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    ゲンツラーの最新アンプ・ヘッド“MAGELLAN 800+”を三島想平(cinema staff)が試奏!「今の自分が求めるアンプの理想像にかなり近い」

    • 取材:伊藤大輔
    • 写真:八島崇

    現場で求められる実用性と高いサウンド・クオリティを両立し、モダンなベース・アンプを数多く送り出してきたGENZLER(ゲンツラー)。同ブランドを代表するアンプ・ヘッド、MAGELLANシリーズの最新モデルが“MAGELLAN 800+”である。

    ここではcinema staffのベーシスト、三島想平をレビュアーに迎え、800Wの高出力と軽量設計を備えながら、改良されたプリアンプ回路、可変式HPF、2系統のコンター、さらに可変式ミドルを含む4バンドEQによって緻密な音作りを可能にする本機の実力を検証してもらった。

    まずは、MAGELLAN 800+の概要から見ていこう。

    GENZLER MAGELLAN 800+ について

    クラスD 800W × 進化したプリアンプ
    緻密なトーンメイクを叶える軽量アンプ・ヘッド

    プロフェッショナルなベーシストのために設計されたゲンツラーMAGELLAN 800+は、クラスDパワーアンプによる800Wの大出力かつ軽量なアンプ・ヘッド。前モデルから進化したプリアンプ回路に加え、チューブライクな倍音とコンプレッションを生む新DRIVE回路を搭載し、多彩なトーンを提供する。EQセクションはベースの音作りの肝となるミドル・セクションを可変式の2バンドに増設し、計4バンドとなり綿密な音作りをサポートする。

    同シリーズのトレードマークでもあるコンター回路もカーブA/Bで独立したコントロールを搭載し、より繊細な音作りに対応する。また新たに可変式のハイパス・フィルター(HPF)も備え、プレイヤーの多様な環境において最適なサウンドを実現する。

    専用のフットスイッチを使えばドライブのON/OFFとコンターのカーブA/Bを瞬時に切り替えられる。ライヴからレコーディングまで幅広く活用できる1台だ。

    サウンド作りの中核となるコンター。カーブAはミッド・スクープで、カーブBはロー・ミッドを強調し、より重心の低いサウンドを作る。ふたつのカーブを使い分けることで、1本の楽器でも幅広いサウンドを得られる。
    EQは4バンドでロー・ミッド、ハイ・ミッドは可変式。ベースは75Hz、トレブルは6kHz付近のシェルビング仕様で、ミッドはローが120Hz〜2kHzで、ハイが330Hz〜3.7kHzと帯域が被り気味なのも特徴だ。
    ダイレクト・アウトはマイク/ライン・レベルのみならず、EQプリ/ポストも選択が可能なほか、チューナー・アウト、ヘッドフォン・アウトを装備。エフェクト・ループのセンド/リターンはプリアンプ・アウト/パワーアンプ・インとしても機能する。ほかにも練習などにも活用できるAUXイン、専用のフットスイッチ入力があり、ライヴから録音まであらゆるシチュエーションに対応する。スピーカー・アウトはスピコン端子をふたつ備え、8Ωキャビネットを1台接続すると400W出力、8Ωキャビ×2台をパラレル接続するか、4Ωキャビを1台接続すると800W出力となる。

    Specifications
    ●出力:400W/8Ω、800W/4Ωおよび800W/2.67Ω●コントロール:MUTEスイッチ、PADスイッチ、ゲイン、DRIVEスイッチ、HPF周波数、CONTOUR Curve A、A/B切替スイッチ、CONTOUR Curve B、ベース、ロー・ミッド、ロー・ミッド周波数、ハイ・ミッド、ハイ・ミッド周波数、トレブル、マスター・ヴォリューム、インピーダンス切替スイッチ、DIアウト切替スイッチ(GROUND LIFT/PRE-POST EQ/MIC-LINE)●入出力端子:インプット、スピーカー・アウト×2、ヘッドフォン・アウト、フットスイッチ、エフェクト・ループ(SEND/RECEIVE)、AUXイン、チューナー・アウト、バランスド・アウト●外形寸法:76.2(H)×285.8(W)×266.7(D)mm●重量:2.83kg●価格:225,500円(税込)

    製品に関するお問い合わせは、イースペック(☎06-6636-0372)まで。◎https://genzler.jpn.org/

    INTERVIEW : 三島想平(cinema staff)が
    GENZLER MAGELLAN 800+を試奏!

    Profile
    みしま・そうへい●1987年生まれ、岐阜県出身。小学生からクラシック・ギターに触れ、高校入学後の2003年、cinema staffの前身バンドに加入すると同時にベースを始める。cinema staffはオルタナティブ・ロックやポスト・ロックをポップに昇華させたサウンドで人気を集め、2012年にメジャー・デビューを果たす。現在までに8枚のフル・アルバムを発表している。三島はバンドの作詞・作曲も多く手がけ、ソロ名義での制作、他アーティストのプロデュース・楽曲提供、録音・ミックス、サポート演奏など多岐に渡った活動を行なっている。またpeelingwardsではヴォーカル・ギターを担当している。
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    クラスDタイプのなかでも
    ハイファイで明瞭な印象でした」

    すごくいいですね。クラスDタイプのアンプはスピード感があり、ブライトな音色傾向がありますが、そのなかでもMAGELLAN 800+はハイファイで明瞭な印象でした。キャビネットを追加して大音量で鳴らしてもワイドレンジに鳴らせる余裕がありますね。

