PLAYER

UP

Interview – 長島涼平[the telephones]

  • Interview:Takahisa Kondo

第一線で頑張っている人たちに対して食らいついていきたいと思ってます。

the telephonesが5年ぶり、そして結成15周年である2020年にアルバム『NEW!』をリリースした。彼らは活動10周年となる2015年に無期限の活動休止を発表、その後、長島涼平はバンド、フレンズを結成するなど、ベーシストとして着実に活動を続けてきた。そして2018年、ロック・フェスを皮切りにthe telephonesが活動を再開、2019年には配信シングル「Light Your Fire」をリリースしている。その流れのなかで、2020年11月にリリースした先述のアルバム『NEW!』につながるわけだが、今作で聴くことができるのは、長島の揺るぎなきベース・プレイである。2020年から2021年にかけて、the telephonesとして積極的に活動する予定の長島に、今作に込めた思いを語ってもらった。

手癖がさらに洗練されたのかなっていう気がしている。

──先日にリリースされたアルバム『NEW!』、とても充実した内容でした。

 ありがとうございます! バンドとしては2020年が15周年でしたし、今作『NEW!』に賭けていたっていう側面はすごくあって。それって重たい意味ではなくて、作ったときに“自分たちのこれからが見えたな”みたいな感じだったんですよね。ただ、2020年5月に開催予定だった「~the telephones 15th anniversary~COME BACK DISCO!!!」については、それこそ、9mm Parabellum BulletとORANGE RANGEに出てもらうはずで、ちゃんと成功させたいって考えていたので、それに関しては落ち込みましたけどね(編注:本公演は2021年5月20日に振替公演が行なわれる予定)。

──the telephonesの活動休止中、フレンズなどでベーシストの活動を続けていましたが、実際、その活動で得たものが今作の制作に反映されることはありましたか?

 それ、よく聞かれるんですよ。休止期間中の個々の活動が効いているのでは?って聞かれるんです。実際、自分たちではあまりわかっていないんですけど、ひとつ言えるのは、ベースを弾きながら、まわりが何をやっているのかを気にするようになったっていうのはありますね。例えば、これまでのthe telephonesでは、歌っている人がどういった内容の歌詞を歌っているのかっていうことはあまり気にしたことがなかったかもしれないです。でも、今作で言うと「Tequila,Tequila,Tequila」の最後のパートなど、歌を聴くことで“ベースがこのままで終わるわけにはいかない”って感じたりして。加えて、バンドとしてもうひとつスイッチが入ったときに、その曲のテンションに対してベースがどうするかっていうことをより深く考えるようになりましたね。

──この曲に限らず、楽曲のテンション感をベースがつかさどっている場面は多いですよね。

 そう言ってくれて嬉しいです。そもそも、作っている段階で“これまでの作り方とは変えよう”っていう話はしていたんです。これまでは、石毛(輝/vo,g,syn)さんが曲の母体を持ってきて、それをおのおのが持ち帰って各パートのフレーズを考えてきて。それをスタジオで“せーの”で合わせるっていう感じだったんです。でも今回は、石毛さんがゼロをイチにする瞬間に、僕らもその場に立ち会ったほうがいいんじゃないかっていう話になって。そうやって作り方を変えたことで、曲としてのパワーがダイレクトに出たというか。元々出てきたアイディアに対して、こねくり回さなくてもよくなったっていうのはあったかもしれないですね。

左から松本誠治(d)、長島、石毛輝(vo,g,syn)、岡本伸明(syn,cowbell, shriek)。
NEW!
ユニバーサル
TYCT-69183【初回限定盤】
TYCT-60165【通常盤】

──なるほど。

 それこそ、制作のための合宿もやったんですけど、あるとき、石毛さんがブースのなかで別の曲の打ち込みを作っていたんですよね。そのときに、ブースの外で僕と誠治君(松本誠治/d)とノブさん(岡本伸明/syn)が“こういうリフの曲をやりたいんだけど”みたいに話していて。“だったら、こういうリズムで鍵盤が入ってきたらいいよね”みたいな話をしたり。そうやって、別の作業をしている人もいろんなアイディアを持ち寄る、みたいな空気感だったんですよね。

──ベーシストとしての目線と楽曲の作り方が変わった結果、ベース・ラインの説得力がより増した印象です。

 今まではあまりそういうことは考えずに、その瞬間に各楽器が何をやっているかとか、その部分だけを考えていたんですよね。だから、その曲のストーリー性みたいなことはあまり気にしてなかったと思うんです。でも、フレンズでの活動が良かったのか、歳を取ったのか(笑)、何かそういう要素をベースで入れ込むことができたら、と思うようになったんですよね。

──ベースのフレーズについては、リフに加えてオブリを入れていくニュアンスに、長島さんの個性が出ていますね。

 めっちゃ嬉しいです。今作は、自分で聴き直していても、手癖がさらに洗練されたのかなっていう気がしていて。多分、やっていることはまったく変わってなくて。その曲に対するアティテュードみたいなことは変わったとしても、僕が弾けることっていうか、僕にできることはまったく変わってないんですよね。そのなかで、自分なりに洗練したものが弾けたのかなっていう気はするんです

「Tequila,Tequila,Tequila」

▼ 続きは次ページへ ▼