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    【第10回】ウラをオモテにする裏ワザ〜タンタカタン①/石村順の低音よろず相談所 〜Jun’s Bass Clinic〜

    • Text:Jun Ishimura

    BASS MAGAZINE Web『石村順の低音よろず相談所 ~Jun’s Bass Clinic~』。

    第10回目のテーマは“ウラをオモテにする裏ワザ”です。

    ウラが苦手。よく聞きます。

    でも、オモテでリズムを取ることが苦手って人はあまりいないですよね。

    なぜウラが難しいかというと、オモテだけを基準にしてリズムを捉えているからです。

    クラシックはともかく、ロック、R&B、ジャズ、ファンク、ラテンなどなど、20世紀以降にアメリカ大陸で生まれた音楽をやるなら、その認識で演奏しているとダメです。

    ウラをウラとして捉えている限り、ウラは苦手なままなのです。

    だから、その認識そのものを変えます。

    “ここがオモテでここがウラ”という固定観念を変えると、演奏が全然変わります!

    それに役立つのがポリリズムです。

    複数のリズムが同時進行するのがポリリズムですが、これが身につくと、ウラもオモテとして感じられるようになります。

    確信を持ってウラを演奏できるようになるし、しかも“拍や小節線にとらわれずにリズムを感じる”こともできるようになります。そして“うねり”のあるグルーヴの土台にもなります。

    だから絶対身につけるべき、でしょ?

    いろんなポリリズムがありますが、今回は一番シンプルな“2拍3連”をやります。ただ、エクササイズの手順を踏まえると“3拍2連”と呼ぶ方が正確かな。ちなみに僕の師匠(ゴダイゴの元プロデューサー、ジョニー野村氏)は“タンタカタン”と呼んでました。

    2拍3連を両手でやると、片手が3つ動く間に、もう片方の手がふたつ動きます。

    ……まずは、やってみましょう。

    楽器は持たず、手で膝や机などを3/4拍子で叩きます。

    ①クリックに合わせてタンタカタンと言います。

    ②口に合わせて右手(利き手)でタンタカタンの“タ”の部分を叩きます。

    ③左手で一番最初の“タ”のところだけ叩きます。

    ④左手で“カ”にも叩きます。

    最後のパターン④が“3拍2連”=“タンタカタン”の基本です。

    慣れないうちは、ゆっくりていねいにやります。

    自動的にできるようになるまで毎日やってください。

    いろんなグルーヴにめちゃくちゃ応用できるので絶対身につけましょう。

    ポイントは、

    ①ヨレないようにしっかり“タンタカタン”と言うこと

    そして

    ②手に合わせて言うのではなく、口に合わせて手を動かすこと

    です。

    それと

    ③左手を3拍目のオモテで右手と入れ替わりに上げないで、3拍目のウラで右手と一緒に上げること

    これも大事です。

    自動的にできるようになってきたら、動作を続けながら手の動きに注意を向けます。

    右手は1、2、3のオモテで一定に動いています。左手は左手で、右手とは違うテンポで一定の間隔で動いているのがわかりますか?  ここが大事なポイントです!

    右手と左手で違うものを叩くと、音が違うのでわかりやすいかも。

    今回はここまでです。

    次回に続きをやるので、1週間毎日やって、次回までに自動的にできるようにしておいてください。

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    石村順
    ◎Profile
    いしむらじゅん●元LOVE CIRCUS、元NEW PONTA BOX。日食なつこ、ポルノグラフィティ、東京エスムジカ、K、JUJU、すみれ、大江千里、松山千春、宇崎竜童、石川ひとみ、種ともこ、近藤房之助、豊永利行、Machico、紘毅、城南海、西田あい、つるの剛士、SUIKA、Le Velvets、葡萄畑など、多数のライブや録音に参加している。ロングセラー『ベーシストのリズム感向上メカニズム グルーヴを鍛える10のコンセプトとトレーニング』の著者。Aloha Bass Coachingではベース・レッスンのほか全楽器対象のリズム・レッスンを行なっている。

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