ベース・アンプの老舗ブランドが放つ
“オールインワン・ベース・ボックス”

ベース・アンプの老舗ブランドであるAmpegから、伝統の骨太サウンドをクリエイトするアナログ技術と、IRローダー／キャビネット・シミュレーターなどのデジタル技術を融合し、さまざまなシチュエーションで活躍するプリアンプ／DI、SGT-DIが登場した。

SGT-DIの基本構成はプリアンプ、SGT（歪み）、IRローダー／キャビネット・シミュレーターの3つのセクションで、個別にオン／オフが可能だ。

プリアンプ・セクションには3バンドのセミパラメトリックEQに加え、Ampegならではの機能であるウルトラ・ロー／ハイ・スイッチを備えている。ミドルは周波数帯のコントロールも可能だが、同社のSVTアンプなどに搭載されている“5ポジション”ではなく、200Hzから3kHzの間でシームレスに設定することができる仕様なのは使い勝手がいい。また、プリアンプ・セクションにはコンプレッサー機能も搭載。コントロールはCOMPノブがひとつなので直感的に操作できる。コンプの効きは、ノブを絞り切りで1:1（コンプ・オフ）、最大で10:1となっており、コンプレッションがかかるとLEDが光るので視認性も良い。

歪みセクションのSGT（スーパー・グリット・テクノロジー）は、同社のベース・コンボ・アンプ“Rocket Bassシリーズ”にも搭載されている独自の回路技術で、真空管を用いないアナログ回路によって真空管アンプ特有の質感を再現する。本機ではスイッチによって、“SVT”と“B-15”のふたつのヴォイシング・モードが選択でき、2種の歪みの質感を得られるのも嬉しいポイントだ。

Ampegで初搭載となるIRローダー／キャビネット・シミュレーションは、IR（インパルス・レスポンス）データを読み込むことでスピーカー（キャビネット）を鳴らしたときの質感を再現するデジタル技術。筐体サイドのスイッチでファクトリー・プリセットの3種のキャビネット（Heritage B-15、Heritage SVT-410HLF、ヴィンテージの“スクエアバック”SVT-810）と、ユーザー自身が読み込んだIRデータ（Ampegのサイトから無償でダウンロードできる専用アプリ“Ampeg IR Loader”によって読み込み。3種まで保存可能）のどちらを使用するかを選べ、さらに筐体上面のスイッチで、それぞれ3種のサウンドを切り替えて使用することができる。シミュレーターを使用したくなければ機能自体をオフにすることも可能だ。なお、IRローダー／キャビネット・シミュレーションはライン・アウト／ヘッドフォン出力端子とXLRアウト端子に作用する。

入出力端子の充実もポイントで、ヴォリューム付きのAUXインはステレオ入力端子とモノラル入力端子を装備。チューナー・アウトなどに活用できるスルー端子、IRローダー／キャビネット・シミュレーターを介さないプリアンプ・アウト端子なども、ライヴで使い勝手がいいだろう。また、ライン・アウト端子にはヘッドフォンを直接接続できるので、自宅練習などでも手軽に活用できるはずだ。

価格は75,900円（税込）。1台でライヴ／レコーディング／自宅練習といったシチュエーションを問わずに活躍する、まさに“オールインワン・ベース・ボックス”となるプリアンプ／DIに要注目だ。