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    INTERVIEW-HARU[BRIDEAR]

    • Interview:Kengo Nakamura

    ガールズ・メタル・シーンを活性化させる生身のサウンド

    近年、いよいよ成熟の気配も感じられるガールズ・メタル・シーン。さまざまなバンドが群雄割拠の様相を呈するなか、BRIDEARの新作『Bloody Bride』がさらなるシーンの活性化を促しそうだ。エディットを極力排し、生々しさにこだわったテクニカルさもありながら骨太なバンド・アンサンブルとキャッチーなメロディを擁する楽曲はさらに彩りを増し、国内にとどまらず、UK/EUのレーベル“SETSUZOKU RECORDS”からも同時発売され、ワールドワイドに打って出ようとしている。バンド結成から紆余曲折を経てたどり着いたこの境地をどう捉えているのか、オリジナル・メンバーであるベーシストのHARUに聞いた。

    最近の音楽ってエディットの強いものが多いと思うんですけど、
    そこをなくして生々しい感じのものにしたいなって。

    ━━BRIDEARはHARUさんとKIMI(vo)さんがオリジナル・メンバーだそうですが、結成の経緯は?

     私たちはお互いに福岡でメタル・バンドをやっていたんですけど、よく対バンをしていたんです。福岡って、女性のバンドマンが極端に少ないんですよ。私とKIMIのほかに、あと数人いる程度。それで仲良くなって話してみると、ふたりともジャンヌダルクが好きだったり、けっこう似たような音楽が好きっていうのがわかったんです。お互いのバンドが解散するのをきっかけに、せっかくだから一緒に女性だけでおもしろいバンドをやりたいねって始めたのがBRIDEARです。

    ━━HARUさんがベースを始めたきっかけは?

     ジャンヌダルクをきっかけに友達とバンドを始めたんですけど、最初はギターだったんですよ。珍しいタイプだと思うんですけど、ベースが人気でギターしか残っていなくて(笑)。バンドがやりたかったから、“じゃあ、ギターでいいよ”って。でも、ずっとベースをやりたいと思っていて、ベースを始めたのが、KIMIと出会ったときにやっていたバンドなんです。

    ━━ベースに興味を持ったのはなぜですか?

     私は小さい頃からピアノをやっていたので、もともとクラシックとかピアノを聴いていたタイプなんです。そのときにはあまり“ベース”っていうものがよくわかってなかったんですけど、吹奏楽部に入ったのをきっかけにベースっていう存在がだんだんわかってきて、そこでおもしろいなと思うようになりました。吹奏楽では、希望した楽器じゃなかったんですけどクラリネットをやっていて、クラリネットのなかにも1st、2nd、3rdって、メインのヴォーカルにあたるようなパートからベースにあたるパートまであるんですね。私は絶対に3rdを取りたかったタイプで。

    ━━ほかの楽器をやっていたメリットは、ベースを始めてから感じましたか?

     はじめに理論がわかっていたっていうのは良かったのかもしれないなと思っています。ただ、ピアノは7年くらいやっていたのに、今はほとんど弾けなくなっちゃいましたけど(笑)。

    左から、 MISAKI(g) 、HARU、KIMI(vo)、AYUMI(g)、 NATSUMI(d)
    『 Bloody Bride 』
    エイベックス/AVCD 96700

    ━━新作『Bloody Bride』は現メンバーになってからの2作目です。どういったアルバムを思い描いていましたか?

     最近の音楽ってエディットの強いものが多いと思うんですけど、そこをなくして生々しい感じのものにしたいなっていうのはありました。

    ━━今作ではメンバー全員が作曲に関わっていて、楽曲的には広がりのあるものになっていますね。

     特にアルバムの方向性を立てていたわけではないので、選曲会で選ばれた結果というのは大きいんですけど、けっこうメンバーそれぞれの作る曲がはっきりと個性が出たものになるし、それがうまく混ざったなとは思っています。選曲会での感想でなるほどと思ったのが、私の作る曲は重たい感じで雰囲気作りをするものが多いですね。

    ━━HARUさんは「Bloody Bride」と「BOY」を作曲しています。それぞれの作曲コンセプトは?

     「Bloody Bride」はストレートなハードロックにしたいなと思って作ったんです。アイアン・メイデンみたいな感じのアレンジにしていきましたね。

    ━━「Bloody Bride」は途中で大胆なリズム・チェンジがありますね。

     これはアレンジのなかで出てきたものです。私は基本的にメロディから作るので、この曲もメロディから始めて、そのあとでリフを入れていったんですね。逆に、「BOY」は珍しくオケから作ったんですよ。

    ━━「BOY」にはデスボイスが入ってアグレッシブさを感じさせつつ、逆にサビは爽やかさもあって、コントラストのある作りですね。

     楽器隊が楽しい曲を作りたいなと思ってバッキングから作り始めたんですけど、サビはやっぱりハジけたいなと思って展開させていったんです。私はギターとベースのユニゾンが大好きで、「BOY」にはそういうところを突っ込みまくったんですよ。ギターのおいしい感じというか、楽しい感じで弾いてもらえるようなギターを入れたりっていうことも考えていましたね。

    「Bloody Bride」MV
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