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    BOSSが放つ新時代の低音ギア feat.関谷友貴(TRI4TH)

    • Photo:Hiroki Obara
    • Equipments Explanation:Makoto Kawabe

    BOSSのベース用ニューギア3モデルを徹底解剖!

    高品位なマルチ・エフェクターとして人気を博すBOSSのMEシリーズより、最新モデル“ME-90B”が登場。そしてKATANAシリーズからは、初のベース・アンプ・ヘッド“KATANA-500 Bass Head”、そしてキャビネット“KATANA Cabinet 112 Bass”が登場するなど、注目のベース関連製品が立て続けにリリースとなった。いずれも世界のアンプ/ペダル・シーンを牽引してきたBOSSが誇る最新技術が込められた、ベーシスト注目の逸品たちだ。今回は関谷友貴(TRI4TH)による試奏レビューのほか、製品開発者へのインタビューなどをとおし、各モデルの実力を徹底解剖していく。

    KATANA-500 Bass Head
    KATANA Cabinet 112 Bass

    革新的機能を多数実装した次世代型ヘッド・アンプ&キャビネット

     KATANAシリーズの最新モデルKATANA-500 Bass Headは、BOSSブランド初となるヘッド・タイプのベース・アンプ。コンボ・タイプの現行モデルからヘッド部分を抜き出したものではなく、画期的な機能を盛り込んだまったく新しい製品だ。

     最大出力は500W/4Ωで、新開発のクラスDパワー・アンプ(現行のコンボ・タイプはクラスABパワー・アンプ)を搭載。CAB RESONANCE機能は、接続されたキャビネットのインピーダンスや周波数特性を解析し、その結果をもとにパワー・アンプの出力を補正(キャリブレーション)するもので、キャビネットの種類や設置環境を問わず、理想的な動作状況を作り出すことができる。解析方法も本機とキャビネットを接続してCALIBRATIONボタンを押すだけ。マイクやPCなどの周辺機器を必要とせず、数十秒で解析が完了し補正が適用されるという優れものだ。

     プリアンプ・セクションは3つの帯域が選べるLOW/HIGH MIDを含む4バンドEQ、MODERN/OFF/VINTAGEからなるAMP FEEL、ミッド・スクープ/ブライト/ワイドレンジが選択可能なSHAPE、不要な低音域を抑えるBOTTOMといった基本機能のほか、ベーシストにとって使用頻度の高いコンプレッサーやドライブ、モジュレーション系エフェクトなどの専用ノブも装備。本体のみで幅広い音作りが実現でき、気に入ったセッティングはMEMORYスイッチを長押しすることで本体に保存できる。さらに専用アプリBOSS TONE STUDIO for KATANA BASS HEAD(ダウンロード for iOSダウンロード for Androidダウンロード for Windows・macOS)を併用すれば、4バンドEQの帯域設定や各エフェクトのパラメータなど、より緻密で柔軟なセッティングを施すことも可能だ。

     同時発売されたKATANA Cabinet 112 Bass は、KATANA-500 Bass Headに最適なキャビネットで、1基の12インチ・エミネンス製ネオジム・ウーファーとツィーターを搭載。素材や厚みが入念に調整された筐体により、軽量ながらも充分な低音を確保し、タイトな鳴りを実現している。

    SHAPEやPADのほか、COMPやDRIVEなどのスイッチは、押すごとに緑/赤/オレンジとLEDの色が変わり、各色にプリセットされた音色を呼び出すことができる。MEMORYには各コントロールのセッティングがひとつ保存でき、専用フット・コントローラー“GA-FC/GA-FC EX”を併用すれば3つまで保存が可能となる。
    2フロント・パネル右側にあるLINE OUTでは、マイクで収音した音色を再現することが可能で、マイクの距離感などに応じてLIVE/BLEND/REC/CUSTOMの4モードがスタンバイしている。なかでもCUSTOMは、専用アプリによってマイクの種類や設置位置などを自由に選択できるモードだ。
    3バック・パネルに配置された充実の入出力端子群。USBケーブルでPCと接続すればオーディオ・インターフェイスとしても機能するほか、専用ソフトによる各コントロールのパラメータ操作も可能だ。またXLR端子のLINE OUTにはDIRECT/PRE/POSTが装備され、用途やシーンに合わせて信号出力が選択できる。
    4KATANA Cabinet 112 Bassのバック・パネル。HIGH/LOWとON/OFFスイッチを実装、3段階のツィーター・レベルが選択可能となっている。またLINK端子を用いることで、本機を2台スタックして使用することもでき、より大規模なステージで求められる音圧を出力することも可能となる。

