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【第34回】ベーシストが取り組むべき7つのテーマ/石村順の低音よろず相談所 〜Jun’s Bass Clinic〜

  • Text:Jun Ishimura

あけましておめでとうございます。

確実にレベルアップしたい人は、闇雲に曲の練習を繰り返すより、テーマを明確にしてテーマごとに取り組むといいです。ここでは7つのテーマを紹介しますが、毎日これを全部網羅して練習するのは難しいので、ふたつか3つのテーマを 選んで取り組みましょう。日によってテーマを変えるよりも、何日か続けて同じテーマに取り組むと効果的です。

テーマ① タイム
良いタイム、つまり精度の高いリズム感は音楽の土台です。それを身につけるには、
◉メトロノームを使う、でもメトロノームに頼らない
この使い方が大事です。1拍目オモテに鳴らさないのが基本です。

テーマ② グルーヴ
いいグルーヴが出せれば、シンプルなフレーズでもかっこいいです。いいグルーヴを身につけるにはいろんな練習が必要ですが、まず基本は、
◉ひとつのグルーヴに長時間取り組む
曲を通して練習するんじゃなく、例えばAメロのグルーヴだけを15分、30分弾き続ける、みたいな練習がいいです。

テーマ③ 音色
気持ちいい音色が出せれば、1音出しただけでも説得力が違います。
◉現状でのベストの探求
良い楽器は大事なんですが、まあみんな放っておいても探すよね。出会ったらゲットしてください。それはそれとして、今持っている楽器・機材で、自分の出したいトーンを出すための弾き方・セッティングを徹底的に追求しましょう。

テーマ④ コードの理解
コードがわかれば曲もベース・ラインももっと理解できるし、もっと音楽的な演奏になります。そのために、
◉コード弾きやアルペジオを練習する
曲で使わないとしても、コードを理解するのに役立ちます。
◉ギターや鍵盤を使う
ベースは音域が低いのと4音以上の和音が弾けないので、特にテンションや分数コードの響きや内声の動きを学ぶには、ギターや鍵盤を使うといいです。
◉音楽理論を学ぶ
理論書を最初から勉強するより、実際の曲を分析するための辞書として理論書を使うやり方がいいです。

テーマ⑤ メロディ感覚
メロディックなベース・ラインを弾くには、
◉メロディを弾く
実際の曲のメロディを弾いたり歌ったり分析したりしましょう。名曲とか自分が好きな曲がいいです。
◉裏メロを弾く
主メロに対する良い裏メロと出会ったら、それも弾いて歌って分析しましょう。

テーマ⑥ 耳
ミュージシャンにとって一番大事なスキルは“聴く能力”です。
◉いろんな音楽を聴く
好きなジャンルをとことん掘り下げるのもいいし、普段は聴かないジャンルもどんどん探求しましょう。
◉相対音感を鍛える
絶対音感がある人もない人も、相対音感を鍛えるといいです。絶対音感がない人は移動ドで学ぶのがおすすめです。
◉耳コピーする
耳コピをいっぱいしましょう。聴こえた音が指板のどこにあるかわかってくるし、フレーズの引き出しが増えるし、メリットがたくさんあります。

テーマ⑦ 愛
好き、これは強力な原動力です。“好き”を大事にしましょう。
◉何が好きか追求する
いろんな音楽を貪欲に聴きましょう。思いもよらない、新しい“好き”が見つかるかもしれません。
◉なんで好きか追求する
見つけた“好き”のどこがどういうふうに好きなのかがわかると、自分の演奏に反映できます。徹底的に聴きまくって、耳コピして、分析して、練習して、吸収します。
◉ほかの楽器、共演者へのリスペクト 
人と一緒に音楽をするなら、一番大事な姿勢です。

ということで、この7つのテーマ、僕も取り組んでます。皆さんもぜひ日々の練習に取り入れて、一緒に成長していきましょう! いいね・シェア・コメント、SNSフォロー、お願いします! 石村順でした! 

石村順
◎Profile
いしむらじゅん●元LOVE CIRCUS、元NEW PONTA BOX。日食なつこ、ポルノグラフィティ、東京エスムジカ、K、JUJU、すみれ、大江千里、松山千春、宇崎竜童、石川ひとみ、種ともこ、近藤房之助、豊永利行、Machico、紘毅、城南海、西田あい、つるの剛士、SUIKA、Le Velvets、葡萄畑など、多数のライヴや録音に参加している。ロングセラー『ベーシストのリズム感向上メカニズム グルーヴを鍛える10のコンセプトとトレーニング』の著者。Aloha Bass Coachingではベース・レッスンのほか全楽器対象のリズム・レッスンを行なっている。

◎Information
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