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    おうち練習をアップデート! 小型コンボ/ヘッドフォン・アンプの最新事情 feat. 井澤 惇(LITE)

    • Text:Makoto Kawabe
    • Photo:Chika Suzuki

    ベースの上達に欠かせないこと……それはやはり、“毎日”ベースに触ること! でも頭ではわかっていても継続は難しい……そんなとき、“おうち練習”の環境を見直してみてはいかがでしょう? 近年の小型コンボ/ヘッドフォン・アンプは驚くほどクオリティが高く、機能や用途も実に豊富。ここでは、そんななかから編集部が気になる最新10機種を、世界を股にかけるインストゥルメンタル・バンド、LITEの井澤惇とともにチェック。“おうち練習”の相棒を見つけよう!

    *この記事はベース・マガジン2023年2月号から転載したものです。

    小型コンボ/ヘッドフォン・アンプ最新10機種

    【小型コンボ篇】
    AMPEG/RB-108 – ROCKET BASS

    BOSS/DUAL CUBE BASS LX

    BOSS/KATANA-110 BASS

    NUX/MIGHTY BASS 50BT

    PHIL JONES BASS/NANOBASS X4C

    POSITIVE GRID/SPARK

    【ヘッドフォン・アンプ篇】
    BOSS/WAZA-AIR BASS

    FENDER/MUSTANG MICRO

    NUX/MIGHTY PLUG PRO

    PHIL JONES BASS/BIGHEAD PRO

    小型コンボ篇


    AMPEG
    RB-108 – ROCKET BASS

    サイズ感を超える伝統の低音

    【Specifications】
    ●出力:30W●電源:電源ケーブル●スピーカー:8インチ×1●サイズ:411(W)×306(D)×433(H)mm●重量:10.45kg●価格:29,700円

     ベース・アンプ界の巨人、アンペグがリリースするROCKET BASSコンボ・アンプ・シリーズの最小モデル。ヴィンテージなルックスが魅力的なキャビネットに8インチ・スピーカー・ユニット1基を搭載。出力は30Wながら伝統の3バンドEQと新開発のオーバードライブ機能であるSuper Grit Technology(SGT)により、揺るぎないアンペグ・サウンドを堪能することができる。AUXインとヘッドフォン・アウトも搭載している。

    新開発のSGT機能はボタンひとつで往年の大型真空管アンプを歪ませたかのようなスケールの大きいドライブ・サウンドが手に入る。

    「8インチと思えない深さがある」
    井澤:
    “アンペグのアンプ”がそのまま小さくなっただけですね(笑)。典型的なベース・アンプの音色なので初めて触る人にも迷わず薦められます。SGTはけっこう歪みますね。倍音まで歪む“往年のドライブ”という感じで好きです。ちゃんと紙製のスピーカーを鳴らしているっていう空気感もあって8インチとは思えない深さがあります。

    製品に関するお問い合わせ:ヤマハミュージックジャパンお客様コミュニケーションセンター(☎︎0570-056-808)
    https://ampeg.jp


    BOSS
    DUAL CUBE BASS LX

    多様な場面で効果を発揮する万能型

    【Specifications】
    ●出力:10W●電源:単三乾電池×8、ACアダプター●スピーカー:5インチ×2●サイズ:341(W)×205(D)×261(H)mm●重量:4.4kg ●価格: オープンプライス(市場実勢価格46,200円前後)

     5インチ・スピーカー・ユニットを2基搭載する出力10W(5W×2)で、ステレオ対応の小型ベース・アンプ。5種類のアンプ・タイプとコンプレッサー/ドライブをはじめ、ベース用のエフェクト機能を多数搭載。軽量で堅牢性の高いボディでバッテリー駆動も可能なため屋外にも気軽に持ち出せる。リズム・ガイド機能やマイク付きヘッドフォンが使用可能な端子など装備も充実。自宅練習だけでなく配信やソロ・パフォーマンスにも最適だ。

    主要な機能が使いやすく集約されたコントロール・パネル。それぞれのアンプ・タイプごとにエフェクトの設定を3つまでメモリーでき、MEMORYボタンで瞬時に呼び出せる。

    「スッキリしていて音が速い」
    井澤:
    スッキリした音色なので演奏の粗がわかるし、音が速くて練習には最適ですね。特徴的でありながらボスらしい扱いやすいサウンドです。ベースに限らずアナログ・シンセとかスティックとかをつないでも気持ちよく弾けそう。低音が出すぎない点は日本の住宅事情にも合っていますね。

