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【ある日の絵日記 リターンズ】(絵と文:かわいしのぶ)– 第3回

1996年から2020年まで24年間にわたりベース・マガジンの人気連載として掲載されていた、かわいしのぶの「ある日の絵日記」が“リターンズ”としてBass Magazine Webで連載中。今回は年末年始の絵日記です!

ある日の絵日記 リターンズ
第3回

 ある年末年始の日記。

 12月20日、初めて行く整体院。体が左向きに捻れていることを指摘され、普段ベースを演奏している旨を伝えると、先生は何故か突然“アレクサ!ジャズをかけて!”と言い放ち、店内にお洒落ジャズが流れ始めた。あのとき何とコメントすればよかったのか、今となってもわからない。

 12月21日、柴田聡子 in FIRE @梅田クアトロ。DMBQ企画の熱いツーマン・ライヴ。翌日、帰京する車内のBGMはドラムのイトケンさんセレクト“田原俊彦シングル・コレクション”。40年前の曲なのに、特別ファンでもなかったのに、次から次へとスラスラ一緒に歌えてしまう。私の内部ストレージ使用量の何%かがトシちゃん。今、新しい曲を暗譜できないのはトシちゃんのせい。

 12月23日、梅津和時・キャバレー!大忘年会@新宿ピットイン。バカボン鈴木さんとツイン・ベースでぶいぶい。

 12月29日、大友良英スペシャルビッグバンド@新宿ピットイン昼夜公演。チューバの木村仁哉くんとツイン低音でぶいぶい。

 2022年、元旦。新年初の映画鑑賞は『男はつらいよ(一作目)』。寅年に、寅次郎。というワードには一切気が付かないまま観終える。

 1月3日、氏神様へ初詣。二礼二拍手一礼のベストなBPMがいつまでたってもわからない。

 1月4日、出かける前に玄関脇の全身鏡を覗いたらスカートを履いていなかった。寒かったので厚手のレギンスを2枚重ねて履いていたのだが、その重ね履きによる着圧感と保温力により脳がバグり“俺は着終えたぜ”の完遂スイッチが押されていたのだった。Xデーは近い。

 1月5日、仕事初め、某リハーサル。

 1月6日、東京、積雪。ベランダで小さな雪だるまを作る。

 1月7日、七草。なーなーなーなな・ななななー(草)、終日「うなずきマーチ」に脳内を占拠される。

寅次郎 ジョン寅ボルタ パ寅ッシュ』

【Profile】
かわいしのぶ●1971年生まれ、東京都出身。高校一年でベースを始める。1991年にSuper Junky Monkeyを結成し、1994年、ソニー・レコードよりデビュー。日本とアメリカを行き来しながら活動を続け、1999年に活動休止。2009年からは3人で活動を再開した。かわい個人は現在、大友良英スペシャルビッグバンド、柴田聡子 in FIRE、坂田明、パンチの効いたブルース&オウケストラ、プノンペンモデル、world’s end girlfriend、bikke&近藤達郎など、ベーシストとして幅広い活動を展開している。カレーが大好き。

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◎ベース・マガジン×かわいしのぶ
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