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【第33回】休符を休むな 5 休符への意識を高めるコツ/石村順の低音よろず相談所 〜Jun’s Bass Clinic〜

  • Text:Jun Ishimura

2020年5月19日、BASS MAGAZINE Webの誕生とともに始まった『石村順の低音よろず相談所』ですが、あっという間に 第33回を迎えました。いつもご覧いただいてる皆さん、ありがとうございます!

ということで2020年最後の回なわけですが、特に何か派手なことをするでもなく、いつもどおり淡々と練習を続けます。今回のテーマは、4回続けてやってきた“休符を休むな!シリーズ”の第5回、休符への意識を高めるコツ、です。

音符をなんとなく適当なタイミングで演奏したらまずいのは誰でもわかりますよね。休符も同じです。前回までの練習にきっちり取り組んでるのに、なかなか休符を意識できない人の役に立つ練習が、ふたつあります。

エクササイズ1 休符はフォルテシモ
休符はピアニッシモの音符より音が小さいというか、まあ無音なんですが、そうではなくて休符はフォルテッシモなんだ、とイメージしながら練習すると、休符を意識しやすくなります。フォルテッシモって“音量が大きい、強い”ってこと ですが、無音のときにこれをどうやってイメージするかというと、例えば、弦を押さえていた指を浮かせて休符を演奏するとき、その指を浮かせたタイミングでキック・ドラムが鳴る、みたいにイメージしながら演奏します。指を浮かせることでキックを鳴らすイメージです。

ちょっと想像してほしいのですが、もしキックが変な適当なタイミングで鳴ったら、バンド全体のリズムが崩れるくらい影響が大きいですよね? ベースの休符にはそれくらい大きな影響力があります。自分が休符をどう演奏するかがバンド全体のリズムやグルーヴに影響する、という責任感を持って練習しましょう。

これはどんなフレーズでやってもいいですが、今回は、とりあえずこのフレーズでやります。クリックは拍のウラ、休符のタイミングとして聴きます。音符は、強すぎず弱すぎず、普通の音量、メゾフォルテで演奏します。で、休符は、ここでは左手で止めますが、この指を浮かす動きでキックを鳴らすつもりでイメージしながら練習します。

また、音符と休符をそれぞれキックとスネアに見立てて、ドラム・パターンのようにして演奏するのもいいです。例えばこういうパターン。

これを、キック➡音符、スネア➡休符に置き換えてベースで演奏するとこうなります(ex.1b)。実際は休符で音が消えるのですが、意識のなかではそこでスネアをヒットします。

ドラムを叩いたことがある人は、休符を演奏するときにスネアを演奏する動きや感覚をイメージしてもいいかもしれません。

エクササイズ2 休符が主役
前回までは、休符は2拍目4拍目だったり、拍のウラだったりしましたが、もっとわかりやすい位置に休符を持ってくる ことで、さらに意識しやすくなります。休符をもっと主役っぽく扱うために、わかりやすい位置、つまり拍のオモテに 持ってきたフレーズで練習します(ex.2)。クリックは拍のウラです。

これだと、拍のオモテを休符(音の切り際)で表現しなければいけません。“休符がどうしてもフワッとしてしまう”という人でも、こんなふうに全部の拍のオモテが休符だと、否応なくもっと休符を意識して演奏するようになるはずです。

こういった練習を繰り返して、休符を意識して演奏できるようになっていきましょう。

ということで来年2021年もどんどん動画を上げていくので、ぜひ見てください。
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石村順
◎Profile
いしむらじゅん●元LOVE CIRCUS、元NEW PONTA BOX。日食なつこ、ポルノグラフィティ、東京エスムジカ、K、JUJU、すみれ、大江千里、松山千春、宇崎竜童、石川ひとみ、種ともこ、近藤房之助、豊永利行、Machico、紘毅、城南海、西田あい、つるの剛士、SUIKA、Le Velvets、葡萄畑など、多数のライヴや録音に参加している。ロングセラー『ベーシストのリズム感向上メカニズム グルーヴを鍛える10のコンセプトとトレーニング』の著者。Aloha Bass Coachingではベース・レッスンのほか全楽器対象のリズム・レッスンを行なっている。

◎Information
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