    製品に関するお問い合わせ:ローランド株式会社 (https://www.roland.com/jp/company/contact_us/
    https://www.boss.info/


    BOSS
    KATANA-110 BASS

    ベーシストに必要な機能を幅広く網羅

    【Specifications】
    ●出力:60W●電源:ACアダプター●スピーカー:カスタム10インチ・ウーファー、ツイーター●サイズ:470(W)×300(D)×500 (H)mm●重量:16.8kg ●価格:オープンプライス(市場実勢価格63,800円前後)

     独自設計のクラスABパワーアンプを搭載し、バイアンプ駆動による10インチ・ウーファー1基とツイーターの組み合わせで、温かくもパンチのある音色や俊敏なレスポンス、安定した動作を実現するベース・アンプ。3種のアンプ・タイプに加え、コンプレッサー/リミッタ一、ドライブ、FX1、FX2からなる4つのエフェクト・ブロック、ドライ音のブレンド機能、グローバルEQなどにより緻密な音作りが可能。出力60Wで汎用性にも優れる1台だ。

    4バンドEQのうちLOW MIDとHIGH MIDについては本体のボタンで3種類からフリケンシーを選択可能。専用エディターを使用すれば中心周波数をさらに細かく調節できる。

    「聴きたい帯域が簡単に出せる」
    井澤:
    ややコンプ感があってキャラの立った音色も好きですし、聴きたい帯域が簡単に出せてモニタリングしやすいのが良いです。エフェクトの数はすごいですね。機能が非常に多いのでこれだけで大抵の出したい音は作れそう。ベース・アンプらしい音なので自宅だけでなくバンドでのアンサンブルでも使えそうですね。

    製品に関するお問い合わせ:ローランド株式会社 (https://www.roland.com/jp/company/contact_us/
    https://www.boss.info/


    NUX
    MIGHTY BASS 50BT

    スマホ連携の多機能デジタル・アンプ

    【Specifications】
    ●出力:50W●電源:ACアダプター●スピーカー:6.5インチ×1●サイズ:300(W)×225(D)×326(H)mm●重量:7.2kg ●価格:50,600円

     中国の楽器メーカー、Cherub Technologyが展開するブランド NUX(ニューエックス)の小型多機能ベース・アンプ。出力は50Wで6.5インチ・スピーカー1基を搭載する。 DIアウトやヘッドフォン出力、 AUX入力など入出力端子も充実。Bluetooth接続により音源再生や専用アプリでの操作が可能だ。USB接続によりファームウェア・アップデートやPC上でのパッチ編集、IRデータのロードのほか、オーディオ・インターフェイスとしても機能する。

    アプリとの連携が魅力の多機能デジタル・アンプだが、コントロール・パネルはアナログ・ライクでシンプルにまとめられている。 直感的に音作りできる操作性が嬉しい。

    「キャビネットによる変化まで試せる」
    井澤:
    このサイズなのにけっこうな音量が出せますね。ベース用のアンプ・モデルはそれぞれ特徴がありますけど、共通する質感もあります。IRの音色変化が強力なのもいい。キャビネットによる音色変化を気軽に試せるのも魅力的です。エフェクトの種類が多いので、“音を作る練習 ” や “実機を買う前のテスト”にも使えると思います。

    製品に関するお問い合わせ:荒井貿易 (☎︎052-711-3311)
    http://www.ariaguitars.com/jp/items/other-brands/nux/


    PHIL JONES BASS
    NANOBASS X4C

    卓上で驚きの低音感を実現

    【Specifications】
    ●出力:35W(バッテリー駆動時は15〜40W)●電源:ACアダプター、 モバイル・バッテリー●スピーカー:4インチPJBネオパワー×1、RALFERパッシヴ・ラジエター●サイズ:160(W)×197(D)×200(H)mm●重量:2.6kg●価格:オープンプライス(市場実勢価格39,996円前後)

     PJB製品で最小最軽量のコンボ・アンプで、USB-PD規格に準拠したモバイル・バッテリー駆動も可能にしたX4C。同社が誇る音質クオリティはそのままに20センチ四方の卓上サイズに収め、4インチのスピーカー・ユニットとパッシヴ・ラジエターにより、筐体サイズのイメージをはるかに上回る低音の量感、質感を実現した。Bluetooth接続による音源再生も可能だ。AC入力時の最大出力は35Wだが、バッテリー駆動時の最大出力は40Wとなっている。

