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    FEATURED BASSIST-日向秀和[Nothing’s Carved In Stone]

    • Interview:Takahisa Kondoh
    • Photo:Taichi Nishimaki

    一貫してブレていないっていうところで、自分を褒めてあげたいです。

    ──改めてナッシングスの曲を聴いて思ったのは、総じて“キャッチーだな”っていうことだったんです。

     それこそが、メンバーが目指しているところなんじゃないかと思います。メンバー全員、ポップなものが好きだと思うので。アレンジで攻めていても、メロディがキャッチーだったりとか、逆に、メロディが攻めていてもアレンジがキャッチーだったり、そのバランスはすごく考えているんじゃないかな。

    ──例えば、「YOUTH City」などは、サビや歌メロはキャッチーなんですけど、ベースのリフだけを聴いてみたら、フレーズがかなり動きまくっていますよね。通常、キャッチーにするためには、ルート音にいきがちですけど、ひとクセつける感じがひなっちならではだな、と。

     ああいった楽曲については、メロディが完全にキャッチーだからこそ、ベースがあれだけ動けるっていう感じですね。逆に、キャッチーさにぶら下がれるっていうか。でも、この曲に関しては、自分でもちょっと“やっちゃってるな”っていう気はしています(笑)。かなり攻めていますよね。この曲ができた頃って、ベースのフレーズを動かすことが好きだったと思うんですよ。確か、TK from 凛として時雨のサポートをやっている時期で、もう何かキワキワな感じが好きだった頃だったと思うんですよね。

    ──なるほど。そうやって、バンドとしての当時の方向性を振り返るきっかけにもなりますね。

     楽曲ごとに時代を感じましたね。思い出しレコーディングというか。“おもひでぽろぽろレコーディング”です(笑)。ここ最近、自分のことを振り返る機会が多い時期ではあって。それこそ、ひなっち本を出したり(リットーミュージック刊『BASS MAGAZINE SPECIAL FEATURE SERIES 日向秀和』のこと)、そういった個人的な思いと地続きな感じがしました。そして、これからも続いていくなかで、次のステップへの脱皮というか、この時期にこの作品を出したことによって、さらなる高みに行けるのかなっていう感じがしますね。

    ──「Isolation」は前のめりの時期だったっていう話もありましたが、自分たちの楽曲を振り返って、総じて思ったこととは?

     やはり一貫してブレていないっていうところで、自分を褒めてあげたいです。今言った、ひなっち本を読み返したとき、どの時代のインタビューも、話している内容がブレてなかったんですよね。プレイも全然ブレてないから、自分がやってきたことに対しては褒めたいっていうか。その一貫性はすごくロックだなって思いますね。このバンドのサウンドを客観的に聴いても、本当にロックを感じますね。

    ▲10月17日発売の『ベース・マガジン2020年11月号』にもインタビューを掲載予定!▲

    Equipment

    LAKLAND/SHORELINE SERIES SL-44-60/R Hinatch Signature Bass

    ◎Profile
    ひなたひでかず●1976年12月4日生まれ、東京都出身。2002年にART-SCHOOLのメンバーとしてデビュー。その後、ZAZEN BOYS、ストレイテナー、FULLARMOR、Nothing’s Carved In Stoneといった数多くのバンドのメンバーとして活躍する。また、米津玄師やTK from 凛として時雨、MIYAVIといったアーティストのスタジオ・ワークもこなす。近年ではドラマー松下マサナオとのデュオ“HH&MM”としても精力的に活動している。愛称はひなっち。

    ◎Information
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