華やかな舞台で活躍するプロ・ベーシストたちに、普段は覗くことのできないプライベートな一面を言葉で綴ってもらう本連載。今回登場いただくのはELLEGARDENのベーシスト、高田雄一。一流ベーシストでありながら“ベースよりもアイドルの撮影に夢中になっている”とベース界をザワつかせる彼に、その愛を語ってもらった。そして高田にはもうひとつ、探求が止まらないライフワークがあるという……。（編集部）

＊この記事はベース・マガジン2024年8月号（SUMMER）から転載したものです。

増えていくレンズとともに邁進していきたいものです。

　ベース以外で取り組んでいること。というテーマとなると、私にとってはこれほど書きやすいテーマはございません。もはやベーシストなのかどうかもわからなくなる瞬間と向き合うことのほうが多くなって来ている昨今（そちらの問題について考察したほうが良いまである）、探求が止まらなくなるという病はときに人生を豊かにしたり、本業を疎かにしたりするものでございます。私がハマっていることといえばご存知の方も多いと思いますが、カメラでございます。

　通っていたアイドル現場で突如巻き起こった高画素ミラーレスカメラブーム。この濁流に巻き込まれたのが8年ほど前でしょうか。中学時代に写真部だったこともあり、もともと興味のあったジャンルではあったのですが、本格的な機材強化。撮影会への参加、プロのカメラマンさんのセミナーに通い詰めるなどしていると、知り合いの方から“写真を撮ってほしい”などの依頼もチラホラいただけるようになってくるのであります。あるアイドルさんの楽曲にベースで参加する機会があったのですが、それをきっかけにライヴの写真を撮らせてもらうことになり、SNS用の写真などを担当させてもらい、なんと写真集まで担当させてもらうことできました。そのような活動が実を結び（？）『有吉反省会』などで“カメラにハマり過ぎている”というようなネタでたびたび番組に呼んでいただいたのもこの頃でした。今年は念願の写真展なども開催できましたが、やりたいことは山積み。増えていくレンズとともに邁進していきたいものです。

　もうひとつライフワークと言いますと競馬であります。出会いは26年ほど前に遡ります。それまでまったく興味はなかったのですが、知り合いから借りた『ダビスタ』（ダービースタリオン）というゲームを暇つぶし程度に始めたのが運の尽きでございました。このゲームは馬を作り育てるわけですが、攻略法として血統を調べているうちに、それぞれの種牡馬達の現役時代のエピソードなども情報として入って来るわけでございます。気付いたら競馬場での現地観戦。当然馬券にものめり込み、北海道では引退した名馬たちに会いに行ったりとやはり探求が止まらなくなってしまうわけでございます。今は『三連単倶楽部』というYouTubeのチャンネルを立ち上げてG1の予想をしておりますので、ぜひご覧いただきたい（まったく人気がない）。とにかく没頭できる何かがあるというのはありがたいことですね。本業に支障は確実に出ていますが、これからも探求は止まらないと思われるわけでございます。

【Profile】
たかだ・ゆういち●2001年にELLEGARDENでデビューを果たす。2008年よりバンドは活動休止となるが2018年に活動を再開。2022年12月に6thアルバム『The End of Yesterday』を発表した。ほかにもMAYKIDZなどのバンド活動の傍ら、ももいろクローバーZ、B.O.L.T、FES☆TIVE、キミノマワリ。などアイドルの楽曲にもレコーディングで参加。カメラマンとしても、さまざまなグループのアーティスト写真や写真集などを担当するなど、多岐にわたる活動をしている。推しは超ときめき♡宣伝部の辻野かなみ。

◎Information
高田雄一：X　Instagram
ELLEGARDEN：Official Site　X　Instagram
MAYKIDZ：Official Site　X　Instagram

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