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INTERVIEW – GEN[04 Limited Sazabys]

  • Interview:Koji Kano
  • Photo:Kai,Taku Fujii

今後もこのスタイルを変えずに、僕たちらしくあり続けたい

――今作はバラエティ豊かな楽曲が揃っていますが、「Galapagos Ⅱ」は特におもしろい楽曲ですね。オールディーズ→4つ打ち→2ビートの展開に加え、中盤のブレイク・ダウンなど次々にビートが移り変わるスリリングなアレンジです。

 この曲に関しては、まずKOUHEI(d)がガチガチに固めた構成を持ってきてくれたんです。リズム・チェンジで魅せていくっていうところで、HIROKAZ(g)と話しながら全体像のイメージを先に詰めていきました。ぐちゃぐちゃ感というか、移り変わっていくビート感を表現したかったんですよね。でもそれをメロディで一本の線にするのはちょっと大変でしたね。1曲に2〜3曲を詰め込んだ感じなので、極端にそれを表現するのか、もしくは同じようなテンション感で持っていくのかはすごく悩みました。

――ベース・プレイだと、最初のオールディーズの部分はスライド・インで入っていたりと、細かい部分でベースのニュアンスが際立つプレイになっています。

 僕はスライドとかグリスのニュアンスが好きなんですよ。だからここ数年はグリスっぽいフレーズを入れがちになってきた気がします(笑)。アタマの“ウラ拍のウラ”というか、歌で言うところの息を吸うタイミングって一番ノリが出るところだと思うので、そういう部分は無意識にスライド・インで入っているように思いますね。

――フォーリミといえばGENさんが書く歌詞も魅力のひとつだと思いますが、今作でいえば、ハードコア・テイストの「Predator」のみ英詞ですよね。

 初期の頃は全部英詞で活動していたこともあって、フル・アルバムってなると自分たちの引き出しを全部見せなきゃって気持ちになるんです。一曲くらいは英詞の曲を作りたいなって思いもあったので、差別化するためにこの曲は英詞にしています。

――この曲からは特に洋楽っぽさも感じるんですけど、そういう意図もあったのでしょうか?

 2番の“Walk this way”の部分とかは、Run-D.M.C.とエアロスミスのフレーズをあえて使っているんですけど、それは洋楽っぽくしたいというよりも、彼らからの影響を隠す気がないって感じですね。

――エアロスミスの名前が出るのは意外性があります(笑)。

 そうですよね(笑)。もともと歌詞を思いついたときから、メロディとか符割が英語っぽかったんですよ。当初、日本語でどういう歌詞にしようってイメージしたとき、この“Walk this way”の部分がハマらなかったことも全部英詞になった要因ですね。英詞の曲はちょっとこう自分の闇というか、暗い部分を書くことが多いので、今これを正面から書くと照れるっていうのもあって英語にしているのもありますね(笑)。

――「Harvest」は「buster call(『Marking all!!!』収録)」を思い出すような、このライヴでも映えるであろう、オン/オフと疾走感はフォーリミの魅力ですよね。

 後半はめっちゃ速く感じますもんね。それこそ僕もこの曲を作ったときは僕らのなかのポップ・ソング的な立ち位置で作っていくつもりだったんです。でも、メンバーから“こういう構成にしたらいいんじゃない?”って言われて、最初はどうなんだろうって思ったんですけど、リスナーをビックリさせたくなる“テヘペロ感”というか、ひねくれ具合を狙ってみました。俺らのなかでは「Make A Wish」(ELLEGARDEN)の展開がキーワードとしてあったんですよね。

――言われてみればたしかにそうですね。そういったライヴでの展開も想定しつつ曲作りしているのでしょうか?

 基本僕らはライヴをするために音源を出しているところがあるので、もちろんライヴは想定していますよ。だからコロナ真っ只中のときはライヴのイメージができなさ過ぎて新しい曲を作る気になれなかったっていうのもあります。2ビートの曲を作ってもモッシュできないしな〜みたいな。 

――では最後に、今後のバンドの展望をどう考えているか教えてください。

 僕らはやりたいことをやりたいようにやらせてもらっているので、これを続けることが今の目標ですかね。こういうことを言うと現状維持みたいな、目標を低く見られそうな気もするんですけど、なんかこう、ライヴハウスに根付いたバンドとして一番いい活動ができていると思うんですよ。でも僕らはスタイルを変えずに続けてきただけなので、今後もこのスタイルを変えずに、僕たちらしくあり続けたいなっていうのが今のモチベーションです。もしかすると来年とかに急にチャラいことをやりたくなってるかもしれないですけど、変わっていくバンドがいてもいいと思うし、しっかり筋を通して、自分たちの信念を曲げずに活動し続けることが目標ですね。僕らだってもともとはライヴハウスに通っていたキッズだったわけで、可能性はみんな等しく無限大だと思うので、僕らの活動をとおしてバンドをやってくれる人が増えればいいですね。

【お知らせ】
10月19日発売予定のベース・マガジン2022年11月号でもGENのインタビューを記載! 最新の使用機材のほかベースの音作りに関してなど、Bass Magazine Webとは別内容でお送りしています。

また同号では、特集『ベーシストのエフェクト・システム2022』を84ページの大ヴォリュームでお送りしているほか、待望の新譜大教典『BLOODIEST』を発布した聖飢魔Ⅱのゼノン石川和尚の特集、スラップ・フレーズ魔改造の手順など、さまざまな記事を掲載しています。ぜひチェックしてみてください!

◎Profile
げん●1988年10月28日生まれ、愛知県出身。2008年に名古屋で結成された04 Limited Sazabysのベース・ヴォーカルで、作詞作曲も担当している。バンドは2015年に1stアルバム『CAVU』にてメジャー・デビュー。2016年からは地元愛知県にて、バンド主催の野外ロック・フェス“YON FES”を開催している。2022年10月12日に約4年ぶりとなる4thアルバム『Harvest』をリリース。それに伴い10月18日より、全36公演におよぶリリース・ツアーを開催する。

◎Information
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