NOTES
UP
第33回:ZEQD-Pre、それは炊き立てのお米のような存在。【高松浩史の音色探索 その箱の中は地獄より深い】EarthQuaker Devices / ZEQD-Pre
- Text : Hirofumi Takamatsu
生粋のエフェクター・フリークとして知られる高松浩史(The Novembers/Petit Brabancon)による連載『その箱の中は地獄より深い』。マニアも唸るディープな分析から、ビギナー向けの実践的な解説まで、エフェクターの奥深い世界を独自の視点で掘り下げます。(編集部)
◎連載一覧はこちらから◎
第33回:ZEQD-Pre、それは炊き立てのお米のような存在。
ベース・マガジンWEBをご覧のみなさま、こんにちは。高松浩史です。
去る4月19日、ベース・マガジンさんにお誘いいただきセミナーを開かせていただきました。
内容としては、過去にこちらの連載で紹介させていただいたペダルの実演や、普段使用しているペダルたちとの組み合わせ、どういったポイントが好みなのか、どういった考えで音作りをしているのか、といった点に触れました。なんとなくでも伝わったらよいですね……。
ただ普段こうして文章にしているのとは違って、実際に音を聴いていただけると伝えたいことが説明しやすいですね。また機会をいただけたら、ぜひやりたいです。
さて、今回はこちらのご紹介。
EarthQuaker Devices / ZEQD-Pre

僕が大好きなEarthQuaker DevicesとDr. Z Amplificationが共同開発した真空管プリアンプです。
コントロールは、
・Boost……Boost ch 使用時の音量調整
・Level……Boost ch を使用していないときの音量調整
・Bass……低音域(20Hz-400Hz)の調整
・Middle……中音域(400Hz-2kHz)の調整
・Treble……高音域(2kHz-20kHz)の調整
このような感じになっております。

最初に音を出した時の感想は「リアル…!!」でした。
とりあえずEQはすべて12時にして音を出したときに、プレゼンスがギラっとして音の反応が良くなり、ダイナミックレンジが広がって音がぐっと近づくような印象。
それまでの音が平坦だと感じてしまうような……立体感がすごく出ます。艶がすごいです……!
こういった質感、やはり真空管ならではというか、これでしか出せない質感なのでしょうね。
独特のコンプレッション感というか、空気感というか。
僕が好きなDIにKhan AudioのVTDI REDという機種があるのですが、第一印象はすごくイメージが近かったです。こちらも真空管を使用。
あ、このZEQD-Pre、基本的には歪みません。若干のサチュレーション感はあるかも。
マニュアルを読んで知ったのですが、各EQはパッシヴだそうです。
なめらかだけれどしっかり効いてくれるというか……そもそもパッシヴということはマックスがフラットなのでしょうか?
EQをすべて絞り切ると音が出なく(厳密には聴こえないほど小さくなる?)なります。
EQすべてマックスだと少し扱いにくいかもしれません。
このあたり、パッシヴがどうかなどは考えずに、自由に気持ちの良いポイントを探ってしまって良さそうです。
ただ、キャラクター的にプレゼンスが特にしっかり出るので、Treble だけはカット気味からスタートしても良さそう。
この機種、Boost chがついているのですが、これがなかなかユニークで、Boost chをオンにするとEQがバイパスされ、シンプルに真空管だけを通った音になります。
この質感も太くてとても良いです。
なので、Boost chのオンオフで音量差がないように調整してあげると、キャラクターの違った2chのプリアンプとして使用できます。個人的にこの使い方がお気に入りです。
以上、今回はEarthQuaker Devices “ZEQD-Pre”について書きました。
今回は触れていませんが、ヘッドフォン・アウトがあったり、XLRアウトがあったり、スピーカーシミュレーターも搭載していて、一台あるといろいろと使えるお得感があります。
サンズアンプなどのように、派手にキャラクター付けをするわけではないのですが、今の音をぐっと艶っぽく立体的に、“リアル”な質感にしたい方に超おすすめです。
Quad Cortexなどのデジタル・マルチエフェクターを使用している方にも抜群に良いでしょうね!
それでは、今回はこの辺で。
ご覧いただきありがとうございました!!
◎Profile
たかまつ・ひろふみ●栃木県出身。The Novembers、Petit Brabanconのメンバーとして活動中。そのほか、Lillies and Remains、[ kei ]、健康、松本明人のサポート・ベーシストも務めている。
◎Information
高松浩史 X Instagram
