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最新モデルで紐解くファンド・フレットの魅力 feat.YU-KI(NOISEMAKER)

  • Photo:Hiroki Obara
  • Equipments Explanation/Movie&Sound Engineer:Makoto Kawabe

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Total Impression

トライアルを終えたYU-KIに、全6モデルを体感した所感を語ってもらった。

新しいスタンダードになり得る可能性を大いに感じた。

 ファンド・フレットのベースは、使っているベーシストがまわりにちらほらいることもあって、以前から弾き心地とかサウンドは気になっていたんです。今回初めて触らせてもらった印象として、フレットが斜めになっているのも思ったほど違和感がなかったし、慣れればむしろ弾きやすいんじゃないかとすら思いました。
 今回6本を弾いてみて、まずピッチ感の良さには驚きました。“これがファンド・フレットの実力か”と思い知らされました(笑)。最近はメタルとかヘヴィ系でファンド・フレットが使われることが多いですけど、極端なダウン・チューニングでも安定したピッチ感を出せるっていう意味では理にかなっているし、選ばれている理由がわかりますね。NOISEMAKERでもファンド・フレットを試してみたいと思いました。
 6機種それぞれに個性がありつつ、ブランドごとに目指している方向性も違う。例えばディングウォールはファンド・フレット・シーンを牽引するブランドでもあるので、さすがの貫禄というか、パッシヴでこれだけのボトム感を出せるのはすごいですね。アイバニーズは本体だけで振り幅広く音作りができるので、多ジャンルのプレイヤーにお薦めできます。シェクターは大人なイメージで音の温かみを感じたし、対象的にスペクターはドンシャリな印象で、スラップでガンガンいきたくなる音。スペクターの進化を実感しました。4弦のSeedは、ほかとは違った方向性で作られているように感じます。音や仕様も含めてシグネイチャー・アーティストのこだわりが溢れていますね。メイワンズはもはやベースにおける新たな可能性というか、ミニ・ベースであれだけのクオリティのサウンドが出せることに驚きました。
 ファンド・フレットは一見とっつきにくい外見をしているし、最近はヘヴィロックでよく使われているのもあって、“自分には関係ない”って敬遠している人もけっこういると思うんです。でもこのピッチの安定度はファンド・フレットでしか体感することはできないし、モデルによってジャズやR&Bみたいなジャンルで生かせるサウンドも出せる。だからもっと多くのプレイヤーに浸透すべき楽器だと改めて感じました。
 ファンド・フレットが持つ、独特な存在感のあるサウンドはバンド・アンサンブルのなかでも映えると思うので、今度はレコーディングやライヴでも試してみたいです。ファンド・フレットの歴史はまだ浅いみたいですが、これからの新しいスタンダードになり得る可能性を大いに感じたし、俺たちプレイヤーをワクワクさせるような革新性を秘めた楽器だと思いました。

YU-KI(NOISEMAKER)
ゆーき●1986年4月4日生まれ、北海道出身。小学生でベースを始める。高校卒業後に音楽専門学校へと進み、そこで知り合ったAG(vo)とHIDE(g)が結成したNOISEMAKERに加入。バンドは1stアルバム『The 6 matters of the 6』でデビューし、ラウド・シーンを中心に精力的に活動を展開、幅広い層から人気を獲得する。2015年に4thミニ・アルバム『NEO』でメジャー・デビューを果たす。国内の大型フェスの常連であり、2018年からはバンド主宰のフェス“KITAKAZE ROCK FES”を開催している。2022年2月16日にEP『AXIS』をリリースした。YU-KIはその他、L’Arc〜en〜Cielのヴォーカリスト、HYDEのソロ・プロジェクトのサポートも行なっている。
Official HP

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