SPECIAL
“いかにベースの邪魔をしないか”という考え方でEQを活用する。
あと、動画の録音においては、EQについてもできるだけフラットにしたいと思っています。もちろん、ベースを何本も重ねたり、トラックが多い曲では、それぞれのトラックの立ち位置をはっきりさせるために調整しますけど、基本的にはほぼフラットです。これも僕ならではだと思うんですけど、そもそもEQを使う順序として、まずはベースをフラットなサウンドで録音したあとに、例えば、ドラムの打ち込みを入れたときに、ベースの音を邪魔しないようにドラムの帯域を削る、みたいに考えているんです。基本的に“いかにベースの邪魔をしないか”という考え方で音作りしているんですよ。ベース音をいかに聴かせるか、みたいな。言ってしまえば、僕が作るトラックは歌もないですし、ドラムはさすがにあったほうがいいかなっていう感じはあるんですけど、そのなかで、ベースを邪魔しないようにほかのパートの帯域を削ることが隠れたこだわりなんです。
その考えに至るまでには、きっかけがあって。2年くらい前に動画投稿を始めた頃は、PCで録音して、動画を観るときもPCからスピーカーにつなげていたんです。で、それを基準に音作りをしていると、ある日、視聴者さんから“ベースの音が全然聴こえない!”みたいなコメントをもらって。そのときは“そんなバカな!”と思ったんですけど、そこで“みんなはスマホで観ているんだ……”って気づいたんですよね。で、実際にスマホで聴いてみると、ベースの音があまり聴こえなくて。ベースのアタック音というか、カチャカチャっていうところは聴こえるけど、ベースの核となる部分はまったく聴こえないので“あ、これは低音ばかりにこだわっていたらダメだ……”と思ったんですよね。そこから意識して、セッティングもいろいろ試してたどり着いたのが、今のスタイルなんです。今が完成形!とは全然思ってないですけど、方向性的にはこの方法論で間違いないのかな、と思っていますね。
【Equipments 3】
ぴんはげ
DTM DATA
・DAWソフト:
Cubase10 Pro
・オーディオ・インターフェイス:
RME Fireface UC
・DI:
なし
・音作りのための実機の機材:
Line 6 HX Stomp(ギター・プロセッサー)
Darkglass Electronics Vintage Microtubes(オーバードライブ)
BBE 482i(ソニック・マキシマイザー)など
・ヘッドフォン:
SONY MDR-CD900ST
・アンプ・シミュレーター・プラグイン:
Cubase10 Pro付属
・ベース・アンプ:
MARKBASS Little Mark 250 Black Line
Ampeg BA-108
・モニター・スピーカー:
YAMAHA MSP3
・シールド・ケーブル:
NUDE CABLE など
◎Profile
ぴんはげ●北海道の留萌市生まれ、札幌市在住。YouTubeやSNSにベース動画を投稿する、ベーシストYouTuber。小学5年生の頃に、母親のすすめでドラムを習い始める。中学2年生の頃にギターを手に入れ、同時期にドラマーとしてコピー・バンドを組む。一方、音楽好きであった父親の影響から、DTMなどによる音楽制作も始める。高校卒業後、札幌の専門学校に入学、バンド活動も始める。活動したバンドを脱退したのち、2017年よりブログやYouTubeチャンネルを立ち上げてベース関連の情報を発信。【挑戦状シリーズ】を始め、多くの人気コンテンツで注目を集め、現在、YouTubeチャンネル登録者数は15万人を超える。
◎Information
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