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アクティヴJBタイプ大研究 feat.関将典(Kroi)

  • Photo:Hiroki Obara
  • Equipments Explanation/Movie&Sound Engineer:Makoto Kawabe

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Sadowsky
ML21 VJ4 ALDER

アクティヴJBの先駆け的なブランドのポテンシャルを見せつける一本

【Specifications】●ボディ:アルダー●ネック:メイプル●指板:モラード●フレット数:21フレット●ペグ:オリジナル●ブリッジ:オリジナル●ピックアップ:オリジナルJ-スタイル・ハム・キャンセリング(フロント/リア)●プリアンプ:オリジナル2ウェイ・エレクトロニクス+ヴィンテージ・トーン・コントロール●コントロール:マスター・ヴォリューム、ピックアップ・バランサー、ヴィンテージ・トーン・コントロール(兼アクティヴ/パッシヴ切り替えスイッチ)、トレブル/ベース(同軸2連、ともにブースト)●カラー:ブルー・トランスパレント・サテン●価格:423,500円

 サドウスキーはアクティヴJBの先駆けとなったニューヨーク発のブランドだ。1979年にリペア・ショップとしてスタートし、プロ・ミュージシャンの視点に立って実用性に重きを置きプリアンプを搭載した楽器は、セッション・プレイヤーの間で話題となり、世界中に愛用者を増やしていった。現在サドウスキーはワーウィックと業務提携を結び、今回紹介するML(メトロライン)シリーズはワーウィックの工場で生産されている。

 VJ4はJピックアップ×2のモデルとなっており、本器はアルダー・ボディ、メイプル・ネックにモラード指板を採用し、ボディは同社独自のディンキー・シェイプ+チェンバード加工で軽量に仕上げている。細すぎず太すぎないネックのシェイプに加えて、Rを抑えたフラットな指板、適度なテンション感がありながらも抜群の弾きやすさを追求したセッティングも同社のこだわりだ。ピックアップはハムキャンセル・スタイルのオリジナルJタイプ、プリアンプは2バンドEQとヴィンテージ・トーン・コントロールを備えた同社製を搭載している。

 コントロールはヴォリューム、バランサー、ヴィンテージ・トーン(兼パッシヴ・スイッチ)に加えてトレブル/ベース(同軸2連)という構成。パッシヴ/アクティヴの両方で効くトーン・コントロールが多彩な音作りをサポートする。演奏性の高さに加えて、パッシヴ/アクティヴのどちらでも優れたポテンシャルを持ったモデルだ。

小型ながら厚みのあるプレートが特徴のブリッジ。
コントール部。アクティヴとパッシヴの両方で効くトーン・コントロールを装備することで、ほかのアクティヴJBとは違った音作りができる。
特徴的な形のテンション・ピン。通常の1~2弦だけでなく3弦もカバーする。
プレートを介さない4点留めのボルトオン・ネック・ジョイント。
六角レンチでネジを回転させることで、高さが調整可能な機構を持ったアジャスタブル・ナット。
プリアンプは同社のオリジナル。トレブルとベースのブーストが可能だ。

何よりも楽器の軽さにビックリ。しっかりと木が鳴っている感じの音がする。

 何よりも楽器の軽さにビックリしました。それでいて、しっかりと木が鳴っている感じの音がします。弾いてみると弦のテンション感はモチっとしていて、アクティヴにしたときでもその質感がちゃんと音として出てくる印象です。ディンキー・シェイプ・ボディの身体へのフィット感は、いわゆるスタンダードなJBタイプとはかなり違いますね。ですが、ネックの握りや弦間ピッチはオーソドックスなので、一般的なJBから持ち替えても違和感なく馴染めると思います。

 アクティヴのときでもトーン・コントロールが効くのがとても良くて、そのおかげあってパッシヴ・ライクな音がちゃんと出るというか、中域のプリっとしたおいしいポイントがある。だから僕が好むファンクやR&Bのプレイ・スタイルにすごく合っていると思います。プリアンプで音をブーストしていったときにどんなセッティングでも音が破綻しないのも優秀ですね。

 全体的には1970年代~80年代っぽいイナたい感じのトーンをパッシヴでもアクティヴでも表現できて、とても使いやすい楽器だと感じました。

製品に関するお問い合わせは、山野楽器(☎03-3862-8151)まで。(※本器はサウンドクルー吉祥寺店提供)
https://www.sadowsky.jp/

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