    効きのいい3バンドEQなどコントロール類が整然と並ぶトップ・パネル。AUX IN とBluetooth接続による音源再生はAUX/BTノブをクリックすることで切り替える。

    「このサイズで驚きの粒立ちの良さ」
    井澤:
    ベースで気持ちいい低音部分が出てくれるし、音が速いのが良いですね。ひとつひとつの音の粒立ちの良さをこのサイズで表現できるのは驚きです。モニター・スピーカー的な質感もあって、音楽を聴くにもちょうどいいですね。あとコーンが揺れてるのが見えるのがいい。ルックスもかわいくて家に置きたくなります。

    製品に関するお問い合わせ:JESインターナショナル(☎︎0561-72-9801)
    https://pjbjapan.com


    POSITIVE GRID
    SPARK

    先進性に秀でた次世代型アンプ

    【Specifications】
    ●出力:40W●電源:ACアダプター●スピーカー:4インチ×2●サイズ:350 (W)x180(D)×190(H)mm●重量:5.2kg ●価格:44,000円

     アンプ/エフェクト・プロセッシング・ソフト “BIAS”シリーズで知られるPositive Gridのギター/ベース兼用コンボ・アンプ。4インチのスピーカー・ユニット2基によるステレオ・アンプで出力は40W となる。BIASにより音色表現バリエーションはほぼ無限大。演奏スタイルに合わせてバッキング・トラックを自動生成するSmart Jam機能、コードを自動解析/表示するAuto Chords機能、ビデオ・キャプチャ機能など、先進性に秀でた次世代型アンプだ。

    コントロール・パネルはソフトウェアのフィジカル・コントローラー的な意味合いもあるためシンプルにまとめられており、操作性、視認性にも優れている。

    「再現度が高くて制作にも使える」
    井澤:
    アンプやエフェクトの再現度がかなり高いですね。スピーカーから出てくるべースの音もクオリティが高い。制作にも使えるレベルなので、オーディオ・インターフェイス機能があるとはいえ、ライン・アウトがあったらさらに最高ですね。ギターと兼用ですが1台で完結できて制作面では逆に好都合だと思います。

    製品に関するお問い合わせ:メディア・インテグレーション(☎︎03-3477-1493)
    https://www.minet.jp/brand/positivegrid/top/

    ヘッドフォン・アンプ篇


    BOSS
    WAZA-AIR BASS

    圧倒的没入感を実現するワイアレス型

    【Specifications】
    ●電源:充電バッテリー●重量:320g(本体)、43g(トランスミッター)●価格:オープンプライス(市場実勢価格49,500円前後)

     高級オーディオ機器にも匹敵するワイアレス・ヘッドフォンに高品位なベース用アンプ/エフェクト機能を融合。5種のアンプ・タイプ、30種以上のエフェクトを内蔵し、多彩なグルーヴを誇るリズム機能も搭載している。Bluetooth接続によるオーディオ再生はもちろん、楽器入力も超低レイテンシーでワイアレス接続が可能。立体音響技術とジャイロ・センサーによりアンプが目の前で鳴っているかのような立体的な音場を実現し、圧倒的な没入感が得られるのも魅力だ。

    右耳側には操作しやすいホイール式のヴォリュームを装備。オプション品のワイアレス・フットスイッチFS-1-WLなどを使えば、各種機能を足下で切り替えられ、利便性がさらに高まる。

    「立体感と没入感に驚きました」
    井澤:
    音場の立体感と没入感には驚きました! ワイアレスなのもラクですね。音色の方向性はKATANA-110 BASSと似ていて、聴きやすくまとめられている印象です。高音域を多用するソロ指向のベーシストに適しているかも。ヘッドフォンとしての音質はタイトでモニター・ライクなので音源のチェック用などにも良さそうです。

    製品に関するお問い合わせ:ローランド株式会社 (https://www.roland.com/jp/company/contact_us/
    https://www.boss.info/


