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FEATURED BASSIST-ハマ・オカモト[OKAMOTO’S]

  • Interview:Bass Magazine
  • Photo:Takashi Hoshino

Interview

10周年を経て深化した“バンドマン”としての新章

2020年にデビュー10周年を迎えベスト・アルバム『10’S BEST』をリリースしたOKAMOTO’Sが、以来初となるオリジナル・アルバム『KNO WHERE』をリリースし、新章へと踏み出した。前作『BOY』から約2年8ヵ月ぶりとなった今作は、全17曲収録という過去最大の収録曲数でバンドの新境地を余すことなく伝えてくれる豪快な1作。2021年に入ってからのデジタル・シングル連続リリースを経て、これまで以上に多様な音楽的バックグラウンドを感じさせる顔ぶれが揃った新しい10年の第1歩目に、ハマ・オカモトはどのような低音哲学を込めたのか。10月19日発売のベース・マガジン2021年11月号では、ハマの特集記事を掲載予定。それに先駆けて、『KNO WHERE』についてのインタビューをちょっとだけご紹介しよう。

10月19日発売のベース・マガジン2021年11月号では、Featured Bassistとしてハマをピックアップ! BM webとは別内容のインタビュー、最新機材紹介、『KNO WHERE』の奏法分析をお届けします。

低音楽器奏者としては一番楽しい状態かな。

━━2020年4月にデビュー10周年を迎えて初のベスト・アルバムを出しました。新作『KNO WHERE』はそこから初のオリジナル・アルバムですが、過去を一度総括したのということは新作への影響がありましたか?

 ベスト・アルバムの選曲についてはファン投票に投げたんですよ。曲順も票数が多かった順ですしね。なにせ作品数が多いので、例えば“メンバーひとりが2曲ずつ持ち寄って選ぶ”っていう感じだと、キリがなくて。そういうこともあって、“過去の曲を全部振り返る”というようなことはしなかったのですが、ただそのなかでも、昔の曲を振り返るポイントはありましたね。若い頃、20代前半は基本歪んでいて“ドライブ命!”って感じだったんだなって気づきました。クリス・スクワイアみたいというか。手数にしろ採用してるテイクにしろ、当時やっていたことを今やろうと思ってもできないなって。あとは当たり前ですけど、うまくはなってますね(笑)。なにしろ最初は19歳でしたから。こういう表現の仕事をしていると、そうやって当時の瞬間を残せるのがすごくいいなと思いました。一時期は作品数多すぎ問題とかもあったのですが(笑)、それが逆に良かったなって。ただ、そういう振り返りはありましたけど、“だから今回はこうしよう!”ということはないんですけどね。

━━前作『BOY』、前々作『NO MORE MUSIC』と比べて聴いたときに、全体の音のミックスの重心が下がったように感じました。ドラムのキックもベースも、ローの音域がさらに深くなったというか。結果的に全体のサウンドのレンジが広くなり、スケール感と迫力が増した音像になってる印象です。これは近年のメインストリームであるヒップホップやポップスの影響もありますか?

 “2021年もロック・バンドやってます!”となれば、音作り的にはこういうのが“今”っていう感じがしますよねっていう話はありました。僕らは懐古的な部分はもちろんあるんですけど、それに固執するのはもうとっくにやめているし、耳は育っていきますからね。とはいえ、メンバー全員で最新のシーンや曲を共有しているわけではまったくないし、僕なんかは疎いほうなんですけど。今作で言えば、「Pink Moon」とか「M」は露骨に現代的な音作りにしてもらったというのもありますが、そのほかの曲もああいう音になったのは自然な流れかなとも思います。単純に“より良い音”にしたいっていうのもありますしね。“今のトレンドがこうだから”というよりは、よりバンドらしい音というか。だから変な話、すごいウルトラ・ローを出してやろうとは思っていないですし。

━━確かに、“いい音のアルバムだな”というのは感じました。

 浅い体感で言うと、低音に関しては一周しているような気もしますけどね。すごくベタに言うと、ちゃんと低音が聴こえる曲が増えているじゃないですか。空気振動だけでやりすごしていた時期もありましたけど、それは僕には全然グッとこない時期でした。でも今は、ちゃんとした設備で聴くと聴こえるスーパー・ローみたいなものが鳴っていて、なおかつラインも見えているみたいな。低音楽器奏者としては一番楽しい状態かなって思います。ベース・ラインがカッコいいなとか、ちゃんと鳴っているなっていうのを感じることが増えたというか。10年前はあんまりなかったような気がしますね。それこそデビューしたくらいのときの音源は、ドライブさせて抜けようとしていて。ちょっと歪まないとどうしようもないなというか。PCのスピーカーやイヤフォンの向上もあって、端末のスピーカーで低音を聴かせることもかなりできるようになってきましたしね。フェーダーの比重とか、ベースとか低音に関してのセンスみたいなのは、ものすごく新しいとも言えるし、1970〜80年代の音楽の良さを知ってると、波形とかで見ればその頃のものと幅は違うんでしょうけど、“そうこれこれ、これくらい低音あっていいでしょ”ってなったりしていて。僕らは懐古的な要素が強かったりもするので、もともと好きな音楽や音作りが、今の感じとちょうど混じっているのかなと思うんですよね。だから現代のサウンドに寄せていった感覚はないんですけど、自然にそうなったのかなと。

左から、ハマ・オカモトオカモトレイジ(d)、オカモトショウ(Vo)、オカモトコウキ(g)
『KNO WHERE』
OKAMOTO’S
Sony Music Labels/BVCL-1176

「Young Japanese」OFFICIAL MUSIC VIDEO

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