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    プロのベース練習、覗いてみた。– 第8回:あきらかにあきら(THE ORAL CIGARETTES)

    • 取材:伊藤大輔
    • 撮影:小原啓樹
    • デザイン(ロゴ):猪野麻梨奈
    • Presented by Positive Grid

    プロのミュージシャンは、どんな練習を積み重ねてきたのか?──本連載では毎回、異なるベーシストに登場いただき、自身の練習遍歴や現在のルーティンについて語ってもらう。

    今回登場するのはTHE ORAL CIGARETTESのあきらかにあきら。ギターからベースへ転向した当初の運指練習から、メトロノームとの向き合い方、ライヴ前のルーティンまで、自身の練習遍歴を振り返ってもらった。さらに、自宅練習用アイテムとして話題の多機能型スマート・ヘッドフォン Positive Grid “Spark NEO”も試奏してもらい、そのインプレッションと活用法についても語ってもらった。

    目次
    ・あきらかにあきらが語る、プロ・ベーシストの“自宅練習”
    ・あきらかにあきら × Positive Grid “Spark NEO”

    あきらかにあきらが語るプロ・ベーシストの“練習”

    あきらかにあきら(THE ORAL CIGARETTES)練習風景

    「左手がバタバタしていて、それがすごくヘタに見えたんですよね」

     この連載に登場されていたT$UYO$HIさん(記事はこちら)と同じで、僕もギターからベースに転向しました。THE ORAL CIGARETTESの活動と同時にベースをはじめたので、ほかの人のベースをコピーをしたことがあまりありませんでした。

     転向したときに思ったことは、まずベースがヘタすぎるっていうのはもちろんですが、弾き方がダサいなっていう気持ちがありました。

     左手がバタバタしていて、それがすごくヘタに見えたんですよね。弦を抑えている以外の指が浮いちゃって、小指が使えていない感じがしました。それで授業中に机のうえで、指を1本ずつ独立して動かせるようなトレーニングをずっとしていました。

     自分のライヴ映像を観たときですね。わりと見た目から入る自分としては、格好良く弾いていたはずなのに、端から見たら格好悪いっていうのが恥ずかしくて、“まずはここを早く直さないと自信が持てないな”と。

     それで『ミュージックステーション』でB’zの松本さんが、すごく難しいソロを最小限の指の動きで弾くのを見て“これだ”と思いました。無駄に指を動かさずに、指板を包み込むような指使いができるように練習をしていました。

     ギターとは違って、ベースはスケールも長くて単音で弾く楽器なので、それに馴染むために克服すべきことがけっこうありました。ロー・ポジションで指を広げることとか、小指をちゃんと使えるようにすることが最初の課題でした。

     例えばベースでフィルっぽいフレーズを弾いてみると“めっちゃ薬指と小指を使うやん”ってことに気づきますが、最初はなかなかうまく弾けません。でもそこはほかの指で代用しないで、絶対に薬指~小指を使って弾く練習をひたすらしていました。

    ▼ 紹介してくれた練習法はこちら! ▼

    <動画解説>動画は左手の運指をバタつかせず、薬指・小指を独立して動かすためのトレーニング。同じフレーズを「人差指&中指」→「人差指&薬指」→「人差指&小指」→「中指&薬指」→「中指&小指」と指の組み合わせを変えながら繰り返し、特に動きにくい薬指と小指を単体でコントロールできるようにしていく。

     これは少しマニアックな話ですが、最初のルート音をどの指で押弦するかによって、フレーズも変わってきます。例えばCを人差指で押さえると、中指~小指がフリーになるのでハイ・ポジション側に動きやすい。でも、ロー・ポジション方向にいきたいのならCを小指や薬指で押さえたほうが良い。ですから、毎回Cを人差指で押さえていると結局フレージングも偏ってしまい、それが自分の手グセにもつながってくるんですよね。

     僕はベースでコピーやカバーをほとんどしてこなかったので、“そういうことができるようにならなあかんな”と思っていたんです。だからあえて違う指からスタートしてフレーズを作ってみようとか、そういう意識を持って練習していました。

     そもそもこうやって考えるようになったのはベースを最初に触ったときに、同じAでも3弦の開放と4弦5フレットだと響き方が全然違うことがすごく不思議だったからです。それで“この音を出したいけど、このポジションで弾いたほうが音も良いから、こっちで弾ける運指に変えないと”という感覚がありました。その頃から運指のことを気にしていましたね。

