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BECOS CompIQ STELLA Pro Compressor with DITOS×休日課長(ゲスの極み乙女。)

  • Photo:Chika Suzuki

CompIQ STELLA Pro Compressor with DITOSの
多彩な機能を紹介!

①RATIO
圧縮量を調整する。9時位置で2:1、12時位置で4:1、3時位置で10:1、最大位置では無限大:1となりリミッターとして動作。

②GAIN
コンプレッサーによって圧縮されて下がった音量を調整する。

③THRESHOLD
コンプレッションがかかり始める信号レベルを設定する。

④X-EQ
6dBのブースト/カットが可能なティルトEQ。EQ PIVOTスイッチ(⑧)で中心周波数を切り替え可能だ。

⑤ATTACK
タイミング・スイッチ(⑩)が“M”のときに、0.12ms〜12msでアタック・タイムを調整。

⑥RELEASE
タイミング・スイッチ(⑩)が“M”のときに、1.2ms〜120msでリリース・タイムを調整。

⑦KNEE
コンプレッサーのかかり方を、圧縮の角度が緩やかなS(ソフトニー)と、急激に圧縮されるH(ハードニー)から選択。

⑧EQ PIVOT
X-EQでブースト/カットする中心周波数を、“H(High)”(1kHz/ギター用)と“L(Low)”(330Hz/ベース用)で切り替える。

⑨SCF
サイドチェイン・フィルターを設定。“N(Normal)”は入力された信号の幅広い帯域にコンプが反応するが、“L(Low)”では入力信号の90Hzを-12dB、“D(Deep)”では200Hzを-12dBするフィルターをかけた状態となり、これにより低音に過剰にコンプが反応することを避ける。実際の音色には影響しない。

⑩TIMING
“M(Manual)”ではATTACKノブとRELEASEノブで設定した値が有効となる。“F(Fast)”はアタック・タイムが5〜7ms、リリース・タイムが70msとなり、“S(Slow)”ではアタック・タイムが10〜15ms、リリース・タイムが100〜220msとなる。

⑪MIX
ドライ音とウェット音をブレンドする。12時の位置で1:1の状態。100%ドライに設定するとバッファーとして動作する。

⑫SAT
ドライ信号にアナログ・テープ・サチュレーションを再現した高周波の歪みを加えることができる。コンプのかかったウェット信号とドライ信号のサウンド・バランスを調整。

⑬LEVEL
ドライ音の音量を調整する。

Foot Switch
エフェクトのオン/オフ・スイッチ。オフ時はトゥルー・バイパス仕様。

LEDディスプレイは、入力信号に対するコンプレッションの強さをリアルタイムに表示する。コンプのかかり具合を視覚的に確認することができる。
入出力端子は、インプット、アウトプットのほかに、TRSフォン端子のバランスド・アウトを装備している。
筐体内部にはジャンパ・スイッチが設置されており、X-EQのバイパスや、ドライ信号にローカットもしくはハイカット・フィルターを適用することができる。

休日課長が弾く
CompIQ STELLA Pro Compressor with DITOS

コンプでやりたいと思うことは何でもできる。

 ドライとウェットをミックスできるコンプって最近増えてきた印象がありますけど、そこにSATつまみが付いているのがポイントですね。最初、“原音にサチュレーションがかかる”ってどういうことなんだろうって思ったんですけど、つまみを上げていくとドライとウェットの乖離感がなくなって、ほかの楽器との馴染み方が変わってくると思います。溶け込みたいんであれば上げたり、ちゃんとベースのアタックとかを抜けさせたいんだったら下げたりってパッと調整できるし、その具合を探せるというのがいいですね。つまみがもっと大きくてもいいくらい重宝すると思います(笑)。

 僕がペダルでコンプを使うときは、ツブを揃えるとかの目的よりは、例えばスラップでもコンプがかかったほうが音色的にカッコいいからというところなので、俗に言うエフェクター的な使い方なんです。だから、わかりやすいくらいにかかってくれるほうが好きなんですけど、これは過激に設定することもできるし、ある程度ニュアンスを残して高いレべルだけを叩くことも、ガチガチに揃えることもできる。つまみが細かい分だけ用途が広いというか、コンプでやりたいと思うことは何でもできると思います。コンプをかけても情報量が減る感じはなくてちゃんと芯のある音がするので、そういう意味では上質な印象。ノイズも全然ないし、クオリティが高いですね。

 このサイズに、コンプとして必要なつまみが全盛りされていて、ノブが多いからちょっと複雑に感じるかもしれないですけど、個人的にはアタックやリリースも含めて、それぞれの調整が個別にできるから逆に直感的に使いやすいというか。最初に原理がわかってしまえば、シンプルにやりたいことがすぐにできるのがいいですよね。これが、ひとつのノブで複数の要素を操作するようなタイプだと、ちょっと思いどおりにならなかったりすることもあるので。

 使うときには、感覚というよりはちゃんと取説も読んで、ひとつひとつのつまみの意味を理解したほうがいいと思うんですけど、アタックとかリリースの設定がよくわからないって人は、TIMINGスイッチをFastかSlowにして使ってみても全然成立しているので扱いやすいと思います。Slowのほうがより自然で音が太くなった感じになって、Fastはいわゆるパコパコ系というか、けっこう圧縮された感じが出ます。これに関しても、抜けに関してはSlowのほうがいいですけど、原音と混ぜることを考えれば、Fastにしてガッツリとコンプのかかった音に原音を多めに混ぜるって考え方もできるわけで、ほかのつまみとの組み合わせによって最適解がひとつじゃないのがおもしろい。

 ほかにも、SCFスイッチはコンプのかかった感のわかりやすさが変わったり、X-EQつまみは重心をズラすイメージだったり、それぞれのつまみやスイッチの意味がわかれば、すごく使いやすいんじゃないかな。どのつまみをどう動かせばどういう感じの音になるっていうのを、最初にある程度把握しちゃえば、“ちょっとこうしたいんだよね”っていうことにすぐに答えてくれる。逆に、コンプの使い方を知らない人は、これで覚えるのもいいんじゃないでしょうかね。

休日課長のお薦めセッティング

休日課長

Profile
きゅうじつかちょう●1987年2月20日生まれ、埼玉県出身。大学時代にベースを始める。2012年5月に川谷絵音(vo,g)に誘われてゲスの極み乙女。を結成。2014年にメジャー・デビュー。プログレッシブ・ロックやヒップホップなどを取り入れた独自の音楽性がシーンで話題となる。2022年は結成10周年を迎え、5月11日にベスト・アルバム『丸』をリリース。6月18日(土)には幕張メッセ幕張イベントホールにて結成10周年記念公演『解体』を開催する。休日課長はそのほか、DADARAY、ichikoro、礼賛などにも参加し、多方面で活躍する。
https://gesuotome.com/

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