SPECIAL


アリス・イン・チェインズ
『Dirt』(1992年)

レイン・ステイリーが綴る極限のリアリティー

 彼らの2ndアルバムにして当時のベーシスト、故マイク・スター在籍時最後の作品。ハードでありつつも、陰鬱で呪術的な歌唱とダウン・チューニングならではのヘヴィなリフ、サイケデリックなフレーズの応酬で聴くたびに深みにハマる。ギター/ベースのユニゾンしたリフが特徴的な①②⑨、地を這うようなベースから始まり楽曲のグルーヴを引っ張る③⑬、彼らの世界観に没入させるような④⑧、ダウナーながらも美しさすら感じる⑥など、すべてが計算されたようにアルバムを構築している。薬物中毒の影響を強く感じながらも最高のパフォーマンスで完成された本作は、紛れもなくオルタナ/グランジ時代のマスターピースだ。(Jun Yokoe/PLASTICZOOMS)

◎リリース時のバンド・メンバー
【マイク・スターb)】レイン・ステイリー(vo,g)、ジェリー・カントレル(g)、ショーン・キニー(d)

BM厳選! 創成期オルタナ/グランジ入門名盤 “⑨選” トップ・ページへ