    800+のほうが押し出し感がありますね。ツヤの部分というか、自分がベースを弾いた瞬間に、音の芯がグッと立ち上がる帯域が出てくる印象です。プリアンプでゲインを稼いでも無理なく出る感じは、前モデルと大きく違います。歪みに関しても、800+はかなり強く弾いても潰れません。それでいて歪みだけが分離せず、音全体に自然に混じってくれるので、モダンというよりもトラディショナルなニュアンスがあります。

    ▲上段は前モデルのMAGELLAN 800。2モデルを比較しながらサウンドチェックを行なった。

    例えばライヴのリハーサルで、会場によっては回りやすい50Hz以下のスーパーローを、PA側ではなくこちらで切って音をスッキリさせる、という用途で使えそうです。ロー・カットのスイッチが付いたモデルはありますが、可変式のほうが使い勝手も良くて便利です。あとこの手の軽量なアンプは、いろんな場所に持ち込めるので、HPFを生かせる用途は多くあると思います。

    Aは、コンターと聞いてみなさんが想像するような、真ん中が削れる感じでした。具体的にはロー・ミッドの500Hz〜800Hzあたりがバッサリと落ちて、バキッとしたところが出るニュアンスです。Bは逆にロー・ミッドに山がある感じで、ピッキング・タッチのニュアンスが出る一方、それより高いビリッとした帯域は抑えられて、重心の下がった音になります。

    使う楽器や弾き方で分けて使います。あとはセットリストに合わせるのも良いと思います。基本の音色をプリアンプの歪みとAで作っておいて、Bはバラードっぽい曲とか、バキッとした成分を少し抑えたいときに使ったり。僕らcinema staffだと、そういう曲の後半でドーンと盛り上がることもあるので、そのときはAに戻したり。こういった曲中の使い分けがフットスイッチでできるのもいいですね。

    「EQは音色作りに必要な帯域を
    熟慮して作られている」

    まず、使い勝手が良いです。ベースとトレブルはシェルビング(編註:特定の周波数より低い/高い帯域をまとめて増減する)になっているので、効きが分かりやすい。特にトレブルの帯域は、ピック弾きが多い僕にとってニュアンスの肝となる部分ですが、必要な部分だけが自然に出てくるし、ピーキーなプレゼンスではないので好みでした。

    ミドルは2バンドとも狙った帯域をしっかり増減できるので、デジタルEQに近い印象を受けました。いずれの帯域も上品に効く感じで、ベースの音色作りに必要な帯域を熟慮して作られているなと感じました。

    EQですね。ミドルが2バンドでしかも可変式というのは、今の自分が求めるアンプの理想像にかなり近いです。

    そうです。僕らのバンドだとツイン・ギターが弾きまくるので、わりと下の帯域までギターが浸食してきます。なので、お互いの音色によって、どの帯域のポイントを調整するかという相談もよくしています。MAGELLAN 800+のEQは狙ったポイントをグッと増減できるから、アンプのEQで狙った音を作りやすいのはとても魅力的です。

    軽いので、ツアーで使ってみたいですね。これだけ多機能だと、音作りを追い込みがいがあります。大まかなキャラクターはコンター回路で作って、細かい部分はロー・ミッドとハイ・ミッドのEQで調整すれば、かなり幅広く音作りができますね。

    素直な音色が良くて、音量は余裕をもってかなり出せました。ツイーターの印象が良く、音を背中で受けて弾いたときでも、自分が弾いている音が分かりやすく聴こえます。指向性もほどよく絞られているので、ライブハウスで鳴らしたときにヴォーカル・マイクへの被りを軽減できそうです。あとこの軽さは衝撃的でした。カートで持ち運べますね。

    ▲キャビネットを背にした状態で、BA10-2-S2の指向性とモニタリング感を確認する三島。

    Mishima’s Setting

    パワフルにピッキングしたときに歪みが乗り、ニュアンスがしっかり出るような、ふくらみのあるクランチ・サウンドをイメージしました。プリアンプでゲインを稼ぎ、DRIVEもオンにしています。コンターはカーブAを10時方向くらいに設定。11時あたりまで上げると、僕くらいのピッキングの強さでは少し埋もれてしまう感じがあったので、弾きながら探っていった結果、このあたりがベストでした。

    EQの効きは上品なので、トレブルは3時方向くらいまで、ベースも2時方向くらいまでブーストしています。850Hzを少し削っているのは、カーブAで作ったミッド・スクープ感を整えるため。さらに250Hzあたりをブーストすることで、埋もれそうな帯域を前に出しています。

    試奏で使用したキャビネット
    GENZLER / BA10-2-S2」について

    今回の試奏で使用したキャビネットは、ゲンツラー製BA10-2-S2(写真下段)。10インチ・ネオジウム・ウーファー1基と、4基の2インチ・ネオジウム・ラインアレイ・ドライバーを組み合わせた、BASS ARRAYシリーズのコンパクト・キャビネットだ。

    原音に忠実で明瞭なサウンドを特徴とし、ラインアレイ構造によって演奏者が音を把握しやすい自然なモニタリング感を実現。さらに、角度付きのバッフル設計により、ステージ上でも音の指向性をコントロールしやすい。300Wのパワー・ハンドリングを備えながら、重量は10.4kgと軽量で、トップ/リア部にリフト・ハンドルを装備するなど、持ち運びやセッティングのしやすさにも配慮されている。

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