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    新世代人気バンドが弾く Fender Made in Japan Hybrid II

    • Photo:Masao Sekigawa、Chika Suzuki

    日本製フェンダーの人気シリーズがリニューアル

     伝統的なルックスと現代的なスペックが融合し、世界的に評価の高い日本製による作りの良さもあいまって人気を集めてきたフェンダーの“Made in Japan Hybrid”。総指揮に本国USAからシニア・マスタービルダーのクレス・フレミングを迎えた同シリーズは2017年に発表され、その後、⽇本の伝統⾊ “藍” をテーマに開発された新色モデルや、5弦ジャズ・ベース、PJ仕様のムスタング・ベースといったモデルの拡充を続けてきた。そしてこのたび、さらなるクオリティの向上を実現した新シリーズ“Made in Japan Hybrid II”として進化した。ここでは、秋澤和貴(Saucy Dog)と山本大樹(My Hair is Bad)という新世代を牽引する人気バンド2組のベーシストによる試奏レポートを通して、その魅力をお伝えしていこう。

    Highlights

    まずは、今回全モデルを通じてリファインされたポイントを見ていこう。見た目に大きく現われる変化ではないが、確実にサウンド/演奏性に影響を及ぼす部分が見直されている。

    POINT1 ネック周りの強化

    新たなネック・シェイプと指板エッジ加工

     ネック・グリップはスリムで薄めに仕上げられたモダンCシェイプを採用している。また、指板のエッジには丸みのある加工が施されており、ネックを握ったときのフィット感が向上している。サラサラとした手触りのサテン・フィニッシュ仕上げもあわせて、ネックをグッと握り込んで弾く場合も横移動で運指する場合も、快適に演奏できるだろう。なお、指板Rは9.5インチ(250ミリ)と前シリーズから変わっていない。

    POINT2 拡張された音域

    ツバ出し21フレットと頭出しトラスロッド

     フェンダー・ベースといえば20フレット仕様が標準だが、今回は1フレット多い21フレットを装備している。ツバ出し仕様とすることで構えたときに違和感もない。これにともない、トラスロッドの調整口はヘッド側に設置されている。フレット・サイズは前シリーズのミディアム・ジャンボから細く高めのナロー・トールに変更されており、音の立ち上がりが速く、軽いタッチでの演奏を実現しつつサステインの向上にも寄与する。

    POINT3 サステインを強化する仕掛け

    ブリッジ下部のサステイン・ブロック

     ブリッジは一見、薄いプレートを曲げた“ヴィンテージ・スタイル”のオーソドックスなものだが、実はブリッジ下部にブラス製のブロックが取り付けられており、ブリッジ全体の質量を稼いでいる。これにより、見た目はヴィンテージ・タイプながら、より豊かなサステインを実現した。

    POINT4 ライヴ向きの配線構造

    ジャック&コンデンサーの見直し

     ジャックは通常のものに比べて2倍の接点を確保し、シールド・ケーブルのプラグを抜き挿しするときに2段階の手応えがあり抜けにくい構造の“Pure Tone Jack”を採用している。不意のシールド抜けを防止すると同時に、信号の伝達性も向上している。また、コンデンサーにはオレンジドロップを採用。

    POINT5 新開発のピックアップ

    スタッガード・ポールピースを採用

     ピックアップはUSAのプロダクト・マネージメント・チームと共同開発。各弦ごとに段差のあるスタッガード・ポールピース仕様を採用しており、どの弦を弾いても出力とトーンが均一になるように設計されている。指板を幅広く、また多彩な奏法で演奏する現代のベーシストにとっては最適なピックアップだ。

    ▼次ページではMade in Japan Hybrid IIのベース・モデル・ラインナップを紹介▼