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【第135回】リズムがモタる人、このエクササイズでモタり解消の第一歩! 石村順の低音よろず相談所 〜Jun’s Bass Clinic〜

  • Text:Jun Ishimura

ジャストで演奏しているつもりなのにモタる傾向がある人、ハシる傾向がある人がいます。バンドの土台を担うベーシストとしては、モタるのもハシるのもよろしくないです。今回は、モタりがちな人向けの、モタり解消の第一歩となるエクササイズに取り組みましょう!

モタる傾向の確認

次のシンプルなフレーズを弾いて、自分がモタる傾向があるかどうか確認します。メトロノームを拍のオモテに鳴らし、いろいろなテンポ(たとえば BPM 100、BPM 140、BPM 60 など)で演奏を録音して、プレイバックして確認しましょう。

モタる原因はいろいろですが、そのひとつに“リズムの捉えかた”が大雑把である(精度が低い)ことが挙げられます。今回はこれに対処するために“リズムの捉えかたの精度”を高めるエクササイズをします。

エクササイズ 

このエクササイズは段階的に取り組みます。まず準備エクササイズ①~③【ex.1~3】にしっかり取り組み、メイン・エクササイズへと進みます。どのエクササイズも1フィンガーでやります。どの指でもOK、ピックやスラップでもOKです。最初のうちはBPM60 前後の自分がやりやすいテンポから取り組みます。

準備エクササイズ①は、先ほどのフレーズの音使いのまま、すべて16分音符で埋めたフレーズです【ex.1】。ただし、フレーズの始まりも音の変わり目も、拍のオモテ(16分音符1個目)ではなくその手前の16分音符4個目なので注意してください。

準備エクササイズ②は音数が減ります【ex.2】。リズムが不安定な場合は ex.1 と ex.2 を交互に弾いて、ex.1 の“16分音符4 つすべて弾いている感覚”を保ったまま ex.2 を弾くよう意識しましょう。

準備エクササイズ③はさらに音が減ります【ex.3】。リズムが不安定な場合は、ex.1 や ex.2 と交互に弾きます。16分音符4つ目の位置があいまいにならないよう気をつけましょう

ここからメイン・エクササイズです。【ex.4】は拍のオモテを演奏しないので、一気に難易度アップです。リズムが不安定な場合は、ex.1、 ex.2、ex.3 と交互に弾きます。16分音符のパルスの流れを感じながら演奏しましょう。ベース音とクリックとの関係性を身体と感覚で覚えましょう。安定して弾けるようになったら次に進みます。

メイン・エクササイズ②【ex.5】が一番大事な練習です。前半はex.4と同じで、後半は最初のシンプルなフレーズです。後半の4分音符を弾くときも16分音符のパルスの感覚を保ったまま弾くのが肝です。

最初のフレーズを弾いたときにモタり気味だった人も、この練習にじっくり取り組むと、よりジャストで弾けるようになると 思います。ぜひ根気良く取り組んでください。石村順でした! 

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石村順
◎Profile
いしむらじゅん●元LOVE CIRCUS、元NEW PONTA BOX。日食なつこ、ポルノグラフィティ、東京エスムジカ、K、JUJU、すみれ、大江千里、松山千春、宇崎竜童、石川ひとみ、種ともこ、近藤房之助、豊永利行、Machico、紘毅、城南海、西田あい、つるの剛士、SUIKA、Le Velvets、葡萄畑など、多数のライブや録音に参加している。ロングセラー『ベーシストのリズム感向上メカニズム グルーヴを鍛える10のコンセプトとトレーニング』の著者。Aloha Bass Coachingではベース・レッスンのほか全楽器対象のリズム・レッスンを行なっている。

◎Information
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