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    INTERVIEW – Masa[NOCTURNAL BLOODLUST]

    • Interview:Koji Kano
    • Live Photo:Kazuhisa Takayama

    チューニングはドロップF。ゲージは6弦で.170のものを張っています。

    ━━「FACELESS」はまさにノクブラらしい、激しいギター・リフに合わせたテクニカルなフィルが連続しますね。このBPMでこのフレーズを弾くのは大変なのでは?

     確かに大変ではありますが、考え方としては単純なんです。僕らはチューニングがめちゃめちゃ低いので高域をほどよく出してあげることが大事。なので上の存在感を出しつつ、下の部分を埋めていくことを意識してプレイしました。

    ━━ちなみにチューニングは?

     基本的に僕らはドロップFで、6弦からFA#FA#D#G#の変則チューニングです。ちなみに弦のゲージは6弦で.170のものを張っています。

    ━━.170はすごいですね……。そこまで太いとピッキングにも神経を使うのでは?

     ベースのセッティング次第ですね。このゲージに合わせてしっかりベース本体をセッティングできれば、ベースが弦に慣れてきて鳴るようになってきます。

    ━━中盤のブレイクダウン部分のロング・トーンも印象的です。このジャンルではサステインは特に重要な要素だと思いますが、プレイで意識することはありますか?

     大前提としてプレイはもちろんですが、その前にベースのセッティング、特に弦高には注意しています。ちゃんと弦が鳴る高さにセッティングしないとベチャッとした音になってしまうので、しっかり弦振動を表現できる高さにセット・アップする必要はありますね。

    ━━この曲からもわかるように、ノクブラの特徴のひとつがドラムの異常な手数の多さです(笑)。リズム体として合わせるのは大変なのでは?

     あまり大変だとは思ってないですよ。もしろ僕は曲を作る側なので無茶ぶりをさせているほうなんですよ(笑)。なのでそのドラムをあらかじめ想定したなかでベースもプレイできています。

    ━━「REM」はAメロ、Bメロでの細かく刻んだフレーズからのサビでの疾走感あるプレイへの切り替えが効いていますね。ドラムも手数は多いですが、そこに合わせるのではなくノリを意識したのでは?

     この曲も自分が作った曲なのですが、そんなに“ベーシストベーシスト”した曲にはしなかったんです。この曲にはシンセ・ベースも入れているので、そういった部分でもベースは聴きごたえがあると思いますね。ベースはあくまでも“下を支えるパート”だと思っているので、ドラムが派手な部分は逆にシンプルにルートを鳴らしたりだとか、そういう引き合いも重要だと思います。

    ━━ノクブラでシンセ・ベースは珍しいのでは?

     たしかに今まではあまりなかったですが、僕個人ではシンセ・ベースはちょくちょく弾いているんですよ。単純にシンセの音がすごく好きなんです。

    ━━「Left behind」はイントロやサビでのハイ・ポジションで動き回るフレーズが印象的です。

     この曲はギター・リフが前面で動き回っているので、そこに合わせてベースもユニゾンして動き回るフレーズにしています。

    ━━ベース・サウンドもいい意味で浮いていて、聴きとりやすいですね。

     ギター・リフが上にあることでベースの空間ができるので、その分派手なサウンドにしてその空間を埋めるイメージで音作りしました。ギターのウワモノっぽいフレーズにうまくマッチングしていると思います。

    ━━ちなみに音作りはどのように?

     2系統のラインに分けています。ひとつが歪みとしてダークグラスのMicrotubes B7K、もうひとつの太く核となるサウンドにサンズアンプ・ベース・ドライバーDIをかましています。ハイとローを分けて認識しやすいサウンドにするイメージで、ライヴだとアンプからのサウンドも混ぜたりします。

    ━━6曲目「Feel myself alive」は雰囲気がガラッと変わり、ロー・テンポなしっとりとしたナンバーですね。ベースの方向性も大きく変える必要があったのでは?

     そうですね。この曲は歌モノの曲なので、極力シンプルな方向性のベースにしています。僕は歌モノの曲もけっこう好きなので、“サウンドはゴリゴリなんだけどプレイは歌モノに寄せる”という、音とプレイの二面性を表現できたと思っています。歌モノの場合、極力シンプルなベース・ラインでヴォーカルを際立たせることが一番大事ですね。

    ━━ノクブラは分厚いハイゲイン・ディストーションのギターが2本鳴っているということで、そのなかでベースを抜けさせるには工夫が必要なのでは?

     確かに工夫は必要ですね。なかでもさっき言った弦のゲージと弦高は必要不可欠な考えだと思います。あと、僕の場合はサンズアンプでサステインを稼ぐことも重要。レコーディングだと直のライン音、ダークグラス、サンズアンプと3系統の音があるので、うまく使い分けつつサウンドを際立たせるようにしています。

    ━━なるほど。サウンドの要となるのは、やはりサンズアンプですね。

     サンズアンプはクセのあるドライブなので、サンズアンプのドライブは使わずに、ダークグラスのドライブを使っています。あくまでもサンズは太さやチューブ感を出しつつサステインを伸ばすイメージですね。

    「FACELESS」MusicVideo

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