生粋のエフェクター・フリークとして知られる高松浩史による、以前本誌にて掲載していた連載がベーマガWebにて復活！マニアックなものからビギナー向けのお勉強企画まで、豊富な機材知識を持つ高松浩史がエフェクターを語り尽くします（連載一覧はこちらから）。第16回となる今回は、“現在の世の中のオーバードライブで一番好きかもしれません”と語る、お気に入りのエフェクターについて語ってくれた。

第16回（2024年11月篇）：“負けました”

ベースマガジンWEBを御覧の皆様、ごきげんいかがでしょうか。高松浩史です。

11月はThe Novembersの活動が活発でした。ライヴ写真の展示会をやったり、中国へも行ってまいりました。個人的には約6年ぶり2回目、バンドとしては初めての中国でしたが、とても楽しく、素敵な機会でした。街の雰囲気も素敵。近いですし、また行きたいですね。

さて、今回は最近お気に入りのペダルをご紹介いたします。

特別仕様のブルーカラー。見た目もかっこいいですね。

KarDiaN “Serotonin Origin S.T. ADD CBF”です！

こちら、発表当初からとても気になっておりました。もともとのセロトニンも好みで、使用頻度も高いです。そんなセロトニンをもとにした別バーション製品もきっと良いでしょうと期待しておりましたが……。

結論から申し上げますと、2024年11月現在の世の中のオーバードライブで一番好きかもしれません。

コントロールはとてもシンプルで、

VOLUME…音量調整
DRIVE…歪み量の調整
BASS…低音域の調整
TREBLE…高音域の調整

これにADD CBFという、いわゆるハイカット・フィルター付きのクリーンをミックスする機能がプラスされているといったところ。

音色はとても不思議な感じで、しっかり重厚な密度感がありつつも軽やかさもあるという絶妙なバランス。とてもKarDiaNらしいなと思いました。（ロー・ミッドがしっかりしていて、かつプレゼンスのあたりがシャキッとしているというか……）なので、重すぎたり軽すぎたりしないのでしょう。

具体的なイメージとしては、同社ChloroformとノーマルSerotonin、それとAltero Custom GuitarsさんのKAEDEを足して3で割ったような、KarDiaNの集大成といった印象です。

もともとがギターに向けた設計なので、低音域は少し弱いです。BASSは最大付近でちょうど良い感じです。逆にTREBLEは少しだけ下げてあげると使いやすいかと思います。

ゲイン量もあり、しっかり歪みます。ベースではそこまで歪ませないほうが良さそう。これにさらにADD CBFがあるので、良くないわけがないだろうといったところです。

以上、今回は最近お気に入りのKarDiaN “Serotonin Origin S.T. ADD CBF”をご紹介いたしました。

ゲットしてからすでにいろんな現場で使用していますが、かなり好印象です。

機材というのは往々にして実際にバンドで使用して初めて真価がわかると思うので、そこで好印象ということはバッチリなのでしょう。本当におすすめなので、みなさまもお試しくださいませ！

それでは、今回はここまで。

ご覧いただきありがとうございました！

◎Profile
たかまつ・ひろふみ●栃木県出身。2002年に高校の同級生だった小林祐介（vo,g）とともに前身バンドを結成する。2005年からThe Novembersとしての活動を開始し現在までに8枚のフル・アルバムなどを発表している。2021年からは京（vo）、yukihiro（d）を中心としたプロジェクトPetit Brabancon、浅井健一&THE INTERCHANGE KILLSのメンバーとしても活躍している。その他、Lillies and Remains、圭、健康のサポート・ベーシストも務めている。Petit Brabanconは8月7日に2nd EP『Seven Garbage Born of Hatred』を発表している。

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