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    映画ミューパニ上映を記念して!『TMNT ミュータント・ウォーリアーズ』【クリープハイプ長谷川カオナシのレトロゲーム喫音堂】- 第18回

    • バナードット絵:石田芙月(株式会社.AC)
    • 挿絵:長谷川カオナシ

    2022年にメジャー・デビュー10周年を迎えたクリープハイプ。今回は、カオナシさんが愛して止まないキャラクター、タートルズのゲームを紹介していきます。

    ハ短調“都節”で和の雰囲気をうまく演出

    お世話になっております。

    私の大好きなキャラクター、ティーンエイジ・ミュータント・ニンジャ・タートルズ。

    その新作映画、『ミュータント・タートルズ:ミュータント・パニック!』

    ついに日本でも今月の22日に公開となりました!

    大変光栄なことに、私長谷川カオナシも、

    マンタのミュータント“レイ・フィレット”役の日本語吹替え声優として参加させて頂いております。

    さて今回は映画『ミューパニ』公開記念ということで

    タートルズのレトロゲームを喫音していきましょう。

    『T.M.N.T ミュータント ウォーリアーズ』(1993年/コナミ)(※1)

    こちらも当たり前のように箱説付きでございます

    時は1990年代。かの有名な『ストリートファイターⅡ』の流行により、

    世はまさに大・格闘ゲーム時代でした。

    ウルトラマンもガンダムも、セーラームーンまでもが格闘ゲーム

    タートルズも例外ではありませんでした。

    例外じゃないどころか、ファミコン版、SFC版、メガドライブ版の

    3作品(※2)をリリース。

    ノリノリです。

    今回はその中でも最も有名だったと思われる

    『ミュータント ウォーリアーズ』をやってみましょう。

    ゲームの舞台はアメリカ合衆国ですが、

    その中でも異彩を放つ和風ステージがあります。

    その名も「NOH STAGE」。

    くのいちのキャラクター、

    “アスカ(※3)”のステージです。

    BGMももちろん和風テイスト。

    鼓のような音色のイントロ、尺八の主旋律、

    琴のような音色の超絶速弾きソロ間奏。

    和風ロックといった趣で素晴らしいです。

    しかしこう、楽器編成だけで“和”の雰囲気が出るものでしょうか?

    否。

    そこには使う音階も関係しているのです。

    「Noh Stage」で主に用いられている音階は“都節(みやこぶし)”というもの。

    日本の古い唱歌「さくらさくら」を想像してみて頂けるとわかりやすいかと思います。

    ハ短調の“都節”なので、ざっくり言うと

    C、D♭、F、G、B♭、Cのみを使うという音階になります。(※4)

    Cのキーの都節で使われる音

    鍵盤をお持ちの方は、写真の赤い印のついた音のみを適当に叩いてみてください。

    もうそれだけで和の雰囲気を感じることができますよね。

    ベース・ラインにも注目してみましょう。

    ベースは基本的に1小節のループ。

    そのフレーズはC→C(オクターブ上)→B♭→F→G→B♭→F→D♭という音使いです。

    音階“都節”の構成音を綺麗になぞっていることがわかりますね。

    メロディ・ラインは、歌いまわしの都合上“都節”を外れる瞬間もあります。

    しかし、この曲ではベースが丁寧に“都節”をなぞり続けていることによって、

    楽曲全体に和の雰囲気を纏わせることに成功しているのですね。

    さて今回はタートルズの格闘ゲームの楽曲を喫音しました。

    映画『ミューパニ』では一体どんな楽曲が流れるのでしょうか。

    ぜひ劇場にてご観賞くださいませ!

    それではまた来月までご機嫌よう。

    (※1)
    ^ 音楽は上原和彦先生、上高治巳先生、井上秀登先生のお三方。 上原先生と上高先生は喫音堂第5回で紹介した『タートルズインタイム』の音楽も担当されています。

    (※2)
    ^ メガドライブ版には“レイ・フィレット”が登場するんですけどね…。 如何せんゲーム難易度が高いし雰囲気も暗いんですよ…。 これらすべて、Nintendo Switchソフト『Teenage Mutant Ninja Turtles: The Cowabunga Collection』に収録されています。

    (※3)
    ^ なんと本作のオリジナル・キャラクター。原作にもアニメにも一切登場しません。 近年、製作途中の資料が発見されましたが、それに記載されていた キャラクター名は“Aska”ではなく“Mitsu”でした。 ミツ姫とは旧実写映画3に登場する別のキャラクターです。ぶったまげました。 なお、コスチュームが刺激的過ぎて北米版では露出度が抑えられています。

    (※4)
    ^ 例外有り。下行形ではB♭ではなくA♭の音を用います。 また、「さくらさくら」でもスケールにないG♭の音が登場します。

    ◎Profile
    はせがわ・かおなし●1987年9月23日生まれ。小学生でピアノとヴァイオリンを手にし、高校1年でベースを始める。クリープハイプは2001年に尾崎世界観(vo,g)を中心に結成。2009年に長谷川、小川幸慈(g)、小泉拓(d)を擁した現編成となる。2012年にメジャー・デビューし、2014年には日本武道館にてライヴを行なう。2023年3月29日に新作EP『だからそれは真実』をリリースした。長谷川はティーンエイジ・ミュータント・ニンジャ・タートルズのグッズ収集家でもある。

    ◎Information
    長谷川カオナシ
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    クリープハイプ
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