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    【Live Report】 PEDRO – 2021年2月13日(土)/東京・日本武道館

    • Report:Kengo Nakamura
    • Photo:Sotobayashi Kenta

    PEDRO
    BASSIST:アユニ・D
    ●2021年2月13日(土)●東京・日本武道館

    まぎれもなく“バンドマン”として上がった初の日本武道館の舞台

     BiSHのアユニ・Dによるソロ・バンド・プロジェクト=PEDROの日本武道館公演“生活と記憶”。PEDROは2018年9月に始動ということで、PEDRO始動にあたってベースを手にしたアユニにとっては、わずか3年で大舞台へと駆け上ったことになる。会場中央にステージが設置され、360度を観客が取り囲んだこの日のライヴは、図太いベースの低音とギターのフィードバック音が折り重なるなか、アユニの“武道館~!”というシャウトとともにステージを覆っていた紗幕が落とされて、デビュー・ミニ・アルバム『zoozoosea』収録の「自律神経出張中」でスタート。田渕ひさ子(g/NUMBER GIRL、toddle、bloodthirsty butchers)、毛利匠太(d)との3ピースによるシンプルで躍動感にあふれた演奏が会場に響き渡る。

     ゴリゴリとした歪みベースのイントロがカッコいい「来ないでワールドエンド」、間奏でやや屈み込みながら弦を掻き鳴らす姿がロック感に溢れた「WORLD IS PAIN」、直線的な高速ビートをダウン・ピッキングだけで弾ききる「GALILEO」、一転してミディアム・テンポの妖しいニュー・ウェイヴな雰囲気を16分のオルタネイト・ピッキングとパワー・コードでアプローチする「pistol in my hand」と、簡単な挨拶以外のMCを挟まずに一気に魅せた前半。なかでも、歌謡チックなイントロのギター・メロディが印象的な哀愁ミディアム「ボケナス青春」のギター・ソロのうしろでは剛健なルート弾きで支えたが、その低音の逞しいこと。確かに彼女は、フレーズとしてはそんなに難しいことをしているわけではないが、この“カッコいい音”は、どんなスーパー・プレイよりも説得力を持っている。

     初めての武道館公演についての想いを語ったMCのあと、“回転スターティン!”のアユニの声とともに、ステージが180度回転し、それまで背を向けていた側の観客と対面して、絶妙なハネ感のある「浪漫」。筆者からはアユニの背中が見えたタイミングであったが、ゆったりとしたリズムに乗って体を揺らしながらベースを奏でるその猫背な背中は、非常に頼もしくも見え、また、田渕、毛利も含めたその3人のうしろ姿がまぎれもなく“バンド”であり、グッとくるものがあった。そう、彼女はBiSHでの活動の片手間にベースを手にしているのではなく、まぎれもなく“バンドマン”になったのだった。

     強烈なディストーション・ベースが唸った「無問題」では、同曲のミュージック・ビデオにも登場した半牛半馬のケンタウロス姿のパフォーマーがステージに飛び入り、アユニが背中合わせで演奏をするシーンも。緊張感に満ちた前半からMCでひと息ついたこともあり、アユニにも若干の余裕が感じられた。かなり深い位置でベースを鳴らした「Dickins」を経て、上京直後の生活の苦悩について語り、その想いがこもった自身が作詞作曲を手がけた新曲「丁寧な暮らし」を披露。その後は、エッジの効いたセッションからなだれ込んだ「SKYFISH GIRL」、田渕のリヴァーブの効いたイントロが雰囲気満点のバラード「生活革命」などと本篇もクライマックスへと向かう。アユニが歌い上げた「空っぽ人間」では、最後のサビに入る前にのみベースの大きなグリスを入れていたが、こういった些細なプレイが感情をグッと押し上げるということを改めて感じさせられた。本篇ラストは、“上京してアユニ・Dになったということ、アユニ・Dとして今まで生きてこれたこと、私と私の音楽をあなたがたが生かしてくれたということ、そして、これからもこの街で生きていきたいということ、今の想いがすべて詰まっている曲”と紹介した、最新シングル「東京」。そこには音楽を奏でる楽しさ、決意、そしてそれに対する少しの自信が滲んでいた。

