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    ローラ・リー

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    「“音の長さ”がほとんどすべて」ローラ・リー(クルアンビン)が語るグルーヴの作り方【インタビュー後篇】

    • Interview : Shutaro Tsujimoto(Bass Magazine Web)
    • Translation : Tommy Morley
    • Photo : Jackie Lee Young

    記事の前篇はこちら。

    音の長さは、ほとんどすべてと言ってもいいくらい大切だと思っている

    ローラ・リー

     特別な理由があるわけではなくて、ただ自分が心地よいと感じるものを弾いているだけなの。ときどきゴーストノートを入れてみることもあるけれど、どうもしっくりこないのよね。自分のベース・ラインを弾いていて楽しいのは、手の感覚として心地よいからだと思う。基本的には、その感覚を追い求めているの。

     それは本当に大きな褒め言葉だわ。ありがとう。音の長さは、ほとんどすべてと言ってもいいくらい大切だと思っているの。始めたばかりの頃は、ただ音を出して、メロディを作ることに夢中だった。でも、まだまったくの初心者だった頃、マークのそばで古いダブのレコードに合わせて練習していたときのことを覚えているわ。彼は別のことをしていたんだけど、突然こちらに来て、“その音はいつ終わるんだ?”って聞いてきたの。“音をどこで終わらせるのかを意識するんだ”ってね。振り返ると、それは私が学んだなかでも、最も大切なことのひとつだったと思う。だから、そこに気づいてくれてありがとう。

    クルアンビン フジロックライヴ写真

     私はブリッジ・カバー、いわゆる“アッシュトレイ”のなかにスポンジを詰めて、サステインを短くしているの。実はフジロックの直前にベースを替えたんだけど、それは使う予定だったベースのスポンジの具合があまり良くなくて、サステインが少し長すぎたからなの。音を伸ばしたいときは、スポンジだけのミュートで済ませているわ。音をどこで終わらせるか細かくコントロールしたいときや、鋭く切りたいときには右手でミュートする。もう少し柔らかく、硬すぎない終わり方にしたいときは、左手で止めているの。

     ただ感じているだけなの。少なくとも曲を作っているときはそうで、拍を数えたりはしていないわ。すでに作ったものを演奏するときには、そのフレーズを作ったときの感覚に戻るために、カウントすることもあるけれど。普段はループに合わせて曲を作っているから、自分の頭のなかで捉えたドラム・ループに合わせて作り始めるの。ときどき、自分が1拍目だと感じている場所が、実際の1拍目とずれたフレーズを作ることもあるわ。あとになってマークやDJが、私が少し違うところにビートを感じていたことを確認し直さなければならないこともある。でも、私自身はあまり深く考えすぎないようにしているんだと思うわ。

     それはないかしら。ベース・ラインのなかには、当時の時代性が強く出ているような選択もあったし、そういう部分は変わったと思う。でも、10年前に弾いていたもので、今の私なら絶対に弾かないようなものはないと思うわ。

     演奏することや、その時間を生きること、そのすべてを、より大切に感じられるようになったことだと思うわ。うまく説明できないけれど、音楽には何度でも新しく恋に落ちることができると思うの。

     両方あると思うわ。たとえるなら、10年間ずっと寿司飯を作り続けているようなものかしら。作っているものは同じお米でも、10年続けると、以前はわからなかったことが直感的に理解できるようになる。そして10年後には、きっとそれをさらに愛せるようになっていると思うの。私たちは今も同じ子供のままで、そこに一緒に過ごした10年が加わった、という感じね。

    クルアンビン フジロックライヴ写真

     いいえ、本当に何もないの。最近は、もう少し機材の世界を探ってみようかな、とは思い始めているけれど、今のところはシンプルにしておくのが好きなの。

     まだ交換していないの。今でもすごくいいフィーリングで、オリジナルのベース(SXのジャズ・ベース・タイプ)にはずっと同じ弦を張っているわ。フェンダーがシグネイチャー・モデルを作るために私のベースを持ち帰って調べたときも、“弦には絶対に触らないで”とお願いしたの。あの弦のフィーリングにかなうものは、ほかにないから。今回のレコードでシグネイチャー・モデルを使わなかったのは、まだ弦がなじんでいなかったからなの。だから去年は毎回ライヴに持っていって、練習にも、本番前のウォーミングアップにも使っていたわ。数ヵ月たって、ようやくしっくりくるようになってきたの。新品の弦は、新品のコンバースみたいなものよ。少し履き慣らす必要があるでしょう?

     そう、まさにそのとおりよ(笑)!

    Laura’s Bass

    クルアンビン フジロックでの使用ベース

     フジロックのステージに用意されていたフェンダーのジャズ・ベース。杢の際立つ指板とヘッド、月の満ち欠けを思わせるポジション・マーク、ゴールドのパーツが特徴だ。ローラは2022年のBBCの番組で、愛用のSXと同じ弾き心地を求めてフェンダーに製作を依頼し、腕のタトゥーをもとに月の満ち欠けを指板に取り入れると語っており、写真はその特注個体とみられる。そのSX製JBタイプは、マーク・スピアーがディマジオ製ピックアップへの交換などを施した長年の相棒だ。昨年発売されたフェンダー製シグネイチャー・モデルは、ローズウッド指板とクローム・パーツ、ディマジオ製Ultra Jazzを採用しており、写真の個体とは指板や外装が異なる。今回の取材では、使用予定だったベースのスポンジ・ミュートの効きが不十分でサステインが長すぎたため、フジロック直前に持ち替えたと明かしている。アンプは、アンペグのSVT-CLと、10インチ・スピーカー8基を搭載するSVT-810Eを組み合わせたセットとみられる。

    クルアンビン フジロックでの使用ベース

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    PROFILE
    ローラ・リー(クルアンビン)
    米国テキサス州の3人組、クルアンビンのベーシスト。2015年に『The Universe Smiles Upon You』でアルバム・デビューし、『Con Todo El Mundo』(2018年)、『Mordechai』(2020年)、『A LA SALA』(2024年)を発表。レオン・ブリッジズとの共作EP『Texas Sun』(2020年)、『Texas Moon』(2022年)、ヴィユー・ファルカ・トゥーレとの共作アルバム『Ali』(2022年)なども手がける。2025年にはデビュー作の発表10周年を記念した再録盤『The Universe Smiles Upon You ii』をリリースした。
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