NOTES
前回は、シャッフルはポリリズムだ、ということにフォーカスした練習を紹介しました。まだ取り組んでない人は、そちらをやって感じをつかんでから今回の練習にチャレンジしましょう。
さて、シャッフルにおいてはポリリズムも大事ですが、ウラに重心があるのもシャッフルのグルーヴの特徴で、今回はそこにフォーカスした練習です。前回と同じフレーズを使います。
練習したいテンポでメトロノームを鳴らします。普通はクリックを拍のオモテに鳴らしながら練習することが多いと思いますが、ここではその代わりにクリックが拍のウラ、3連の3個目だと感じて練習します(ex.1)。
この取り方ができない人は、ベースの演奏はちょっと置いておいて、次の手順でまずはカウントの仕方に慣れましょう。
メトロノームをBPM50で鳴らします(自分がやりやすいテンポでもかまいません)。まず手順1のように、クリックを拍のオモテに感じながら、クリックに合わせて毎回“3”と言います。慣れたら拍の間に“1”“2”を追加します。その際、“3”を強めに言ってみましょう。
慣れたら手順2-1のように、“3”の代わりに“1”を強く言います。これで“1”が拍のオモテだと感じられるようなり、手順2-2のように聴こえてくるまでこの練習を続けます。
手順2-2が自然にできるようになったら、今まで“1”と言っていたタイミングで、手順3のように、“1”“2”“3”“4”と普通にカウントします。
カウントできるようになったら、その感じ方のままex.1を弾きます。
ポイントは、3連の真ん中(2個目)の休符です。これは左手で表現するんですが、適当なタイミングで音を切るんじゃなくて、きっちり3連2個目で切るように意識します。こうすることで、音符と休符を合わせて3連の全部のタイミングで指を動かしてリズムを出していることになります。3連のパルスをしっかり感じるのが大事です。たくさん繰り返して体が覚えてきたら、少しずつテンポを上げていきます。
これが自然にできるようになると、拍のオモテではなくウラ(3連3個目)を基準にして演奏できるようになります。言い方を変えると、3連3個目に重心を感じながら演奏できるようになっていきます。
これができたうえで、さらに、リズムを拍ごとに区切って感じる(図1)のではなく、3連3個目と次の拍のオモテがひとつのかたまりだと感じながら弾く(図2)と、なお良いです。3連3個目から始まって、次の拍のオモテに着地するイメージですね。
こういうやり方で、引き続きシャッフル・グルーヴを練習していきましょう!
石村順でした!
石村順
◎Profile
いしむらじゅん●元LOVE CIRCUS、元NEW PONTA BOX。日食なつこ、ポルノグラフィティ、東京エスムジカ、K、JUJU、すみれ、大江千里、松山千春、宇崎竜童、石川ひとみ、種ともこ、近藤房之助、豊永利行、Machico、紘毅、城南海、西田あい、つるの剛士、SUIKA、Le Velvets、葡萄畑など、多数のライブや録音に参加している。ロングセラー『ベーシストのリズム感向上メカニズム グルーヴを鍛える10のコンセプトとトレーニング』の著者。Aloha Bass Coachingではベース・レッスンのほか全楽器対象のリズム・レッスンを行なっている。
◎Information
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