プランのご案内
  • 2024年12月27日(金)12:00 ~ 2025年1月6日(月)11:00まで、サポートをお休みいたします。期間中のお問合せは、1月6日(月)以降、順次対応させていただきます。
  • UP

    待望の新機種AG PREAMPのほかアギュラー注目の3機種を徹底検証!

    • Product Description:Daisuke Ito
    • Photo:Hiroki Obara

    Impression
    村田隆行

    普段からアギュラーの機器を愛用し、同ブランドの特徴をよく知る村田隆行が今回の4機種を試奏。彼が感じた、これらの機器のキャラクターとは?

    ニューヨーク系サウンドのキャラクターと特徴的なミドルは全モデルに感じられた。

     AG PREAMPはピュアなプリアンプという印象ですね。僕が好きないわゆるニューヨーク系サウンドと呼ばれる、パッシヴの楽器をアクティヴ化したような、楽器本来の鳴りを表現してくれます。アギュラーの個性って、ジャリっとしたミドルの質感にあると思っているのですが、それがベースを少しだけ前に押し出してくれる。それでいて楽器本来の音色がしっかり表現されるので、とてもバランスが良いです。4バンドEQはロー・ミッドとハイ・ミッドがあるので、おいしいポイントをしっかり作れます。ディープを押せばグッと低域が張り出し、ブライトも上品で効果的ですね。一定したピッキングで弾く場合、このふたつのスイッチは音色変化のいち押しとして、かなり使えると思います。いずれもベースの“コシ”が失われないのも魅力ですね。今回の動画ではアンプを介さずにAG PREAMPを経由してラインで録音しましたが、ナチュラルだけど心地良いロー感に加えて、ミドルにもコシがあるので、弾いていても気分が良くなるような音でした。試奏には1978年製のフェンダー・ジャズ・ベースを使いましたが、楽器本来の鳴りが生かされていて、かつ(プリアンプをとおした)アクティヴならではの音色作りができました。これがあれば、パッシヴのベースにアクティヴ回路を入れる改造をしなくても大丈夫。そういう意味でもこれは素晴らしいプリアンプです。

     STORM KINGは個性がありながらも心地良いファズ系のトーンですね。歪ませたときに重要なジャリっとした質感をツマミでコントロールできるのが好印象でした。ピックで弾く人には特にマッチすると思います。ゲインとシェイプの組み合わせでファズだけでなく、いろんな表情の歪みが作れます。

     FILTER TWINは普段から愛用している大好きなペダルです。このモデルはルックスだけが変わったいうことですが、何でだろう、音も良くなった気がしますね(笑)。このペダルの良さは、フィルターの“コワン”っていう部分がアンサンブルのなかでもしっかりと聴こえてきて、かつベースの芯の部分もしっかり出るところ。フィルター系のペダルって、ものによってはグシャっとして、楽器の個性がわからなくなることもありますが、それもなくて本当に優秀です。

     TLC COMPRESSORはコンプがかかってからの音の立ち上がりが速いのですが、こういうかかり方のコンプが僕にとっては理想的です。以前のモデルも所有していますが変わらず、良い印象でした。今回テストにはアーニーボール・ミュージックマンのスティングレイを使いましたが、このベースらしいジャリとした質感もありながら、各弦の出音のばらつきもしっかりと抑えてくれたので、そのあたりが動画を見て伝わったら嬉しいですね。

     今回試したペダルすべてにおいて言えることですが、先ほどAG PREAMPで触れたニューヨーク系サウンドのキャラクターに加えて特徴的なミドルは、全モデルに感じられました。これがアギュラーの個性であり、僕が気に入っているところでもあるんです。いわゆる2000年代っぽい音なのですが、それがよりハイファイかつフラット化が進む現在のベース機材のなかで、良い意味で個性として引き立ってくる。アギュラーは職人気質で派手さはないのですが、ベースの特性をちゃんと理解して、そこを引き立ててくれる。弾いて知るほどに、その味が理解できる。今回テストして、改めていいブランドだなと感じました。

    むらた・たかゆき●福岡県出身。10代の頃よりR&B、ファンク、フュージョン、ロックなどの音楽に憧れギターを始め、その後ベースに転向。鳴瀬喜博、IKUOとのベース・ユニット“THE CHOPPERS REVOLUTION”を結成し、これまでに3枚のフル・アルバムとライヴDVDを発表している。 2021年には自身と繋がりのある豪華なミュージシャンを多数迎えた初ソロ・アルバム『The Smiling Music』をリリースした。ラリー・グラハム、チャック・レイニー、マーカス・ミラーなど、ワールドクラスのベーシストとの共演歴も持つ。
    http://takayukimurata.com/
    今回の試奏に使用された村田の愛器。フェンダーの1978年製ジャズ・ベース(左)と、アーニーボール・ミュージックマンの2022年製スティングレイ(右)。

    製品に対するお問い合わせはコルグお客様相談窓口(☎0570-666-569)まで ◎https://www.aguilar.korg-kid.com/

    【お知らせ】
    本記事は、現在発売中のベース・マガジン11月号【AUTUMN】の内容を転載したものです。

    同号では、表紙にJ(LUNA SEA)を迎えた巻頭特集『ピック弾きの大逆襲―低音で鳴らす“アタック”の美学―』を80ページで展開。ベーシストは”ピック弾き”に対して、どのようなイメージを持っているのか。指弾きやスラップといった奏法が陽を浴びがちであるベース・シーンのなか、ピック弾きの魅力をさまざまな角度からお伝えします。

    亀田誠治、J、ウエノコウジ、原昌和(the band apart)といったプロ・ベーシストが、自身のピック弾きスタイルを解説する『6人の名手から学ぶピック弾きメソッド』、ピック弾きのノウハウを徹底的に紹介する『究極のピック弾きメカニズム』など、さまざまなコンテンツを掲載しています。ぜひチェックしてみてください!