    • PEDRO – 2021年2月13日(土)/東京・日本武道館

     アンコールは、曲前にアユニが“乾杯!”の音頭を取った「乾杯」、今日の公演を迎えるまでの心境を自身の言葉で誠実に語ったMCを挟んでの「日常」、そして、開放的なキラー・チューン「NIGHT NIGHT」で銀色の紙吹雪が会場を舞って大団円を迎えた。「NIGHT NIGHT」では(実はほかの曲でもやっていたが)セクションによってダウン・ピッキング・オンリーとオルタネイト・ピッキングを使い分けて、ビート感の違いを表現。アユニがベースを始めた初期の段階の本誌連載(ZOOZOOしくも 先輩、お世話になります!/2019年2月号~2020年5月号掲載)を知っている筆者としては、その使い分けが意識的にしろ無意識にしろ、彼女のベーシストとしての成長を感慨深く思ったのであった。

     ライヴ終了後は、8月から全国8都市9会場を回るライヴ・ツアー“SENTIMENTAL POOLSIDE TOUR”の開催を発表。かつて本誌にて、“仕事で始めたベースが、こんなに生活に欠かせないものになった”と語った彼女の、“これから”も非常に楽しみである。 

    PEDRO / 東京 [日本武道館単独公演 ”生活と記憶”]

    ■2021年2月13日(土)@東京・日本武道館
    セットリスト
    01.自律神経出張中
    02.猫背矯正中
    03.来ないでワールドエンド
    04.WORLD IS PAIN
    05.愛してるベイベー
    06.後ろ指差すやつに中指立てる
    07.GALILEO
    08.pistol in my hand
    09.ボケナス青春
    10.うた
    11.浪漫
    12.へなちょこ
    13.無問題
    14.Dickins
    15.丁寧な暮らし
    16.ゴミ屑ロンリネス
    17.SKYFISH GIRL
    18.EDGE OF NINETEEN
    19.生活革命
    20.空っぽ人間
    21.感傷謳歌
    22.東京
    アンコール
    23.乾杯
    24.日常
    25.NIGHT NIGHT

    ■SENTIMENTAL POOLSIDE TOUR
    2021年8月11日(水)東京・STUDIO COAST 開場18:00/開演19:00
    2021年8月17日(火)北海道・PENNY LANE24 開場18:00/開演19:00
    2021年8月24日(火)福岡・DRUM LOGOS 開場18:00/開演19:00
    2021年8月26日(木)宮城・仙台Rensa 開場18:00/開演19:00
    2021年9月1日(水)大阪・なんばHatch 開場18:00/開演19:00
    2021年9月2日(木)愛知・名古屋 ダイアモンドホール 開場18:00/開演19:00
    2021年9月5日(日)新潟・NIIGATA LOTS  開場16:30/開演17:30
    2021年9月7日(火)東京・Zepp DiverCity 開場18:00/開演19:00
    2021年9月10日(金)沖縄・桜坂セントラル 開場18:00/開演19:00

    チケット料金:
    通常チケット¥4,500(税込・ドリンク別)
    ※未就学児童入場不可
    ※すべて電子チケット対応
    ※リフト、ダイブ、サーフ、モッシュ禁止
    ※写真撮影、動画録画・録音禁止

    ▼PEDRO モバイル会員先着先行 *FC限定チケット
    【受付期間】2月14日(日)21:00~2月15日(月)23:59
    【受付URL】https://sp.pedro.tokyo/feature/spt_fc_ticket
    ※上記URLは受付期間までアクセスできません。

    ▼PEDRO モバイル会員抽選先行 *通常チケット
    【受付期間】2月16日(火)12:00~2月23日(火)23:59
    【受付URL】https://sp.pedro.tokyo/feature/tour_21smr
    ※上記URLは受付期間までアクセスできません。

    ▼BiSH ファンクラブ会員抽選先行 *通常チケット
    【受付期間】2月26日(金)12:00~3月7日(日)23:59
    【受付URL】https://bish.fc.avex.jp

    ▼チケットぴあ抽選先行 *通常チケット
    【受付期間】3月10日(水)12:00~3月21日(日)23:59
    【受付URL】http://w.pia.jp/t/pedro/

    ▼各プレイガイド *通常チケット
    3月29日(月)~

    ▼チケット一般発売日 *通常チケット
    4月17日(土)10:00~
    【受付URL】http://w.pia.jp/t/pedro/


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