    【Specifications】
    ◎KATANA-500 Bass Head
    ●出力:250W(8Ω)、500W(4Ω)●プリアンプ:ソリッドステート●パワーアンプ:クラスD●コントロール:コンプ(+スイッチ)、ドライブ(+スイッチ)、ブレンド(+スイッチ)、FX(+スイッチ)、ライン・アウト(+スイッチ)、ゲイン、ベース、ロー・ミッド(+スイッチ)、ハイ・ミッド(+スイッチ)、トレブル、ボトム、マスター、メモリー・スイッチ、ミュート・スイッチ、パッド・スイッチ、シェイプ・スイッチ、アンプ・フィール・スイッチ、キャビ・レゾナンス・スイッチ、ハイカット・スイッチ、セレクト・スイッチ、グラウンド/リフト・スイッチ●入出力端子:インプット、XLRアウト、スピーカー・アウト×2(スピコン・タイプ)、Bluetoothアダプタ・イン、USBイン、ヘッドフォン/レック・アウト、GA-FCイン、EXPペダル・イン●電源:AC100V●外形寸法:298(W)×212(D)×96(H)mm●重量:2.8kg●価格:110,000円
    ◎KATANA Cabinet 112 Bass●搭載ユニット: エミネンス製12インチ・ウーファー、ツィーター●許容入力:最大500W、定格250W●インピーダンス:8Ω●コントロール:ツィーター・スイッチ、ツィーター・レベル・スイッチ●入力端子:インプット、リンク(ともにスピコン・タイプ)●外形寸法:534(W)×456(D)×380(H)mm●重量:16.5kg●価格:93,500円

    SEKIYA’s Impression

    どの音色も厚みがあって“リアル”なんですよね。

     KATANA-500 Bass Headの第一印象は“カメレオンみたいなアンプ”(笑)。4バンドEQはPCから操作すれば周波数帯域を自由に変えられるし、何にでも化けられるので。チートが過ぎますね(笑)。とはいえニセモノ感は全然なくて、どの音色も厚みがあって“リアル”なんですよね。

     EQがフラットだと“素の音”って感じです。でも無個性ではなくて素直でクリーンな音色ですね。GAINを上げるとナチュラルなサチュレーションが加わって、右手のタッチだけで歪ませたりできて使いやすいです。この状態でAMP-FEELをVINTAGEにするとさらに歪みが増えますけど、HI-CUTを併用するとまさにヴィンテージ・アンプのような良い感じの音色が簡単に作れます。MODERNのほうはちょっとガッツが増える感じですね。AMP-FEELは単なるプリセットEQではなくてアンプの挙動自体が変わった印象があります。これだけでもうアンプ3台分の音色が作れる感じでお得ですよね。SHAPEはサジ加減がちょうど良くて使いやすいです。BOTTOMは会場によって低音が回ったりするのを防げますね。ウッド・ベースを弾くときに威力を発揮しそう。エフェクトも多彩でクオリティが高いですが、最初からプリセットで入ってるT.WAHが気に入りました。LINE OUTは専用アプリでマイクの距離感を変えると音色の印象もかなり変わります。スピーカーを鳴らさずにエアー感が足せるので宅録環境でも活用しやすいと思います。

     KATANA Cabinet 112 Bassは、サイズに対してボトム感がありますね。15インチっぽい低音がありつつ12インチのスピード感も存在しています。ヘッドのCAB RESONANCE機能を使うと低音がさらに増えて締まった感じになりますね。キャビネット本来の力を引き出してくれます。この機能はすごいと思います!

    BOSS TONE STUDIO for KATANA BASS HEADで
    DL可能な関谷のお気に入りプリセット

    VINTAGE NATURAL
    MODERN NATURAL
    SUPER CLEAN

    Information

    KATANA-500 Bass Headの専用ケースは発売されていないが、同社から発売されているヴォーカル・エフェクター用のキャリング・バッグ“CB-VE22”に、写真のとおり綺麗に収めることができる。持ち運んでの使用をメインに考えている方は、こちらもぜひチェックしていただきたい。

    KATANA-500 Bass Headのデジマート在庫一覧

    KATANA Cabinet 112 Bassのデジマート在庫一覧

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