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圭吾(Novelbright)× 新生Sadowsky MetroLine

  • Photo:Takashi Yashima

MetroLine 21-Fret Hybrid P/J Bass 4st

Specifications
●ボディ:レッド・アルダー●ネック:メイプル●指板:モラード●スケール:34インチ●フレット数:21●ピックアップ:サドウスキーPスタイル(フロント)、サドウスキー・ハムキャンセリングJスタイル(リア)●プリアンプ:サドウスキー2ウェイ・エレクトロニクス・ウィズ・ヴィンテージ・トーン・コントロール●コントロール:ヴォリューム、バランサー、ヴィンテージ・トーン(兼パッシヴ・スイッチ)、トレブル/ベース(2軸2連)●ペグ:サドウスキー・ライト・マシンヘッド・ウィズ・オープン・ギア●ブリッジ:オリジナル●価格:396,000円

21フレットを装備した指板はツバ出し仕様になっている。また、ホイール・ナットのトラスロッド調整口はネック・エンドに設置され、ネック調節も容易だ。
ジョイント部の角やカッタウェイのエッジは丸く加工がされており、ハイ・ポジションでの演奏性にも配慮がされている。

Keigo’s Impression

グッと支える部分で存在感があります。

 PBタイプですけどネックがJBタイプのものと同じで、細くて弾きやすいですね。ベースを選ぶときにネック問題はけっこう大きくて、僕がPBを選ばなかったのは、それも理由なんです。でもこれなら、ネックの太さがPBを敬遠する理由だという人も挑戦できますよね。

 サウンドはロー・ミッドのゴリッと感が特徴で、グッと支える部分で存在感があります。フロントだけにするとさらに荒々しい感じで、グッと出てくる感じがあります。手のニュアンスがめっちゃ出るなって感じもしますね。

Total Impression

“ベースの役割”を果たしたうえで目立つ音色。

 僕は普段、日本製のMetrolineを使っています。楽器屋さんにあるベースを全部弾いてみて一番好きな音がしたんですよ。タイトで太めの音でグッとくる、なおかつちょっとギラギラもしているサウンドで、音の立ち上がりも速いしパワー感もある。普段のEQはトレブルを80%くらい、ベースを60%くらい上げて、ギラっとさせています。攻撃力のある感じが好きなんですよね。あと、いろいろ弾き比べたなかで、弾きやすさはダントツですよね。ネックはめちゃくちゃ細いわけではないですけど、すごく握りやすい。僕は小指がすごく短いんですけど、なんとか弾けているのは、サドウスキーの弾きやすさに助けられている部分はあると思います。この弾きやすさに慣れちゃっているので、ほかのベースを持つと急に弾けなくなるんです(笑)。

 今回、サドウスキーがドイツ製になったということなんですけど、“変わっちゃったな”って感じはまったくないですね。今までどおりの感じで弾けているし聴けています。変わったと言えばボディがチェンバーになったということで、すごく軽い。もともとボディはほんの少し小さいディンキー・シェイプなので、ライヴではやっぱり弾きやすいんです。絶妙なサイズ感で。ただ、僕はけっこう肩こりで、2時間ライヴをやったあとって、けっこうしんどくて。今回、サウンドはキープしつつ軽くなったのは、ライヴを考えるとすごく大きいことだと思います。

 今回3本弾いてみましたけど、弾き心地はサドウスキー・クオリティというか、全部弾きやすいですね。音は、JJのモデルはやっぱり安定感があります。PJのモデルは、JBシェイプのものはガツンと抜けて目立つ感じがありつつも、フロントにしてまろやかなサウンドにもなるところがいい。PBシェイプは、バンド・サウンドを支えるときに良さそうです。今回PJを弾いてみて、フロントとリアでキャラクターが全然違うから、曲中にベース・サウンドの切り替えが欲しいときに、意外と手元で変えるのもいいなって思いました。

 サドウスキーのベースって、僕的にはすごくロック・バンドに合う楽器だと思います。存在感があるというか、しっかりと“ベースの役割”を果たしたうえで目立つ音色にできる。そういう意味では、Novelbrightはベースがめっちゃ動くバンドで、ベースを目立たそうとするバンドでもあるので、そこにもちゃんと合っている楽器ですね。

圭吾(Novelbright)
けいご●1996年1月4日生まれ、岐阜県出身。中学2年でドラムを始め、2019年にNovelbrightに加入したのをきっかけにベースを手にする。Novelbrightは2013年に結成され、2019年1月に現体制となり2020年8月にメジャー・デビュー。2021年4月にメジャー1stアルバム『開幕宣言』をリリースした。2月23日にメジャー2ndシングル「The Warrior」をリリースする。
https://novelbright.jp/

製品のお問い合わせは、山野楽器 商事部 海外営業部(☎︎03-3862-8151)まで。
https://www.sadowsky.jp/

本記事は1月19日発売のベース・マガジン2022年2月号の特集記事をもとに再構成したものです。

同号では、90年代初頭に最盛期を迎えた“オルタナティブ・ロック”の特集を46ページで展開! そのほか、一枚上手のピック弾き特集、昨年20周年を迎えたマークベース特集、ミッキー吉野×亀田誠治×ハマ・オカモト(OKAMOTO’S)による鼎談などを掲載しています。ぜひチェックしてみてください!