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えっ!今日ヴォーカルとベースだけッスか?『がんばれゴエモン!からくり道中』【クリープハイプ長谷川カオナシのレトロゲーム喫音堂】第38回
- 文:長谷川カオナシ
- バナードット絵:石田芙月(株式会社.AC)
毎回レトロゲームの音楽を取り上げ、その魅力をクリープハイプの長谷川カオナシが独自の視点で伝える連載『レトロゲーム喫音堂』。今回は、7月30日に発売40周年を迎えたあのゲームのBGMを分析!
お世話になっております。
奇数月は喫音堂の月!
今月頭に『がんばれゴエモン』シリーズの総集編、
『がんばれゴエモン大集合!』が発売されたそうですね。
SNSのタイムラインも大盛り上がりでした。
私は小学生の時分は『コミックボンボン』の愛読者だったため、
帯ひろ志先生の『がんばれゴエモン』シリーズ(※1)が大好きでした。
今回はシリーズ最初期、発売40周年のあのタイトルをやっていきましょう。
『がんばれゴエモン!からくり道中』
(1986年/コナミ)(※2)
純和風横スクロールアクションアドベンチャーゲーム。
この頃のアクションゲームのなかで特徴的な点は、
X軸Y軸に加えZ軸(奥行き)の概念があるところでしょう。
主人公ゴエモンは縦横斜めそしてジャンプと、文字通り縦横無尽に画面を駆け回ります。
ゲームを盛り上げるBGMは都節(みやこぶし/喫音堂第18回を参照)を多用。
作品が纏う和の雰囲気を後押しします。
今回喫音するのはステージ1、所謂「町」のBGM。
スピーディーです。都節です。
プレイヤーが一聴して“ああ、これは和のゲームなんだ”と感じさせられるような説得力がありますね。
敵キャラクターの御用役人が“御用だ!”との掛け声を発するのも味があります。(※3)
「町」BGMは基本的に2和音のみで構成されています!
例えるならヴォーカルとベースの2ピース・バンド。
シンプルな編成であるがゆえ、ベースの動きはかなり重要です。
イントロ後の、3~10小節間を見てみましょう。

① 3~4小節目
ベースは基本的にAの音に居ながら、たまにEの音をフォローしています。
Eの音を弾くタイミングは2拍目と4拍目。
これはドラムセットでいうところのスネアのタイミングに当たります。
つまりここでのベース・ラインは“ベースとドラム両方の役割を担っている”のです!
② 5~6小節目
この間はずっとDの音に滞在しています。
“ラッララミッラッ”のループが“レッレレ”のループに変化。
これは呼吸の間隔の変化(喫音堂第2回を参照)です。
2拍の呼吸が1拍の呼吸になることによって、切迫した感じが生じます。
③ 7小節目
ベース兼、裏メロディを引き受けます。
④ 8~9小節目
8小節目はベースはお休み。メロディの印象を強めます。
9小節目でメロディに対する“ハモり”に回ります。フレキシブルな立ち回りです。
⑤ 10小節目
ドゥッテレドゥッテレドゥッテレドゥッテレ。
“コナミのドゥッテレ”。私の好きなゲーム実況者、永久師範代のしんすけさんがかつて放ったワードです。
↓のレ、16分休符、↑のレを2回、その繰り返し。
確かにコナミのゲームには何故かこの“ドゥッテレ”のフレーズがたくさん登場します。
ベースらしいアプローチから、ドラムの代役、裏メロディ、ハモリ、そしてドゥッテレ。
短い中でも大立ち回りのベース・ラインですね!
2ピース・バンドのベースは大忙しです。
▼今回の演奏動画▼
さて今回はまるで2ピース・バンドのような編成でのベース・ラインに着目してきました。
私事ですが、私長谷川は9月11日に谷山浩子さんと石井AQさんによるイベント、
「猫森集会2026」のAプログラム〜顔のない森のペンフレンド〜に出演します。
2部構成で、1部では浩子さんと二人でステージに上がります。
もしかしたら“歌とベースだけ”という編成の曲もあるかもしれません!
会場は渋谷区文化総合センター大和田 さくらホール
かなりレアな日になるので、ぜひチェックしてみてくださいね。
それではまた再来月までご機嫌よう。
(※1)
^作やっぱ当時キッズとしてはヤエちゃんの存在に触れざるを得ませんよね。
コリュウタも可愛かったな。
(※2)
^前作『Mr.五右衛門』のBGMの使いまわしが多いようです。が、
『Mr.五右衛門』の作曲者は不明。よって「町」BGMの作曲者も不明です。
本作ではコナミ矩形波倶楽部の寺島里恵先生の参加のみ判明しています。
(※3)
^コナミって「ゲームに喋らせる」のが昔から得意なんですよ。
ファミコンはその性能上、人間の声が出るゲームは稀。
そんな中コナミのゲームでは人の声らしき音が多くありました。
タートルズも「カワバンガ」とか言ってたし。
何かこだわりがあったんだと思います。
◎Profile
はせがわ・かおなし●1987年9月23日生まれ。ロックバンド“クリープハイプ”のベーシスト。小学生でピアノとヴァイオリンを手にし、高校1年でベースを始める。ベースのほかにエレキピアノやビオラなども演奏。クリープハイプは2001年に尾崎世界観(vo,g)を中心に結成。2009年に長谷川、小川幸慈(g)、小泉拓(d)を擁した現編成となる。2012年、メジャー・デビュー。2014年に初の日本武道館2days公演を開催、2018年5月にも約4年ぶりとなる2度目の日本武道館公演“クリープハイプのすべて”を成功させる。2024年11月に、キャリア史上最大規模の会場となるKアリーナ横浜で、現メンバー15周年記念公演“2024年11月16日”を開催。2024年12月に7tnアルバム『こんなところに居たのかやっと見つけたよ』をリリースした。2025年2月から7月にかけて、ホール&ライブハウス15公演・アリーナ4箇所8公演をまわるキャリア史上最大規模となる全国ツアーを開催。2025年11月26日に自身初のソロアルバム『お面の向こうは伽藍堂』をリリースした。
◎Information
長谷川カオナシ
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