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    【Bacci Guitars & Basses】高い芸術性を備えたイタリア産ハイエンド・モデルが登場!

    • Photo:Masao Sekigawa
    • Text:Makoto Kawabe

    イタリア・トスカーナ地方を拠点とする弦楽器ブランド“Bacci Guitars & Basses”がついに日本へ上陸した。今回は本ブランドの4弦パッシヴ・モデル『Amalfi Marleo IV 34″』をレビューするとともに、ブランドの概要を解説していく。

    Amalfi Marleo IV 34″

    Front
    Rear

    REVIEW
    ー 職人の技術力を随所に感じる芸術的逸品

    表裏に浮き出る虎目がクオリティの高さを物語るフィギュアド・メイプルの1ピース・ネックは、厚みはあるが握りやすく、違和感なくフィンガリングできる。アルダー材のボディはトップ側のエッジを大胆に削り落とした立体的かつ独創的なデザインで、低音弦側の表裏に大胆なコンター加工が施されており、身体に自然にフィットして弾きやすい。6点止めのジョイント・プレートは丁寧に埋込施工されており、デザイン性や演奏性だけにとどまらない意図がありそうだ。

    ペグはヒップショット製だが、重量感のあるブラス削り出しのブリッジや独自形状の各種プレートなど、多くのハードウェアがオリジナルで製作されており、木工だけではない製作技術の高さもうかがえる。電装系はノードストランド製のJタイプ・ピックアップにシンプルな2V1Tのパッシヴ・サーキット。リアがブリッジ寄りに位置するため、明瞭で開放的な音色ではあるが、いわゆる70年代JBタイプとは一線を画す、本特有の鳴りと深みがあり、低音域を強調した沈むような奏法や音作りでも埋もれずに芯が残る。キャビティ内にシールディングを施していないため外来ノイズ耐性は低いが、その分だけ楽器の鳴りもオープンで上限のない解放感がある。

    工房を構えるトスカーナはレオナルド・ダ・ヴィンチや作曲家プッチーニなど、偉大な芸術家が生まれ育った地域。製作者ブルーノの手腕であることは揺るぎないが、革新性や芸術性に出自が色濃く反映されている。マイケル・リーグら新進気鋭のアーティストに愛されるブランドであることにも納得の逸品であった。

    各ハードウェアのなかでも特に存在感を放つのが、オリジナルで製作されるブリッジ。重量感のあるブラスを削り出しで成形したオリジナリアイのふれる形状で、表通しにも対応している。
    ネックとボディは、オリジナルのジョイント・プレートを介した6点留めのボルトオンで回注でれている。ジョイント・プレートはボディに埋込施工されているため、ハイ・ポジションの演奏時にもストレスを感じることはないだろう。また大胆にシェイピングされたコンター加工など、演奏性を高める工夫が各所に込められている。

    【Specifications】●ボディ:アルダー●ネック:メイプル●指板:メイプル●スケール:34インチ●フレット数:22●ピックアップ:ノードストランドNJ4 Custom×2●コントロール:フロント・ヴォリューム、リア・ヴォリューム、トーン●ペグ:ヒップショット・ウルトラライト・コンバインド・クローム●ブリッジ:オリジナル・マルレオ・ブラス・ブリッジ●カラー:セレスティアル・ブルー(市場想定価格:748,000円)

    ABOUT

    Bacci Guitars & Bassesは、イタリア人ルシアー、ブルーノ・バッチによるハンドメイド・ブランド。治金学やグラフィック・デザインなど多様な分野での経験とスキルを生かし、トスカーナの誇りと魂を込めて製作される。今回の紹介モデルはオーツドックスなマテリアルにJタイプ・ピックアップ2基を搭載する34インチのバッシヴ・ベースで、独創的なデザインが秀逸だ。

    製品に関する問い合わせは、スリークエリート(☎︎03-6383-2968)まで。
    https://sleekelite.com/