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BECOS CompIQ STELLA Pro Compressor with DITOS×休日課長(ゲスの極み乙女。)

  • Photo:Chika Suzuki

コンパクトな筐体に驚きのスタジオ・クオリティを詰め込んだコンプレッサーが話題を呼んでいる東欧発の新星エフェクター・ブランド、BECOS。エフェクター・フリークたちを次々と虜にしているその高品質サウンドを、結成10周年を迎えてさらに精力的な活動を展開している、ゲスの極み乙女。の休日課長がチェック! その実力や、いかに?!

What’s BECOS

 BECOS(ベコス)は、ルーマニアの東南部、黒海沿岸に位置するルーマニア最大の港湾都市であるコンスタンツァに拠点を置く、少数精鋭のエフェクター・ブランドだ。

 2014年にギター用のオンボード・プリアンプをリリースすることからスタートした彼らは、ギター用オーバードライブとMIDIアンプ・チャンネル・スイッチャーを組み合わせた“Overdrive/MIDI Amp Channel Switcher”を経て、2018年頃から“CompIQ series”と名づけたコンプレッサー・エフェクターを展開。39(W)×92(D)×51(H)mmという手のひらサイズに、多彩なコントロールを備えたスタジオ・クオリティの多機能モデル“CompIQ MINI Pro Compressor”をリリースすると、たちまち各国の専門誌やエフェクター・レビュー・サイトなどで話題を呼んだ。

 その後、上位モデルの“CompIQ STELLA Pro Compressor”、デュアル・バンド・コンプレッサー“CompIQ TWAIN”、高品質なサウンドはそのままにコントロールを減らしてより直感的に仕上げた“CompIQ MINI ONE”と、ペダル型コンプレッサー界を革新する製品を続々と発表。また2021年には、ラットの現ギタリストであるジョーダン・ジフのTSスタイルのシグネイチャー・オーバードライブ“Ziffer Overdrive”をリリースし、今後のコンプレッサー以外のジャンルでの製品展開にも期待を高めている。

 自らを“技術オタク”と名乗り、ハンドメイドによって製作される、コンパクトな筐体に多彩な機能を盛り込んだ高品質サウンドの製品群は、今後も要注目のブランドと言える。

CompIQ MINI Pro Compressor
CompIQ TWAIN

CompIQ STELLA Pro Compressor with DITOS

東欧発! “技術オタク”による革新的コンプレッサー

 昨年9月に発売されたBECOSの最新コンプレッサーが、CompIQ STELLA Pro Compressor with DITOS。BECOSの上位機種“CompIQ STELLA Pro Compressor”をもとにTRSフォン端子のバランスド・アウトを追加したモデルとなる。

 もととなったCompIQ STELLA Pro Compressorは、 ハモンド1590Bタイプのコンパクトな筐体に、スタジオ・クオリティのラック・タイプ・コンプレッサーに搭載されている機能を詰め込んだ、超多機能なVCAタイプのアナログ・コンプレッサー。レシオ、スレッショルド、ゲイン、アタック、リリースといった基本的なコンプレッサーのつまみに加え、コンパクト・エフェクターに搭載されることは珍しいハードニーとソフトニーの切り替えスイッチや、音色補正用のティルトEQ(スイッチでギター用とベース用を切り替え可能)、サイドチェイン・フィルターの切り替えスイッチ、アタックとリリースの設定をプリセットに切り替えることのできるタイミング・スイッチを備えている。

 また、ドライ信号をブレンドするミックスつまみ、そのドライ信号にサチュレーションを加えるSATつまみやドライ音の音量を決めるレベルつまみは、特にベースにおいて非常に使い勝手が良いだろう。入力信号に対するコンプレッションの強さを表示するLEDディスプレイ、EQのバイパスやドライ信号をローカットもしくはハイカットする筐体内部のジャンパ・スイッチなどもあり、まさにコンプ機能の全盛りといった様相だ。

Specifications
●コントロール:レシオ、ゲイン、スレッショルド、X-EQ、アタック、リリース、ミックス、SAT、レベル、ニー・スイッチ、EQピボット・スイッチ、SCFスイッチ、タイミング・スイッチ、オン/オフ・スイッチ●入出力端子:インプット、アウトプット、バランスド・アウト●電源:9V乾電池、9V~12Vアダプター●外形寸法:61(W)×120(D)×51(H)mm●重量:227g●価格:オープンプライス(市場実勢価格:59,000円前後)

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