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【第13回】ウラをオモテにする裏ワザ〜タンタカタン④/石村順の低音よろず相談所 〜Jun’s Bass Clinic〜

  • Text:Jun Ishimura

BASS MAGAZINE Web『石村順の低音よろず相談所 ~Jun’s Bass Clinic~』。

第13回目のテーマは「ウラをオモテにする裏技 パート4」です。

さあ、このウラ満載のフレーズ、どうアプローチしますか?【譜面1】

例えば16分音符を全部叩いて、ベースを弾くところにアクセントをつけるアプローチもできます【譜面2】。

1拍ごとに区切って、1拍目は1、2、3、4、2拍目と3拍目は1、234、4拍目は1、23、4、という捉え方。これはこれでありです。ただ、少し複雑だし機械的ですよね。もっとシンプルにアプローチしたいし、できればグルーヴしたい。そこで、ポリリズム、“タンタカタン”の出番です!

ただその前に、この譜面は難しそうに見えるので、見た目を簡単にしましょう【譜面3】。

元の8分音符を倍の長さの4分音符に、16分音符を倍の8分音符に変換します。

元の1小節パターン(上)が、変換後は倍の2小節になってますが(下)、上と下でリズムが対応してますよね。

じゃあこの譜面にタンタカタンを当てはめて練習しましょう。

この譜面の4分音符でクリックを鳴らします。ゆっくりのテンポからやりましょう。普通はこういうふうにカウントすると思います【譜面4】。

しかし、ポリリズム的にカウントするとこうなります【譜面5】。

同じことを、タンタカタンに当てはめるとこうなります【譜面6】。

そして、このフレーズは、実は1拍目じゃなくて2小節2拍目から始まってるんですね。ここが開始点となります【譜面7】。

この開始点を1拍目に持ってくると、“タンタカタン+タンタカタン+1、2”というシンプルな形になってます【譜面8】。

この最初の2小節については、“タンタカタン”のところだけをまず練習します【Ex.1】。

ポイントは、前回までに説明したように、クリックの4分音符もベースの1拍半もどちらもオモテとして感じることです。

慣れてきたら次に2/4拍子を追加します【Ex.2】。

3小節目は、最初はタイを無視して2音弾きます。慣れたらタイをつけてつなげます。

最後に今の【Ex.2】のフィールを保ちながら元の4/4拍子で弾きます【Ex.3】。

2小節2拍目から始まっているフレーズなので、1、2、3、4、1とカウントして次の2から入ります。ポイントは、4拍子の4つずつの進み方と、“タンタカタン+タンタカタン+1、2”の進み方の両方を同時に感じることです。

慣れたらだんだん速くしていき、BPM252くらいでできるようにしましょう。

普通の感じ方【譜面2】だと1小節1拍目以外全部ウラで複雑でしたが、この感じ方だと、2小節2拍目から、1拍半で音が5個つながっています。5個目だけ音の長さが違いますが、あとは1拍半。とてもシンプルで、全部オモテとして演奏できます。しかも4拍子のなかで8分音符が3つずつ動いていて、ずれたり合ったりする。それが“ウネり”を生んでいくんですね。

練習の手順はややこしく感じたかもしれませんが、できるようになれば、最初にやった解釈よりもずっとシンプルにリズムを取れるし、しかもうねるグルーヴが出てきます。ぜひ動画を止めながら手順を確認して、じっくり取り組んでください!

ということで、“ウラをオモテにする裏技”=“ポリリズム”のシリーズ、いったんここで終了です。またいつか取り上げるので練習しておいてください!

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石村順でした!

石村順
◎Profile
いしむらじゅん●元LOVE CIRCUS、元NEW PONTA BOX。日食なつこ、ポルノグラフィティ、東京エスムジカ、K、JUJU、すみれ、大江千里、松山千春、宇崎竜童、石川ひとみ、種ともこ、近藤房之助、豊永利行、Machico、紘毅、城南海、西田あい、つるの剛士、SUIKA、Le Velvets、葡萄畑など、多数のライブや録音に参加している。ロングセラー『ベーシストのリズム感向上メカニズム グルーヴを鍛える10のコンセプトとトレーニング』の著者。Aloha Bass Coachingではベース・レッスンのほか全楽器対象のリズム・レッスンを行なっている。

◎Information
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