    あきらかにあきら(THE ORAL CIGARETTES)練習風景

    「ゆっくりしたテンポで同じフレーズを何度も弾いていくうちに見えるものがある」

     ちゃんと指が動くようになって音を出せるようになっても、ほかの人と合わせる以上はやっぱりリズム感が大事だと感じて、メトロノームに向き合うようになりました。ベースをはじめて2~3年目の頃でしたね。自分としてはもちろん、バンドとしてもリズム面で課題があったので、みんなでメトロノームに合わせて練習したり、自分ひとりでも練習したりしました。

     基本的に自分たちの曲を実際のテンポよりも遅く弾く練習です。ゆっくりしたテンポで同じフレーズを何度も弾いていくうちに見えるものがあって、拍の捉え方とか細かい部分を解明できます。それによってフレーズの解像度が上がりますね。

     今でもずっとやっているのは、いわゆる普通のスケール練習です。それをいろんな指からはじめると“ここが動かしづらいな”というのが見えてきたりもして、それを克服しています。

     あと、これは個々の感覚にもよりますが、メトロノームとどう向き合うのかも大事。今はいろんな練習方法があるし“メトロノームってあんまり好きじゃないな”と感じるようなら、ドラムのビートに合わせるのでもいいと思う。やっぱり人には向き・不向きがあるし、練習は楽しくないと続かないですから。

     コード進行を探ったりするときに、人の曲に合わせてベースを弾いたりしますね。そうすると“このコードでこっちにいくんだ”っていう発見があったりもします。そんなときはギターも持ってきてコードを把握して、ベースに持ち替えてフレーズを弾いたりします。なので、練習というよりもインプットの作業に近いかもしれません。

     そういうとき、例えば“あれ?これどうやって弾くんやろ?”みたいな自分が知らないフレーズとかコードの響きに出会ったとき、すごくおもしろいって感じるんですよ。僕らのバンドって音楽理論よりも響きで覚えていたりするから、メンバーのなかだと僕が一番そこをわかっている役割でもあって。メンバーにはスタジオで、“その押さえ方、セブンスやな”って言ったりしていますからね(笑)。

     そうですね。人それぞれに向いた練習があると思います。僕の場合は左手のバタバタを抑えるためにはじめた運指練習も、バンドでリズムを合わせるためのメトロノームの練習も、結局は自分のためで、そういう練習しかできないんだと思います。何というか、恥をかかないために練習をしておこうという意識で、それ以上のことを練習には求めていないです。今でも何かしらのミスがあったら、そこから課題が生まれて練習するという感じです。

     最近だとライヴ中にいかに体力を温存できるかが課題ですね。僕たちはライヴの数も多いので、本番中に怪我をしないように出番前に指のトレーニングや、腱鞘炎にならないためのストレッチなど、そういったところに時間を使っています。以前の僕はライヴ中に脚を高く上げるパフォーマンスをしていましたがそれも今では止めました。無理はしないぶん、長いベーシスト人生を歩んでいきたいと思っていますね。

    あきらかにあきら×
    Positive Grid “Spark NEO”


    スマート・アンプでおなじみのPositive Gridが手がけたSpark NEOは、ヘッドフォン・スタイルで自宅練習の自由度を大きく広げてくれる注目アイテムだ。Spark NEOを使った“練習”の可能性について、あきらかにあきらに聞いた。

    あきらかにあきら(THE ORAL CIGARETTES) × Spark NEO

    ▼ Positive Grid “Spark NEO”の詳細はこちら

    アンプを鳴らしている空間のなかに自分がいるような感じ

     以前までは有線でつなげる楽器用のヘッドフォン・アンプを使っていましたが、それと比べるとSpark NEOは空間の雰囲気がすごく伝わる音です。弦をハジいた音が直接耳に届くというよりも、アンプを鳴らしている空間のなかに自分がいるような感じで、それでいて音圧感もあります。遮音性もすごく良いから、まわりの音とかはまったく聴こえないです。あとは見た目にも高級感があってカッコいいし、ヘッドバンドの質感もすごく良いです。

