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オルダス・ハーディング「Venus in the Zinnia」-ミニマルでも寂しくならないアレンジ【鳥居真道の“新譜とリズムのはなし”】
- Text : Masamichi Torii
- Illustration : Tako Yamamoto
トリプルファイヤーの鳥居真道が、世界中のニューリリースのなかからリズムや低音が際立つ楽曲をセレクトし、その魅力を独自の視点で分析する連載「新譜とリズムのはなし」。
今回は、オルダス・ハーディングが5月8日にリリースした5作目のアルバム『Train On The Island』に収録されたリード・トラック「Venus in the Zinnia」のリズムに注目します。
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Aldous Harding – Venus in the Zinnia
オルダス・ハーディングはニュージーランド出身のシンガーソングライターです。風変わりで可愛らしい曲を作る人で、前々作『Designer』以来、大好きなミュージシャンです。「Venus in the Zinnia」は最新作『Train On The Island』の収録曲で、アルバムのなかでも出色の出来栄えで、親しみやすさがあります。
ハーディングはヴォーカルとギターを担当。プロデューサーでエンジニアのジョン・パリッシュがドラム、パーカッション、キーボードを演奏しています。大御所です。デュエットの相手を務めるH. Hawklineがベースやアコースティック・ギターを担当しています。ハーディングにとってこの二人は「いつメン」的存在と言えます。
すこぶるシンプルなベース・ラインです。太くて重たいぶりっとしたトーンが雄弁なので、むしろこの簡素さが映える格好となっています。ベースのみならず、楽器の音がどれも魅力的なのでアレンジがミニマルでも寂しさを覚えません。むしろ聴き応えがあります。
最後のコーラスの前の日本語でいうところの“Cメロ”にあたる箇所では、シンコペーションを使ったポール・マッカトニー風のフレーズが展開されます。前段がシンプルなので、こうした小技がより際立つわけです。
◎Profile
とりい・まさみち●1987年生まれ。 “高田馬場のジョイ・ディヴィジョン”、“だらしない54-71”などの異名を持つ4人組ロック・バンド、トリプルファイヤーのギタリスト。現在までに5枚のオリジナル・アルバムを発表しており、鳥居は多くの楽曲の作曲も手掛ける。バンドでの活動に加え、他アーティストのレコーディングやライヴへの参加および楽曲提供、音楽関係の文筆業、選曲家としての活動も行なっている。最新作は、2024年夏に7年ぶりにリリースしたアルバム『EXTRA』。また2021年から2024年にかけて、本誌の連載『全米ヒットの低音事情』の執筆を担当していた。
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