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    待望の新機種AG PREAMPのほかアギュラー注目の3機種を徹底検証!

    • Product Description:Daisuke Ito
    • Photo:Hiroki Obara

    アンプやエフェクターなど多数のベース用アイテムをラインナップし、その現代的かつ高音質なサウンドで多くのベーシストを魅了するブランド、アギュラー。同ブランドの人気アンプであるAGアンプのプリアンプ部を、ペダル・サイズにした新製品AG PREAMPが発表された。定番アンプのプリアンプ部を手軽に持ち運べる本機の登場は、まさに待望と言えるだろう。ここではこのAG PREAMPを中心に、新しいモデルやデザインも一新された現行ラインナップの3機種――STORM KING、FILTER TWIN、TLC COMPRESSORを含む4台をセレクト。村田隆行の試奏とともに、それぞれの特徴と実力を検証していく。

    AG PREAMP

    どんなベーシストにもフィットする 素直な音色を追求したキャラクター

     同社の代表的なヘッド・アンプ、AGシリーズの名を冠したプリアンプ兼DIペダル。AGシリーズはソリッドステートとクラスDアンプで構成され、同社のヘッド・アンプのラインナップのなかでも、クリアで素早いレスポンスを持つ。幅広いジャンルのベーシストに愛用されており、このAG PREAMPもそのキャラクターを踏襲している。AGシリーズのアンプと同様に余裕のあるヘッドルームを実現するため、本機は18Vの専用アダプターのみで駆動するのが特徴だ。

     入出力は通常の楽器用インプット、アウトプットにはフォーンに加えて、ライン・レベルで音声信号を送れるバランス・アウトも備えており、プリアンプのプリ/ポストの選択も可能だ。また、音楽プレイヤーなどを接続できるAUXインと、ヘッドフォン・アウトも備えており、これら機能は自宅練習でも重宝する。

     主要なコントロールはゲイン、マスターに加えて、同社のトレード・マークであるロー・ミッドとハイ・ミッドを含めた4バンドEQと、ブライト/ディープ・スイッチで構成される。ブライトとディープはそれぞれのオン/オフだけでなく、両方を同時に駆動させることも可能だ。それ以外にもヘッドフォン・アウトのヴォリュームに加えて、バランス・アウトに先述したプリアンプのプリ/ポストの切り替えスイッチ、グラウンド・リフトを備える。

     これまでに発売されているTONE HAMMERやDB925といった同社のプリアンプとは異なり、素直な音色を追求したAG PREAMP。音楽性を問わず多種多様なベーシストにフィットする汎用性の高さが、本機の魅力と言えるだろう。 

    Specifications
    ●コントロール:ゲイン、ヴォリューム、ベース、トレブル、ロー・ミッド、ハイ・ミッド、ヘッドフォン・ミックス、エンゲージ・スイッチ、ブライト/ディープ・スイッチ、プリ/ポスト・ミニ・スイッチ、グランド/リフト・ミニ・スイッチ●入出力端子:インプット、アウトプット、AUXイン、XLR、ヘッドフォン・アウト●電源:専用18Vアダプター●外形寸法:外形寸法:120(W)×95(D)×55(H)mm●価格:61,600円

    ミドル・レンジのコントロールはハイ・ミッド(800Hz)とロー・ミッド(300Hz)のふたつを装備。より追い込んだセッティングを可能としている。
    ディープ/ブライト・スイッチで音色の変化が可能。ディープは低音域を、ブライトは高音域を強調してくれる。
    AUXイン端子とヘッドフォン・アウトを備えているため、自宅練習用のアイテムとしても重宝する。

    STORM KING / FILTER TWIN / TLC COMPRESSOR

    【STORM KING】ディストーションから過激なファズまで多彩な歪みを生み出す

     STORM KINGは超小型の筐体に収められたディストーション/ファズ・ペダルだ。コンパクトでありながらも完全なアナログ回路で設計された本機は、同社のプリアンプTONE HAMMERの歪みチャンネルを軸にしながらも、さらなるゲイン感や歪みを得るために新たに開発された。音作りの要は、歪みの増減を調整するゲイン、高域のレンジ感を変化させるシェイプ、さらに音をグッと前に押し出すキック・スイッチ。これら3つのコントロールによって、ディストーションから過激なファズ・サウンドまで多彩な歪みを得ることができる。歪みのかかり方が素直なので、楽器の特性を生かせるのも、このペダルの特徴だ。

    Specifications
    ●コントロール:マスター、ゲイン、シェイク・キック・ボタン、オン/オフ・スイッチ●入出力端子:インプット、アウトプット●電源:9Vアダプター●外形寸法:38(W)×32(D)×93(H)mm●価格:44,000円

    【FILTER TWIN】2種のフィルター・コントロールが多種多様なエフェクト効果を生む

     個性的な回路設計を持つエンヴェロープ・フィルター、FILTER TWIN。ふたつのフィルターを持つのが本機の最大の特徴で、上昇するフィルター(ベロシティ↑)と下降するフィルター(ベロシティ↓)の可変スピードをコントロールでき、ブレンドで各フィルターの音量バランスを調整できる。ひとつのフィルターを用いれば、いわゆるファンク系のオート・ワウ的なサウンドが得られ、ふたつのフィルターを混ぜると個性的なフィルター・サウンドを作り出せる。エフェクトのかかり具合は、この手のタイプにあるエグさはなく上品な印象。低域を失わず、楽器のニュアンスを損なわないのもこのペダルの大きなポイントと言える。

    Specifications
    ●コントロール:ブレンド、スレッショルド、ベロシティ↓、ベロシティ↑、オン/オフ・スイッチ●入出力端子:インプット、アウトプット●電源:9Vアダプター●外形寸法:68(W)×140(D)×58(H)mm●価格:52,800円

    【TLC COMPRESSOR】コンパクトでありながらレコーディング機器に匹敵する実力

     原音重視なコンプレッサー・ペダルとして、ベーシストからも高い評価を得ている人気機種、TLC COMPRESSOR。アギュラー独自のTLC(トランス・リニア・コントロール)と呼ばれる回路を採用し、レコーディング機器に匹敵するほどの、クリアかつ低ノイズを実現している。加えてワイド・レンジで音楽的な響きを持つ本機は、接続する楽器の音色特性を変えずに、コンプレッサーの効果を得ることができる。コントロールはレベル、スレッショルド、スロープ(レシオ)、アタック・タイムというベーシックな構成。指弾きの音の粒を揃えたり、スラップのバランスをとったりと、実用的で幅広いセッティングが可能だ。

    Specifications
    ●コントロール:レベル、スレッショルド、アタック、スロープ、オン/オフ・スイッチ●入力端子:インプット、アウトプット●電源:9Vアダプター●外形寸法:68(W)× 140(D)× 58(H)mm●価格:52,800円

    左からSTORM KING、FILTER TWIN、TLC COMPRESSOR。

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