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んoon 積島直人の愛器 | 30フレット仕様のカスタム6弦、NS Design製アップライト
- 取材:辻本秀太郎(ベース・マガジンWEB)
- 撮影:小原啓樹
んoonのベーシスト、積島直人が新たなメイン・ベース候補として手に入れた1本がある。青く透けるレジンと木材を組み合わせたボディ、カーボン・ネック、そしてチューナーを持たない独特なヘッド形状。2ndフル・アルバム『Zoo』のレコーディング後に完成したというこのカスタム6弦は、30フレット仕様や深いカッタウェイなど、積島自身の演奏性を反映した1本だ。
本記事では、このカスタム・ベースを中心に、アルバム『Zoo』のレコーディングで使用されたNS Design製アップライト、CR4 Double Bassについても、本人の言葉を交えながら紹介する。
◎積島直人が自身のルーツや奏法を語ったインタビューはこちら。
◎最新アルバム『Zoo』の制作背景を語ったインタビューはこちら。
新たに完成した、30フレット仕様のカスタム6弦ベース
ボディは木材(栃、栓、桑)と青いレジンを組み合わせたもので、ネックにはStatus Graphite製のカーボン・ネックを使用。見た目のインパクトも大きいが、積島自身はメイン器候補としてあくまで“弾きやすさ”を重視して設計したという。製作を担当したのは、以前から積島が楽器の改造や調整で通っていた「たりきこうぼう」だ。“前に使っていた楽器のときから、たりきこうぼうには行っていて。魔改造してくれるリペア専門のお店なんです”。
もともとの出発点は、積島が7年ほど前にヤフオクで購入していたカーボン・ネックだった。Status Graphiteの5弦用ネックで、同ブランドはMUSEのクリス・ウォルステンホルムや、Level 42のマーク・キングが使用していることでも知られる。“そのメーカーが、スティングレイとかプレベ、ジャズベのコンポーネント用のネックを出していたんです。その5弦用のネックを買っていて”。
そこに、金継ぎ職人である積島の友人から「レジンを使った板でベースを作らないか?」という提案があり、今回の製作につながったという。
写真で確認できるように、ボディはナチュラルな木部と青いレジン部分が組み合わされた独特のルックス。素材の個性をそのまま生かした仕上がりになっている。

積島が本器を構想する際に求めた条件は、“5弦のネックで6弦ベースを作りたい。30フレットが欲しい。最高フレットでも低音弦まで弾けるような、深いカッタウェイにしてほしい”という3点だった。
ボディのカッタウェイはかなり深く取られており、ハイ・ポジションでも低音弦側に手が届きやすい。以前メインで使用していたSkjold Design GuitarsのCatacomb 6st Damian Erskine modelと比べても、演奏できる範囲は広がったという。
また、このベースはヘッドの形状こそ残っているが、ペグは搭載されていない。チューニング機構はブリッジ側にあり、実質的にはヘッドレス・ベースの構造になっている。“ネックを買ったときに、穴が空いていない状態だったんです。だったら、それを生かしたヘッドレスのほうが見た目的にもいいですね、という話になって”。
ヘッドレス化は見た目だけでなく、重量バランスにも効果があったという。“ペグ6本がないぶん、ヘッドが軽いんです。ベースを持ったときにヘッドを持ち上げる必要がなくて、左手の親指を外していても弾けるくらい。ネックを持ち上げる力って、意外と働いていたんだなと気づきました”。
6弦ベースの場合、ヘッド側が重くなると左手でネックを支える力も必要になる。このベースではその負担が少なく、ポジション移動や多指奏法にも対応しやすいという。弦高は約1.5mmと低めにセットされている。延長フレット部分も、弦落ちしにくいようにフレットのエッジ処理が工夫されているとのことだ。
ピックアップはKent Armstrongのデュアル・コイルを2基搭載。コントロール部には複数のミニ・スイッチが並び、それぞれシリーズ/パラレル/タップを切り替えられる仕様になっている。“基本的には一番太い音が出る、直列=シリーズで使っています”。
一方で、ヴォリューム・ノブは搭載されていない。これはアンソニー・ジャクソンのコントラバス・ギターに見られるような、ピックアップからの信号をできるだけストレートに出す、という発想に影響を受けたものだそうだ。
弦はKen Smith製の6弦用ステンレス弦を使用。多指奏法をしたときの指の引っかかりや、弦への食いつきの感触を気に入っているという。
『Zoo』でも使用したNS Design製アップライト
積島がアルバム『Zoo』のレコーディングで使用したアップライト系の楽器が、NS Design / CR4 Double Bassである。NS Designは、ネッド・スタインバーガーによるエレクトリック弦楽器ブランドで、エレクトリック・アップライト・ベースやエレクトリック・チェロ、ヴァイオリンなどを展開している。CR4 Double Bassは、同ブランドのエレクトリック・アップライト・ベースの上位シリーズにあたるモデルだ。
積島は中学でエレキ・ベースを始めたものの、高校には軽音部がなかったため吹奏楽部に入部。そこでコントラバスを弾くことになったという。“高校に入って、吹奏楽部に入ったんです。元々サッカー部で。でも吹奏楽部ではコントラバスをみっちりやって、弓だとかの部分を習得したって感じで”。
んoonをインストゥルメンタル・バンドとして始めた初期にも、積島は弓を使ったアプローチを取り入れていた。当時はNS Designのチェロを購入し、ベースのチューニングにして演奏していたという。
ピックアップには、NS Design独自のPolar Bridge Pickup Systemを搭載。このシステムは、弦振動の方向に反応する構造で、ピチカート向きの持続感あるサウンドと、弓弾き向きの反応を切り替えられる。CR4のコントロールは、ヴォリューム、ピチカート/アルコ方向のバランス、トレブル、ベースという構成である。
1stアルバムのレコーディングやライヴでも活躍するほか、最新作『Zoo』では、7曲目「CACTUS」と9曲目「OTODO」(弓弾き)の録音でこのベースが使用された(アルバム『Zoo』の制作について語ったインタビューはこちらから)。

◎エフェクター・ボード紹介記事に続く
(近日公開)
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