プランのご案内
  • SPECIAL

    UP

    【動画&誌面対応!】ULTIMATE SLAP SESSION 日野“JINO”賢二 × KenKen[SLAP THE WORLD]

    • Interview:Zine Hagihara
    • Photo:Yoshika Horita
    • Shoot & Edit:MINORxU
    • Sound Recording:Hozumi Suzuki

    ここでは、セッション動画のなかでJINOとKenKenが使用した機材について紹介していこう。

    JINO’S GEAR

    フェンダーとエンドースメント契約を結んだJINOのシグネイチャー・モデル、Jino Jazz Bass。ボディはアッシュ、ネックはメイプル、指板はローズウッドという定番の材構成だ。ふたつのシングルコイル・ピックアップの間に設置されたハムバッカーと同社製FEEQのプリアンプがポイント。フロント・ヴォリュームをプルすることでアクティヴとパッシヴの切り替えが可能で、パッシヴとアクティヴの両方の特性を使い分けてスラップ・プレイを操るJINOのスタイルを象徴する。ツマミはフロント、ミドル、リアのヴォリュームに加えてトレブル・ブースト/ベース・ブースト(2軸)を備えており、ミドル・ピックアップのツマミをプルするとハムバッカーのみを出力することもできるので、JINOの幅広いプレイ、アプローチと呼応するようにより多彩な音色を作り出すことができる。
    自身が校長を務める音楽スクール“JINO’s School of Music”の開催地でもある池袋Absolute Blueにて保管されていたのがこのフェンダー製Super Bassman(アンプ・ヘッド)。フル・チューブのモデルで、温かでふくよかな低音感の伝統的なフェンダー・トーン・サウンドが特徴のVintage Channnel、アグレッシブかつ速いレスポンスが現代的な奏法・サウンドともマッチするOverdrive Channelを備える。JINOはVintage Channnelを使用し、トレブル・ツマミを上げめに設定することでスラップの高音成分を生かしたセッティングで鳴らしていた。フェンダー製Rumble 800(アンプ・ヘッド)はサブで用意されたもの。ライヴハウスのサイズにマッチするように用意されたキャビネットはアギュラー製が2基置かれていた。
    JINOの足下の左側。ベースからの信号はまず、後述するSOURCE AUDIO製C4 SYNTH(ベース・シンセサイザー)に送られ、その後はBOSS製FV-500L(ヴォリューム・ペダル)、EBS製MultiComp(コンプレッサー)、ボス製OC-3(オクターバー)、同LS-2(ライン・セレクター)、同RC-300(フレーズ・ルーパー)を経てアンプ側へ送られる。LS-2のセンド/リターンAにはボス製ME-50B(マルチ・エフェクター)、同VO-1(ヴォコーダー)、同DD-7(デジタル・ディレイ)、同RV-6(リヴァーブ)が、センド/リターンBには、写真には写っていないがボス製SY-300(ギター・シンセサイザー)が接続されている。DD-7は同FS-5U(フット・スイッチ)が接続され、同TU-3S(チューナー)はFV-500Lのチューナー・アウトからの信号が送られている。
    JINOの足下の右側。右からSOURCE AUDIO製C4 SYNTH(ベース・シンセサイザー)、ボス製SY-300(ギター・シンセサイザー)。SY-300はギター用であるが、JINOは12フレット以降の高音弦を鳴らす際に使用し、ドライ音を同時に出力することもできるので、JINOはベースを鳴らしながらシンセによる伴奏も同時に弾いている。

    KenKen’S GEAR

    KenKenが17歳の頃から使用しているのがこのアトリエZ製Beta4 Custom。ボディはアッシュ(2ピース)、ネックはメイプルという材構成で、ツマミはヴォリューム×2、ミドル、ベース/トレブル(2軸)を備える。プリアンプはバルトリーニXTCTとMCT375を搭載し、充実したミッド・レンジと音の立ち上がりの速さが特徴的だ。特筆すべきはKenKenの長い腕にマッチするように設計された24フレット仕様のネックで、ストラップを長く伸ばして低い位置でベースを構えた状態で、KenKenが右腕を下に伸ばすとちょうどピックアップ上に手のひらが重なる。そのためスラップのフォームは下向きが適しており、本器はKenKenの身体的特徴、ベースを構える位置、スラップのフォームに最も適したベースであると言える。また、KenKenは高音部を多用するため、カッタウェイが深めに取られている。
    KenKenがウォームなサウンドを必要とする際に重宝しているのがこのエピフォン製NewPort Bass。1960年代前半頃に生産されていたと思われる、とてもレアな1本だ。非常に軽量でありながらしっかりとした低音感を生み出し、動画ではレゲエ・スタイルの伴奏でJINOのスラップ・ソロを支えた。
    KenKenのアンプ・ヘッドはTCエレクトロニック製BLACKSMITHを愛用。キャビネットは同RS410で、本来ならば2台セットするところ、今回は会場のサイズに合わせて1台のみを使用した。上段のワイアレス・システムはシュア製MW4D+だが、今回は有線で接続して鳴らした。BLACKSMITHは“メロウな音も出せるし、エッジィなミドルも出せる”と気に入っている。
    KenKenの足下。上段右からLINE 6製FM4(ストンプボックス・モデラー)、SOURCE AUDIO製SA126(エンヴェロープ・フィルター)、LINE 6製FM4、デジテック製Bass Whammy(ワーミー)。下段右よりイーブンタイド製TIME FACTOR(ディレイ)、TCエレクトロノック製polytune(チューナー)、カスタム・オーディオ・ジャパン製RS616(MIDIオーディオ・コントローラー)。TIME FACTORにはパラメーターを操作するコルグ製PS-1(フット・スイッチ)がセットされている。また、上段は2段構造となっており、写真では見えないがBOSS製ODB-3(ベース・オーバードライブ)、MXR製micro amp(ブースター)×2が設置されており、パワー・サプライのカスタム・オーディオ・ジャパン製DC/AC Supply 8.1も格納されている。KenKenはベース本体とアンプでメインとなるサウンドを作るため、足下のシステムはおもに飛び道具用だが、2機のmicro ampはFM4に入力する際のゲイン調整用として活用されている。

    ▼ 対談インタビューは次のページへ ▼