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    FEATURED BASSIST-TETSUYA

    • Interview:Kengo Nakamura

    ソロデビュー20周年に放たれた待望のフルアルバム

    L’Arc〜en〜CielのベーシストであるTETSUYAが、前作から10年ぶりとなるソロアルバム『STEALTH』をリリースした。既発シングル「Make a Wish」「Time goes on 〜泡のように〜」「愛されんだぁ I Surrender」や、EP『I WANNA BE WITH YOU』といった、現在のTETSUYAの代表曲に新曲4曲を加えた本作は、いずれの曲も強いメロディラインを持った中毒性の高い仕上がりで、ソングライターとして、またヴォーカリストとしての彼の魅力を存分に味わえる。ベースに関しては、シンセベースを生かした楽曲をはじめL’Arc〜en〜Cielとはまた違ったアプローチで臨んでいるのも興味深い。ソロデビュー20周年を迎えたTETSUYAに聞いた。

    Interview

    せっかくシンベでフレーズを入れるなら、
    人の指で表現できないような動きをしたい。

    ━━現在、L’Arc〜en〜Cielの結成30周年ツアー中ですが、このコロナ禍でのライヴをどう感じていますか?

     コロナ禍のツアーということで、会場も半分くらいしか入れませんし、(観客が)声も出せないので、今までのことを考えると異様な感じではありますね。でも、もうすっかり慣れてしまって。

    ━━5月に幕張メッセで行なわれた公演を拝見したのですが、ライヴ開始当初は、お客さんのほうが緊張しているような雰囲気もあって、まさに異様でしたね。そこをメンバーの皆さんが引っ張って、最終的にはピースフルな空間になりましたけれど。

     僕はイヤモニをしているので、そこまで歓声がないっていうことの影響はないんですけど、LEDで七色に色が変わるバットマラカスライトというグッズを出していて、それがあってすごく良かったなと思いますね。声が出せない分、それでリアクションをもらうっていう。この間、ソロのライヴを渋公(LINE CUBE SHIBUYA)で行なったんですけど、ソロのライヴではそのグッズがなかったので、やっぱりシャカシャカって何かしらの音が出ているほうがやりやすいなとは思いました(笑)。ラルクでのその“シャカシャカシャカ〜”っていう音が、声援の代わりになっていたなって。

    『STEALTH』
    ユニバーサル/UPCH-20587(通常盤)

    ━━さて、ソロのアルバムとしては10年ぶりのリリースとなる『STEALTH』ですが、2016年以降は着実にシングルやEPのリリースを重ねてもいました。既発曲は「Make a Wish」や「I WANNA BE WITH YOU」といったキラキラとしたイメージが強かったので、「REGRET」のようなシリアスな曲調での幕開けに意表を突かれました。これには意図があったのですか?

     そうですね。アルバムなので、同じような曲を並べても飽きちゃうと思うので。シングル曲とのバランスを取って、それぞれの曲が生きるように楽曲を並べています。

    ━━「REGRET」はシンセベースっぽさがあるような、おもしろいローの質感ですね。

     シンセベースも混ざっていますね。一緒に鳴っているということではなくて、生ベースとシンベが切り替わっています。最初は、全部シンベでもいいかなくらいに思っていたんですけど。僕はそういう楽曲が数曲あって。もともとデペッシュ モードとかが好きなので、生ベースが入っていなくてもいいというか。

    ━━『Suite November』(2002年発表の1stアルバム)ではベースを弾いていない曲も多かったですよね。

     本職がベーシストだからといって、自分でベースを弾かきゃいけないとは全然思っていなくて、曲によってはシンセベースのほうがイメージに近かったりするので、かといって、人に生ベースを弾かれるのは癪なので。ライヴでは歌いながらは弾けないので、誰かしらベーシストに演奏してもらいますけれども、レコーディングでは誰か違う人にベースを弾いてもらったことはないんですね。生ベースを入れるなら自分で弾きたいですけど、この曲はシンベのほうがいいやっていう曲は、シンベだけという曲もけっこうあるんです。

    ━━「誰がために鐘は鳴る」はK-POP感もある曲で、生ベースの入っていないアプローチです。作曲段階から生ベースのイメージではなかったということですか?

     最初から生でベースを入れるつもりはなかったですね。「FATE」もそうですね。「FATE」は生ベースもちょっとだけ入っていますけど。でも、ほんのちょっとです。オブリ程度にメロディを弾いているだけです。

    ━━「FATE」は、逆に、曲終わりでの生ベースのグリスの残り方が印象的でした。それまで生ベース感が薄いので、あの生々しさがグッときます。

     そうですね。意識したわけではないですけど、確かにそこは印象に残っていますね。あそこはシンベと生が両方鳴っています。2Aとかの裏メロのところは生だけで弾いていて、生ベースはそれくらいだったと思いますね。

    ━━シンベのときは、フレーズの作り方など、生ベースとはアプローチが違いますか?

     せっかくシンベでフレーズを入れるなら、人の指で表現できないような動きをしたいですよね。

    ━━生ベースでは弾けないようなフレーズを。

     そういうものにしたいからシンベにしているというか。“自分で弾けばいいのに”って言われたくないので、“人間ではこのフレーズを演奏できないでしょ”っていうものにしておかないと(笑)。もちろんそれは、物理的に弾けないものというのもそうだし、音質の問題もありますよ。それも含めた曲のイメージということですね。

    『STEALTH』Spot Movie

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