プランのご案内
  • SPECIAL

    UP

    BM Web版! プロの宅録環境 feat.わかざえもん

    • Interview:Takahisa Kondoh
    • Photo:Taichi Nishimaki(portrait)、Akihiro Hamada(equipment)

    帰ってくる自分の場所を作ることができて本当に嬉しいです

     アンプ・シミュレーターのなかでは、Apollo Twin X QUADにバンドルされているプラグインの、Ampeg B-15Nがすごく好きです。1964年製と1966年製のサウンドを切り替えられたりして便利なんですよね。実機も触ったことあるんですけど、サウンドが実機に近いだけじゃなくて、画面上のビジュアルも実機そっくりなので、視覚的にもイメージが掴みやすくて。宅録では、ラインで録りつつ、アンプ・シミュレーターを立ち上げたトラックも同時に録って、ラインの音とアンプ・シミュレーターを通した音とのふたつをミックスしてアウトしたりもします。少し生っぽさが欲しいときにはそうやっています。

     そのほか、Apollo Twin X QUADに入っているNEVE 1084 PREAMP & EQっていうプラグインをよく使っているんですけど、あとから足すというよりは、録音と同時にかけてしまっていますね。もちろん、曲によって録り方は変わりますけどね。あとはコンプレッサーのプラグインのTeletronix LA-3Aは、ドラムやピアノなど、全体的に幅広く使えるのが良いですね。あと、ツマミが少ないのでわかりやすいです。

     私にとっては、Apollo Twin X QUADを手に入れたことは大きかったですね。ベースだけじゃなくて、作曲やアレンジ、ミックス/マスターなどもやるなかで、プラグインをかけまくっても、Apollo Twin X QUAD自体にDSPが搭載されていて処理してくれるから、PC自体の動作が重くならないんですよね。なので、音源を立ち上げまくれるから重宝してます(笑)。

     あと、ベース・アンプを鳴らして録ることもあります。私が使っているのは、Ampeg B-100R / DIAMOND BLUE-S Bass Combo Ampなんですけど、コンデンサー・マイクはaudio technica AT4050を使ってサクッと録ったりしますね。そのほかの機材については、シンベの音色が欲しいときにNovationのBass Station II(アナログ・シンセサイザー)を使っています。

     メイン・スピーカーについては、いろんなお店に行ったりして迷っていたんですけど、自宅のスタジオということもあり、それほど大きな音は出せないっていう環境のなかで、音の再現性が一番高かったADAM AUDIO T5Vを選びました。大口径のスピーカーではないのにしっかりとローが出ていて、レンジも広いんですけど、音の輪郭がハッキリしていて、バスドラとベースが絡んでる感じまで見える音像なんです。やはり自宅の宅録環境においては、背後の壁が近かったり、反響にも制限がある状況のなかで、良いパフォーマンスをしてくれるスピーカーを探すのは大変でしたね。

     そういった感じで、最近になってやっと今の環境が整ったんですけど、機材を揃えて自分の作業デスクの前に座ったときに“私、仕事、頑張ったなぁ”って感動して泣いてしまいました(笑)。こんなことになるとは思わなかったな、みたいな(笑)。ベース自体の自分の好みもどんどん変わっていくし、音の指向も変わっていくなかで、帰ってくる自分の場所を作ることができて本当に嬉しいですね。私にとっては、宅録ってすごく向いていると思います。とことん、ひとりで突き詰めるのが好きなんですよね。

    【Equipments 3】

    • Ampeg/B-100R DIAMOND BLUE-S Bass Combo Amp

    わかざえもん
    DTM DATA

    ・DAWソフト:
    Logic Pro X
    ・オーディオ・インターフェイス:
    Universal Audio Apollo Twin X QUAD
    ・DI:
    Rupert Neve Designs RNDI
    ・音作りのための実機の機材:
    Line 6 HX Stomp(ギター・プロセッサー)
    Shin’s Music BASS MASTER CUSTOM(プリアンプ)
    Pike Amplification VULCAN XL BASS PREAMP(プリアンプ/DI)
    Roger Mayer 615 smooth(コンプレッサー)
    BOSS OC-2(オクターバー)
    FREE THE TONE ARC-53M(オーディオ・ルーティング・コントローラー)
    Shin’s Music Baby Perfect Volume(ヴォリューム・ペダル)
    Vivie Rhinotes(ベース・オーバードライブ)
    TECH21 SANSAMP BASS DRIVER DI(プリアンプ/DI)
    KORG pitchblack(チューナー)など
    ・ヘッドフォン:
    audio technica ATH-M50x
    ・アンプ・シミュレーター・プラグイン:
    Apollo Twin X QUAD付属
    ・ベース・アンプ:
    Ampeg B-100R DIAMOND BLUE-S Bass Combo Amp
    ・モニター・スピーカー:
    ADAM AUDIO T5V
    ・シールド・ケーブル:
    NUDE CABLE “HOPE”、NUDE CABLE 7182 XLR、VITAL AUDIOなど
    コンデンサー・マイク:
    audio technica AT4050
    ・シンセ・ベース:
    Novation Bass Station II

    ◎Profile
    わかざえもん●レフティ・ベーシスト。17歳よりサポート活動をはじめる。片平里菜、鎖那、ずっと真夜中でいいのに。、みみめめMIMI、むらたたむ、などのライヴ・サポート、つるの剛士、中川翔子、HoneyWorks、のレコーディングなど、さまざまなジャンルのアーティストの活動に関わっている。2019年5月にはマキシマム ザ ホルモンが行なった世界初のバンド・フランチャイズ化、コロナナモレモモ(マキシマム ザ ホルモン2号店)のベースに抜擢され、SUMMER SONIC 2019など多数のフェスに出演。2020年には、片平里菜「夏が待ちきれない」(『一年中』収録)、HoneyWorks「ヒロイン育成計画 feat. 涼海ひより(CV:水瀬いのり)」(『好きすぎてやばい。〜告白実行委員会キャラクターソング集〜』収録)、PEDIOPHOBIAのアルバム『PAS DE QUATRE』全曲、MAD VIOLET「ヨルニジ」、sequick「夜行園(feat. Wakazaemon)」など、多数のレコーディングに参加。特徴的なルックス、激しいライヴ・パフォーマンスに加え、宅録、DTM、アレンジ、作曲、ミックス/マスターまでこなすなど精力的に活動している。

    ◎Information
    わかざえもん Instagram Twitter Youtube

    『BM Web版!プロの宅録環境』 ぴんはげ篇はこちら!