コントロールであるMCT-250を搭載。それらに加え、重量感のあるオリジナル製ブリッジが生み出す歯切れの良いサウンドは、唯一無二と言える。控えめのタッチでも豊かな表情のサウンドが得られることが、スラップをはじめとしたテクニカルなプレイヤーたちに愛される所以だろう。特にプルをしたときの煌びやかでありながらも芯のあるアタック感は、この楽器でしか出せないもの。確固たるサウンド・キャラクターを持ったアクティヴJBだ。

比較的大型で質量の大きいオリジナルのブリッジは、本器の歯切れの良いサウンドを生み出す大きないち因だ。
ピックアップは同社製のオリジナルJBZ-4を2機搭載。フロント・ピックアップ部に装着されたピックアップ・フェンスもアトリエZブランドの大きな特徴。
3mmという厚さのアクリル製ピックガードも同ブランドの特徴。スラップをはじめとした演奏性に大きな影響を与える。
4弦のペグには瞬時にダウン・チューニングができるDチューナーを装備。
キャビティ・パネルには穴が空けてあり、穴から覗くトリム・コントロールからミドルをブースト/カットすることができる。これにより、サウンド・メイクの幅が広がる。
プリアンプは定番のバルトリーニTCT。本機に加え同社のMCT-250を搭載することで、ミドルの帯域のブーストを可能としている。

ブライトで元気なトーンが特徴パワーがあるので軽いタッチで演奏できる


 ズシっとした重量感にギラッとした音色……これぞアトリエZという音がします。その点に関しては揺るぎないキャラクターがありますね。フェンダーの70’sのバインディング入りのジャズベのネックは少し太めに感じますが、このM#245 TAは少し細く仕上げられている印象です。それでいてバインディングならではの少し広めのネックは、グリップ感もあって良いバランスです。

 サウンドはブライトで元気なトーン。とにかくパワーがあるので軽いタッチで演奏できるのが、アトリエZの個性だと思います。剛性のあるネックと低めに設定された弦高も相まって、速いフレージングを弾いたりスラップをしたくなるというか、弾いていて楽しくなる楽器ですね。特にスラップをしたときの歯切れの良い音は、ベーシストなら誰しもが一度は憧れるトーンなのではないでしょうか。スラップやテクニカルなプレイのイメージのあるベースですが、プリアンプを用いることで幅広いサウンドが得られるので、音楽ジャンルを問わず使える一本だと思います。

製品に関するお問い合わせは、ATELIER Zギターワークス(☎03-5937-0372)まで。
https://www.atelierz.co.jp/

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