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BADASS ROOKIE〜BMイチ押しのNEWCOMER〜 – 関将典[Kroi]

  • Interview:Zine Hagihara

INTERVIEW

前に出るところはバカのふりして
支えるところではしっかり潜る

ファンクネスあふれる演奏が躍動的な5ピース・バンド、Kroi。結成してまだ約2年とまだまだフレッシュな彼らだが、醸し出すグルーヴはすでに芳醇で、実力も折り紙つき。そのなかでファンク、ソウル、ディスコなどブラック・ミュージックのリックを巧みに操るベースの関は、しなやかなプレイがクールなグルーヴマンだ。マジでイカす新人=BADASS ROOKIEを紹介する本企画。BMイチ押しの新世代ベーシストはコイツだ!

ベースをハメるときは
バランスに重点を置いてます。

——ベースを始めたきっかけは?

 高校を卒業するまでは、ひたすらバスケと勉強ばかりをしていて、大学でも続けるつもりだったんですが、バスケをするために受けた志望校に落ちちゃいまして……正直なところなにもかもそれっぽくやってるだけで中途半端だったので、バスケも勉強も辞めることにしました。でも、何かを真剣にやりたいという思いがあって、音楽がずっと大好きだったこととベースが何よりカッコよく思えたことから、いい機会だと思ってベースを手にしました。大学1年の中盤にめちゃくちゃ最高の楽器店が近所にできて、そこに通いつめたらバイトさせてもらえることになりました。毎日入り浸っていたら音楽や楽器のことにどっぷりハマって、そこから本格始動といった感じで今に至ります。今思えば、第一志望の大学受験に失敗して良かった!(笑)

——Kroiはどのようにして集まったバンドですか?

 自分とドラムの益田(英知)が同じ大学で、当時はゼミが一緒ってぐらいでめちゃくちゃ仲が良いわけではなかったんですけど、なぜか卒業して間もなく“一緒に音楽やらない?”と自分から誘って、ふたりで曲を作ったりしてました。そこから半年くらいしたとき、急にインスタのフォロワーから“うちのバンドでベースを弾いてもらえませんか?”とDMがきて、それがギターの(長谷部)悠生だったんです。そのバンドがヴォーカルの(内田)怜央(vo,g)とのバンドで、俺は益田とやっていくと決めていたので、“ドラムが益田なら良いよ”と言ったところ、向こうもドラマーがいなかったようで、お互いに足りないパートが合致したんです!(笑) そこからはトントン拍子でした。

上段左から千葉大樹(k)、益田英知(d)。下段左から関、内田怜央(vo,g)、長谷部悠生(g)

——どのように作曲しているんですか?

 基本的には怜央がワンコーラスないしフルでデモをバンバンあげてくれていて、そこからライヴのことや音源化したときのこととかを全員で話し合ったりしてみんなで詰めていきます。でも、大体はスタジオに入ってセッションを重ねて作り上げるのが多いかもしれません。デモが上がった段階で怜央がすべてのパートを音入れした状態で投げてくれるので、フレーズとかはもうすでに良くて(笑)。でも、それを丸コピするなんて……こちらにもプライドがあるので、しっかり聴き込んだうえで楽曲を理解して、音の足し引きやフリーキー過ぎると感じた箇所の整理などをしています。

——Kroiの曲はジャム・セッションのカラーが強いですが、即興的なだけでなく、考えるところは考える感じなんですね。

 ベース・ラインをハメるときはバランスに重点を置きます。アンサンブルのなかでのバランスを鑑みながら、その時点でのリアルな自分が出せる最大限のフレーズやノリ、パフォーマンスを楽曲に照らし合わせてます。挑戦的なフレーズを入れてみる箇所だったり、堅実かつグルーヴ面を意識する箇所もあって。ライヴを重ねて何回も弾いていくうちに、弾き慣れてフレーズが曲に定着していったりすることもあります。それとは逆に、物足りなくなって違和感を感じたときの試行錯誤していく“ナマ感”が個人的にはおもしろいですし好きですね。

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