     僕は普段からエデンのベース・アンプを使っていますが、Spark NEOには同じモデリングがあったので試してみたら僕好みの音がしました。スマホの画面でアンプのツマミをイジってみるとベースを上げるとローが膨らんで、下げるとスッキリするので、効きも分かりやすいです。ヘッドフォンのボタンに音色をメモリーできますが、正直、僕は練習用として使うのなら、気分が上がる好みの音色がひとつあればOKなタイプです。ただもし、これでバンドの楽曲の練習をするのだとしたら、メインとなる骨太な音色と、タッピングをしたときにも聴こえるような歪んだ音色の2種類を作っておきますね。Spark NEOはアンプのモデリング以外にエフェクターもいろいろあるし、充分過ぎる機能があって、満足度も高いです。

     Spark NEOは遮音性も良いから、僕ならライヴ前の楽屋での練習で活用したいですね。メトロノームを鳴らしたり、曲をかけながらベースを弾くという使い方がメインになると思います。今までは楽屋で曲をスピーカーやヘッドフォンから鳴らして、楽器の音は聴こえないまま弾いていたから、自分のベースの音がリアルに聴こえるだけでもテンションが上がります。アンプをつないだときに鳴る音がヘッドフォンだけで体験できるというのが、Spark NEOの一番の魅力だと思います。僕らみたいなバンドのベーシストがこの音を体験したら、絶対に欲しくなると思いますよ。

    あきらかにあきら(THE ORAL CIGARETTES) × Spark NEO
    トランスミッターとのセットで接続も簡単。低レイテンシー設計により音切れもなく、快適なプレイが可能。ヘッドフォン、トランスミッターともに付属のUSB-Cケーブルで充電して使用する。
    あきらかにあきら(THE ORAL CIGARETTES) × Spark NEO
    専用アプリSpark Appと接続すれば、音作りからジャム・セッションまで多彩な機能が利用可能だ。33種のアンプと43種のエフェクト、10万以上のToneCloudトーンにアクセスでき、ベース用のアンプやエフェクターもラインナップされている。
    あきらかにあきら(THE ORAL CIGARETTES) × Spark NEO

    ◎Profile
    あきらかにあきら●1991年3月28日生まれ奈良県出身。THE ORAL CIGARETTESのベーシスト。バンドのサウンド・キャラクターのひとつと言える、テクニカルかつオリジナリティ溢れるベース・プレイが特徴。また不定期ではあるがベーシストのためのセミナー「あきらかにあきらベース塾」を開催し、後進の育成にも尽力している。バンドは7月からは全国12箇所にてホールツアー“Home Sweet Home TOUR 2026”の開催が予定されている。
    ◎Information
    HP X Instagram

    専用アプリ Spark Appをチェック!

    Positive Grid Spark アプリ画面
    ギャリエン・クルーガー製800RBのトーンにインスパイアされた“RB-800。”
    Positive Grid Spark アプリ画面
    Sunn製300Tのトーンにインスパイアされた“Sunny 3000”。
    Positive Grid Spark アプリ画面
    定番ベース用コンプを彷彿させるトーンを再現した“Bass Comp”。
    Positive Grid Spark アプリ画面
    多彩なプリセットが並ぶクラウド、“ToneCloud”の画面。“ToneCloud”からダウンロードした音色は、Spark NEO本体に保存も可能だ。
    Positive Grid Spark アプリ画面
    Sparkアプリには、リアルタイムでコード表示する“Auto Chords”や、思い描いたトーンを言葉で伝えるだけで最適なサウンドを提案する“Spark AI”といったAI機能も搭載。練習やジャムセッションを彩る、多彩なバッキングトラック機能にも注目だ。
    Positive Grid Spark アプリ画面
    ユーザーの“リクエスト”に24時間応えてくれる“Spark AI 2.0 Betaも搭載。「〇〇風の音に」というような日本語イメージからの音作り、ニュアンスなどの微調整、既存の音の解析から技術的な質問まで、 テキスト対話型のAIが演奏をサポートしてくれる。詳細はこちらから。

    ◎ NEWS
    ケーブル1本で接続! 新ヘッドフォン“Spark NEO Core”が登場。

    Positive Grid “Spark”シリーズに、有線ヘッドフォンの新モデル“Spark NEO Core”が追加された。標準的な1/4インチ・ケーブルを楽器から直接挿すだけで、内蔵されたSparkの高機能なギター/ベース・アンプをそのまま利用できる、“ワイヤレスより有線派”のユーザーには嬉しいモデルだ。価格もSpark NEOに比べて手頃な27,500円(税込)に設定されている。

    Spark NEO Core

    製品詳細

    Positive Grid / Spark NEO
    Positive Grid / Spark NEO Core

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