SPECIAL
三月のパンタシア「四角運命」
この曲でベースをプレイするのは……
中村圭
【Profile】
なかむら・けい●2011年にボカロPとして活躍するbuzzGのメジャー1stアルバム『Symphony』への参加をきっかけにセッション・ベーシストとしてのキャリアをスタートさせる。以降、三月のパンタシア、ナノ、東山奈央、Hey! Say! JUMP 、桐谷健太、ツユ、林青空、宮沢和史など、さまざまなアーティストのレコーディング/ライヴのサポートをこなしている。
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Q1:レコーディングで使用した機材について教えてください。
ベース:Fender/JAZZ BASS(1978年製)、アンプ:Ampeg/PF-800(アンプ・ヘッド)、Ampeg/PF-115(キャビネット)、DI:Khan Audio/VTDI、エフェクター:Darkglass Electronics/Microtubes B7K Ultra (プリアンプ)、Empress Effects/Bass Compressor Blue(コンプレッサー)、Zahnrad/4000pre(ブースター)。
Q2:Q1の機材(特にベース本体について)を選んだ理由を教えてください。
デモをいただいた段階でスラップを多用する曲の予感がしていました。僕が使用している1978年製のジャズべ はアクティヴに変更してあり、さらにアッシュ・ボディにメイプル指板なので、そのパキッとしたサウンドからスラップ用としていつも重宝しているので選びました。
Q3:この楽曲をデモなどで聴いたときの最初の印象は?
カッコいい、速い、ムズい、です。
Q4:ベース・ラインはどのように発想しましたか?
もともとのデモには打ち込みのベースが入っていたので、打ち込みの細かい音が連続している感じを残しつつも人間が弾いている生感も出せるように、そのふたつの観点を尊重しながら考えていきました。
Q5:アーティスト本人やプロデューサー、アレンジャーからは、ベース・プレイに対してどんなオーダーがありましたか?
三月のパンタシアのレコーディングのときは基本的にいつもかなり自由にさせてもらっている印象で、この曲もまずはこちらからの提案も含めて自由にやらせていただいて、箇所箇所でイメージの相違などをすり合わせつつフィックスさせていったように思います。
Q6:レコーディングで、演奏する際に意識していたことはなんですか?
ドラムと同録だったのでリズム・セクションとしての一体感と、細かいフレーズが連続して次々にやってくるのでクリックに置いていかれないように意識していました。
Q7:この曲のベース・プレイのどんなところに自分らしさが出ていると思いますか?
この曲は僕の手グセからくるフィルだったりウネった感じのフレーズが随所に散りばめられているので、スラップ含めフレーズ感も音色に関しても僕らしさが出せていると思います。
Q8:この曲に限らず、“セッション・ベーシスト”として大事にしている心構えはなんですか?
セッション・ベーシストは、自分が“出したい音”じゃなく、“出さなくちゃいけない音”を出す、求められたことを確実にこなす仕事だと思っています。でもそこで終わりじゃなく、プラスアルファでこちらから新たな可能性を提案したり自分にしか出せないフレーズや音を常に提示していけるベーシストでありたいと思っています。