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    堀江晶太(PENGUIN RESEARCH)『雨天続行』インタビュー 「時代性に寄せるというよりは、なるべくタイムレスなものを」

    • 取材:加納幸児(ベース・マガジン)
    • 写真:Viola Kam[V'z Twinkle]

    数々のアーティストへ楽曲提供を行なう気鋭のクリエイターであり、PENGUIN RESEARCHのメイン・コンポーザーを担うベーシスト、堀江晶太。デビュー10周年を記念する新作『雨天続行』は、彼らのピュアな思いが込められた、バンドの“いま”を指標する意欲作だ。本インタビューでは、今作の制作背景から、新たな機材を駆使したこだわりの音作りまで、彼のプレイに肉薄。自身にとって“一番実験する場所”だと語るホーム=PENGUIN RESEARCHにて、堀江が今鳴らしたい低音の美学と、10年を経て見据える現在地に迫った。

    ずっと好きであり続けるものを
    今の自分たちの腕でフェアにやってみよう

    堀江晶太

     まず“10周年の節目に寄せたアルバム”という思いのもと、“10曲”で構成することに決めました。ただ、自分のなかで明確にジャンルやメッセージが決まっていたわけではなく、曲を作る過程でやりたいことが浮かんできて、それに導かれる形で作っていった流れです。最初に書いたのが「晴天」、その次が「雨天続行」で、この2曲のワン・コーラスのラフを書いたところから制作が始まりました。

    PENGUIN RESEARCH。左から、堀江、新保惠大(d)、生田鷹司(vo)、神田ジョン(g)、柴﨑洋輔(d)。

     最初は、アルバムの指標になるようなリード曲ができたらいいな、くらいの感覚で向き合いました。いわゆるコンセプチュアルなものや“これが表題です”という作り方は、あまりペンギンではやってなくて。普段の作家業やプロデュース業で“役割のある曲”を作っているぶん、ペンギンではそういう戦略性はなるべく排除して、ふと湧いたものをメンバーやスタッフに聴いてもらうところから始めました。ギターやピアノをラフに鳴らしながら、気負わずに“今これが好きだな”とか“ペンギンで鳴らしたら似合いそうだな”と思えるものを大事に、時代性に寄せるというよりは、なるべくタイムレスなものを書きたいなと。

     結果、特別珍しいことはしてないけど、そこに魅力があればいいな、という2曲になりましたね。結果として、この2曲ができたことで、“今やりたいのはこういうことかもしれない”という指標も見えました。周年を機会に変革するというよりは、ずっと好きであり続けるものを、今の自分たちの腕でフェアにやってみよう、というアルバムにしたかったんです。

     “神田ジョン(g)が弾いたら神田ジョンらしくなる”、そういうギター・イントロから始めたいなと。一番野性的で、深く考えずに聴けるイントロにしたかったんです。10周年ということで、新しいことや時代性も考えたんだけど、考えすぎると終わらなくなってしまうので、逆にそこから離れてみたのがこのイントロでした。

     メロディーに関しては、僕は美しいメロが好きで、特にメジャーコードが好きなんですよ。近頃また歌唱曲の良さを強く感じていて、あの温かくて優しい響きに昔も今も惹かれています。坂本九さんの「心の瞳」は、今でも自分のなかのベストソングで、無意識にあの感覚を追いかけているところはあると思います。そういうメロディーで組み立てつつ、サウンドとしては無骨にロック・バンドをやる、という意識がありました。

    • 堀江晶太インタビュー(2026年5月号掲載)

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