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【誰でもわかる! 低音理論のオハナシ】第4回 – “コード・トーン”とは?

  • Text:Takeshi Yamaguchi

ベースを弾くうえで、最低限知っておきたい理論を網羅していく“低音理論のオハナシ”。今回はコード・トーンについてふれていこう。

三和音+1音=四和音

前回までに、“コードの基本はトライアドという三和音”であること、さらに、その三和音をなす3つの音は、“ルート+3度+5度”である、ということを説明してきたね。ここまではコードの最も基本的なことなので、確実に理解しているものとして話を進めていくよ。

では四和音の場合はどうだろうか、というわけで次の問題に答えてもらおう。

【問題】トライアドに1音加えた四和音を作る場合、そのコードのルートに対して何度の音を加えるのが一般的か? 加える音を度数で答えよ。

おっと、これはいきなりちょっと難しかったかな。“え~、そんなこと言われても~……”という声が聞こえてきそうだが、まぁ、ここはわからなくても気にしないで、この続きを読んでもらおう。(もちろん、わかった人もね!)

【答え】6度、あるいは7度。

もうわかっていると思うけど、“ドレミファソラシ(ド)”という1オクターブ内には、ルートに対して、1度〜7度までの7つの度数があるよね。“なんのことやらわかりませ〜ん!”という人は、“第2回”に戻ってすぐに復習だ!

四和音って何?

例えばルートがCの場合、もちろんいろいろな種類のCのコードが考えられるわけだが、その原型といえるのが“Cのトライアド”で、ルート(=1度)+3度+5度、すなわち“ド・ミ・ソ”という3つの音によって構成される和音である、というのがこれまでの話【図1&譜例1】

で、その3音に、6度か7度の音をひとつ加えたのが基本的な“四和音”ということなんだ。ちなみにこの“加える音”のことを“付加音”というので覚えておこう。

そして、ここで【譜例2】を見てほしい。Cをルートにしたコードを考えるとき、トライアドでルート(ド)、3度(ミ)、5度(ソ)の3音はすでに使っている。そこにもう1音加えて四和音にしたいのだが、残っているのは、2度(レ)、4度(ファ)、6度(ラ)、7度(シ)、という音だね。

ここで2度や4度ではなく、6度か7度を付加音に用いるところが四和音の基本形、ということなんだ。なぜ2度や4度ではないのかは、このあとさらに音数を増やして“テンション・ノート”というものが出てきたときにわかるので、ここではとりあえず“6度か7度を加える”と覚えておこう。

いろいろな四和音

ところで、トライアドにはその構成音の違いによって4つの種類(メジヤー、マイナー、オーギュメント、ディミニッシュ)があったのを覚えているよね? ということは、そう、勘のいい人は気づいただろうが、“トライアドに1音加えたのが四和音の基本形”なので、ここでもやはり4種類の四和音ができる……と、思った人は残念、ちょっと早とちりだよ。そう、付加音は“6度か7度”だったね。そして、実は7度の音には通常の7度(メジャー7th)のほかに、半音下の減7度(マイナー7th)もあるので、3とおりの付加音があるというわけ(ちなみに6度は変化しないのかというと、マイナー7thとオーギュメント5thがすでにあるので基本的には変化しない。詳しくは“テンション・ノート”のときにまた)。

というわけで、これらをもとに四和音のさまざまな種類を書き出したものが【表1】だ。それぞれの規則性や関係をしつかりと把握しておかないと、次の講座ではさらに音数が増えてややこしくなってくるので、今回でちゃんとアタマに入れておこう!

今回のまとめ:四和音の基本形は、トライアド(1+3+5)+(6または7)!

◎講師:山口タケシ
東京都出身。小学生の頃ギターを弾き始め、中学生でバンドを作り、ベースに転向。大学在学中にCBS/SONY(当時)よリバンドでデビューした勢いで、新聞記者か小学校教師という進路を変更、親の反対を押し切り就職活動もせずにプロの世界へ。その後はバンドのライヴ活動と同時にスタジオ・ワークやツアー・サポートなどを始める。卒業後、自己のバンドや、数々のアーティストのツアー、レコーディングヘの参加とともに、『ベース・マガジン』誌への執筆や、入門書、教則CD、教則ビデオ制作といった活動も続けている。