UP

圭吾(Novelbright)× 新生Sadowsky MetroLine

  • Photo:Takashi Yashima

2020年に生産拠点をドイツへと移し、名門ベース・ブランドのワーウィック・ファクトリーを中心とした製造ラインナップとなったサドウスキー。メイド・イン・ジャーマニーによるNYサウンドがどのようなものなのか、気になっている人も多いであろう。今回は気鋭の若手ロック・バンド、Novelbrightより圭吾を迎え、新生サドウスキーの中心ラインナップであるMetroLineシリーズをチェックしていこう。

MetroLine Series
ドイツ製による新たなスタンダード

まずは今回試奏する、新生MetroLineシリーズの概要を確認しよう。

 ドイツのワーウィック・ファクトリーにて、ロジャー・サドウスキー監修のもと最新鋭の設備で製作されるスタンダード・シリーズがMetroLineだ。JBモデル、JBシェイプのPJモデル、PBシェイプのPJモデル、24フレット・モデル、ウィル・リー・モデルなどの幅広いラインナップで、それぞれ4弦、5弦を取り揃えている。
 木材はアルダー・ボディ/モラード指板とスワンプ・アッシュ・ボディ/メイプル指板の組み合わせが基本。ネックはいずれもメイプルだ。やや小ぶりのディンキー・シェイプのボディにはチェンバー加工が施されており、これはロジャー・サドウスキーの“良い音がするのは、ソリッド・ボディの楽器でも軽量なもの”という哲学に基づいている。
 サドウスキーは、アクティヴ回路搭載JBタイプの先駆けでもあり、ピックアップとプリアンプはもちろんサドウスキー・オリジナルで、トーン・コントロールはトレブル/ベース(ブーストのみ)のほか、ヴィンテージ・トーンを備える。
 ハードウェアはオリジナルのものを備えており、ナットはワーウィック製品に採用されているアジャスタブル・ナットを採用。先述のチェンバー加工とともに、旧Metrolineからブラッシュアップされたポイントと言える。

SOUND IMPRESSION
by 圭吾(Novelbright)

MetroLineの概要を把握したところで、Novelbrightの圭吾に、そのサウンドをチェックしていただこう。旧Metrolineユーザーである圭吾に、新生MetroLineはどう映ったのか?

MetroLine 21-Fret Vintage J/J Bass 4st

Specifications
●ボディ:レッド・アルダー●ネック:メイプル●指板:モラード●スケール:34インチ●フレット数:21●ピックアップ:サドウスキー・ハムキャンセリングJスタイル×2●プリアンプ:サドウスキー2ウェイ・エレクトロニクス・ウィズ・ヴィンテージ・トーン・コントロール●コントロール:ヴォリューム、バランサー、ヴィンテージ・トーン(兼パッシヴ・スイッチ)、トレブル/ベース(2軸2連)●ペグ:サドウスキー・ライト・マシンヘッド・ウィズ・オープン・ギア●ブリッジ:オリジナル●価格:401,500円

コントロールは、ヴォリューム、バランサー、トレブル、ベースに加えて、ヴィンテージ・トーン(兼パッシヴ・スイッチ)を装備。トレブルとベースはブーストのみ。
新生サドウスキー製品のナットは、ワーウィック由来の、高さ調整が可能な“アジャスタブル・ナット”を採用している。

Keigo’s Impression

モダン方向のJBのまさに“定番”。

 スペックとしては普段僕が弾いているものと近くて、弾き心地もサウンドも、かなりいつもどおりな感じに近いですね。重量は、ボディがチェンバーになっている分けっこう軽く感じます。でも、不思議とサウンドは変わったっていう感じがないんですよね。

 2ピックアップをフルで鳴らしたときの、この太くてギュッと詰まった感じ。やっぱり僕はこの音が好きですね。モダン方向のJBのまさに“定番”って感じで安心感があります。バンドに合わせて弾いてみたくなりますね。

MetroLine 21-Fret Vintage P/J Bass 4st

Specifications
●ボディ:スワンプ・アッシュ●ネック:メイプル●指板:メイプル●スケール:34インチ●フレット数:21●ピックアップ:サドウスキーPスタイル(フロント)、サドウスキー・ハムキャンセリングJスタイル(リア)●プリアンプ:サドウスキー2ウェイ・エレクトロニクス・ウィズ・ヴィンテージ・トーン・コントロール●コントロール:ヴォリューム、バランサー、ヴィンテージ・トーン(兼パッシヴ・スイッチ)、トレブル/ベース(2軸2連)●ペグ:サドウスキー・ライト・マシンヘッド・ウィズ・オープン・ギア●ブリッジ:オリジナル●価格:396,000円

バック・パネルは従来のビスで止めるタイプからワンタッチ式に変更されている。電池交換やメインテナンスも容易になった。
ブリッジはオリジナル。サドルの横ズレを防止する溝が切られているほか、弦のボールエンドを固定する穴の横にひと回り大きな穴が開けられ、素早く弦交換が可能。

Keigo’s Impression

音のバリエーションがおもしろい。

 2ピックアップをフルで鳴らすと、さっき弾いたJ/Jよりも、こっちのほうが音が通って目立つ感じがあります。これはアッシュ・ボディとメイプル指板ということもあるんですかね。Pピックアップだけにすると温かい感じがあって、例えば、普段はガツンとさせつつ、ハイポジでベースだけになるソロっぽいところで使うと、ちょっとまろやかになっていいかも。普段バランサーって使わないんですけど、このベースを持ったら、けっこう曲中でも触るかもしれない。音のバリエーションという意味では、JJよりもおもしろいと思いました。

▼ 続きは次ページへ! ▼