    FENDER
    MUSTANG MICRO

    オールインワンの超小型アンプ

    【Specifications】
    ●電源:充電バッテリー●サイズ:38.1(W)×28.7(D)×80(H)mm●重量:51g●価格:18,480円

     楽器本体に直接プラグインし、手持ちのヘッドフォンをつなぐだけで充実した練習環境を構築できるポケット・サイズのヘッドフォン・アンプ。ギター用のアンプ・モデル、エフェクト機能を多数搭載しており、ベースでも派手な音色変化を楽しめる。コンパクトな筐体のみですべての機能を操作でき、Bluetooth接続によるオーディオ再生機能、USB接続によるオーディオ・インターフェイス機能も有している。リチウム・バッテリー内蔵で4時間の連続使用が可能だ。

    本体だけですべての機能が操作可能なコントロール群。アンプ・モデルとエフェクト各12種、EQ効果5段階、MODIFY(エフェクトの深さ)6段階は各LEDの色で識別できる。

    「直感的に操作できて手軽」
    井澤:
    接続するだけで音が出る簡単さはありがたいし、直感的に操作できて手軽なのが魅力ですね。フェンダー製品らしい乾いた音色傾向があるように感じますし、タイトな方向で音がまとまるので基礎練習にも適しているかもしれません。Bluetooth接続で音源と合わせて演奏できるのもいいですね。

    製品に関するお問い合わせ:フェンダーミュージック(☎︎0120-1946-60)
    http://fender.com


    NUX
    MIGHTY PLUG PRO

    次世代を感じさせる優秀なアプリ

    【Specifications】
    ●電源:充電バッテリー●サイズ:41 (W)x 81(D)×30(H)mm●重量: 70g●価格:22,000円

     コンパクトな筐体に多彩なエフェクト、アンプ・モデル、キャビネットIR機能を盛り込んだギター/ベース兼用のヘッドフォン・アンプ。本体のコントロールは必要最小限にとどめ、操作の大部分はBluetooth接続による専用アプリで行なうが、USBオーディオ・インターフェイス機能やマイク付きヘッドフォンにも対応する端子を装備しており、単体で配信にも活用できる。多彩なバッキング・トラックを誇る専用アプリのリズム機能も充実している。

    サイドにヴォリュームとパワー/ミュート・ボタン、トップに選択したプリセットを示す7色のインジケーターと切り替えスイッチを配置。本体のコントロールはいたってシンプルだ。

    「アイディアが沸いてきます。」
    井澤:
    このサイズでオーディオ・インターフェイス機能もあるのはすごいですね。 アンプやエフェクトも豊富で、いろいろな音色が必要十分なクオリティで出せるので、アイディアが沸いてきます。ヘッドフォンで作業に没頭できますし、制作にも向いてるアイテムだと思いました。 ギター兼用なのも便利です。

    製品に関するお問い合わせ:荒井貿易 (☎︎052-711-3311)
    http://www.ariaguitars.com/jp/items/other-brands/nux/


    PHIL JONES BASS
    BIGHEAD PRO

    マルチな用途で使えるポータブル・アンプ

    【Specifications】
    ●電源:充電バッテリー●サイズ:75(W)×149(D)×24(H)mm●重量:290g●価格:オープンプライス(市場実勢価格39,600円前後)

     優れた音質と使い勝手の良さでプロの愛用者も多いベース用モバイル・ヘッドフォン・アンプ。±15dBのブースト/カットが可能な2バンドEQは実用的で、ライン・アウトによって本格的なベース用プリアンプとしても活用できる。AUX入力は解像度が高くモバイル・オーディオのリスニング用途にも最適。Ver.2以降のモデルはスマホ/タブレットにも対応するハイレゾ・クオリティのUSBオーディオ・インターフェイスとしても機能する。

    向かって左にヴォリュームとゲイン、右にトレブル/ベースの各コントロールを同軸上に配置。筐体の外周に沿ったノブによりデザイン性だけでなく操作性も一段と向上している。

    「解像度が高くて音が速い」
    井澤:
    解像度が高くて音が速いですね。この音質で練習できるのは魅力だなぁ。上質なベース・アンプらしさもあってライン・アウトも優秀なので、そのままオーディオ・アンプにつないでもいい音が出せるでしょうし、すでにオーディオ・インターフェイスを持っている人でもラインの音質をワンランク上げられますね。

    製品に関するお問い合わせ:JES インターナショナル(☎︎0561-72-9801)
    https://pjbjapan.com

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