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アギュラーの新作エフェクター2モデルをトリプルファイヤーの山本慶幸が試奏(TLC Compressor EQ DLX/Octamizer DLX)
- Text: Makoto Kawabe
- Photo: Chika Suzuki
- Design: D.tribe
アギュラーから、この春注目のペダル・エフェクター2機種が登場した。コンプレッサー兼イコライザーのTLC Compressor EQ DLXと、オクターバーのOctamizer DLXはいずれも、同社の人気モデルをベースに進化した次世代モデル。トリプルファイヤーのベーシスト、山本慶幸による試奏をとおしてその実力に迫る。
山本慶幸 プロフィール
やまもと・よしゆき●1986年生まれ、東京都出身。トリプルファイヤーのベーシスト。最新アルバムは『EXTRA』(2024年)。6月27日(土)にSpotify O-EASTでワンマンライヴを開催する。また山本はLUCKY SOUNDという屋号で年間150本程度の楽器を調整・修理。今年1月にオープンした新店舗・環七駒沢にてギターやベースの調整・修理を行なっている。
◎https://astronauts69.com/
TLC Compressor EQ DLXとは?

TLC Compressorが拡張コントロールとEQを加えて進化
先進的な新開発DSPにより従来モデルのTLC Compressorの機能と効果を発展させつつ、2バンドEQを組み合わせ、スタジオ・クオリティのチャンネル・ストリップとしてベースの音作りを1台で完結させるアイテム。コンプレッサー・セクションはTHRESHOLD/ATTACK/RATIO(圧縮率2:1から∞)/RELEASEの基本パラメーターに加えてドライをミックスするBLENDを装備し、繊細な演奏ニュアンスを残したままコンプレッサー特有の力強いアタック感やスムーズな安定感を得られる。
視認性と追従性に優れたLEDゲインリダクション・メーターはコンプレッション量を常にモニタリングできるだけでなく、より的確なダイナミクス・コントロールと素早いセッティングをサポートする。EQはアギュラーの伝統を継承する2バンドEQ、DB925の回路に着想を得たブースト・オンリーのTREBLE/BASSで、ボケや濁りを恐れることなく音楽的な補正や積極的な音色変化を加えられる。電源はセンター・マイナスで9Vの外部入力のみで500mA以上が必要だ。
【Specifications】
●コントロール:スレッショルド、アタック、レシオ、リリース、ブレンド、ベース、トレブル、アウトプット●入出力:インプット、アウトプット●電源:9Vアダプター●サイズ:145(W)×80(D)×57(H)mm●重量:463g●希望小売価格:56,100円(税込)
YAMAMOTO’s REVIEW

先代の音色傾向を踏襲しつつハイエンド寄りに仕上げたモデル
僕はコンプを1弦と4弦の音量差を整えるというイメージで使っていて、アタックも自然に出てほしいので、基本はセッティングもナチュラルめにするんですけど、これは使いやすいですね。LEDも見やすいです。クセがないので歪みペダルにも合わせやすいでしょうし、先代の原音重視な音色傾向を踏襲しつつハイエンド寄りに仕上げたモデルという感じがします。
コンプをかけると音色が変わる面はあるし、これを補正できるEQがあるメリットも大きいですね。最近のコンプはどの機種も機能が増えたり音質が良くなったりアップデートしていて、ブレンドも今は必須の機能なのかなと思います。ツマミが多いので最初に買うにはハードルが高く感じるかもしれませんが、細かい音作りに踏み込める現代的なコンプだと感じました。

Octamizer DLXとは?

現代のプレイヤーに応え、より幅広い表現が可能に
追従性に優れたオクターバーとして定評のあるOctamizerを進化させた次世代モデル。独自開発のアルゴリズムとDSPにより従来機の機能とトーンを継承しつつ、さらなる追従性と明瞭性を実現。新たにベース専用設計のオクターヴ・アップ機能が追加され、オクターヴ・ダウンには従来のOctamizerを踏襲するA モード(LED青)とクラシカルでシンセチックな音色が特徴的なBモード(LED赤)が搭載された。
クリーン/オクターヴ・ダウン/オクターヴ・アップはそれぞれ独立したフィルターとヴォリュームを備え、3つのフットスイッチで瞬時に切替やミックスが可能。オクターヴ・ダウンのモードは左端のフットスイッチ長押しで変更でき、中央のフットスイッチを長押しするとエフェクト・オンの際にクリーンのミュート(LED赤)を選択できる。これらの組み合わせにより、原音にオクターヴ・ダウンを重ねるシンプルな利用方法はもちろん、シンセ・ベースやリード・シンセ、厚みのあるオルガン風の音色など、幅広い音楽表現が可能となっている。
【Specifications】
●コントロール:ダウン・フィルター、ダウン・レベル、クリーン・フィルター、クリーン・レベル、アップ・フィルター、アップ・レベル●入出力:インプット、アウトプット●電源:9Vアダプター●サイズ:145(W)×80(D)×57(H)mm●重量:464g●希望小売価格:56,100円(税込)
YAMAMOTO’s REVIEW

けっこう攻めた設定にしても音が破綻しない
低い音域から高い音域までどのポジションを弾いても変わらず付いてくる反応の良さを感じます。けっこう攻めた設定にしても下品な音にならないというか破綻しないですね。オクターバーはこれまであまり必要とする場面がなかったので使ってこなかったですけど、やっぱり楽器が少ない編成のバンドには合うだろうし、オクターヴ・ダウンを薄っすらと足してさりげなく使うのもすごく良さそう。それだけだともったいないくらい機能が豊富ですけど(笑)。
クリーンのフィルターは微調整もできるし、設定次第でオクターバーとしての使い道も変わるのでココが肝かもしれないですね。オクターヴ・アップでロボットが喋ってるみたいな音色とかシンセ・ベースっぽい音色とかも作れるので、ソロを弾くときとかの飛び道具としても使えそうです。


