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【ベースの日】IKUO×日向秀和 ブルーノート東京を熱狂させたダブル・ベース・ヒーローの共演
- Text:Zine Hagihara, Koji Kano
- Photo:Takashi Hoshino
HINATA‘s BASS
プレイするバンドによっていくつものベースを使い分ける日向が、主にセッション時のメイン器として使用するESP製オリジナル・モデル。2:2配列のペグ・レイアウトと鮮やかなレッド・カラーが印象的な一本だ。デリック・ホッジがセッションをしている映像のサウンドをイメージして製作されたプロト・モデルとなる。ホワイト・アッシュのボディにメイプル・ネック、ローズウッド指板という材構成で、ナットはカーボン製。ピックアップはハムバッキング・タイプのセイモア・ダンカン製SMB-4Dが2基、プリアンプには同じくセイモア・ダンカン製のSTC-3M4が搭載された、パワー感とロー感を持ち合わせたパワフルな一本となっている。
当日サブ器として用意されていたこちらのベースは、一見メイン・ベースと同じモデルにも見えるが、メイン器と比較すると低音弦側のカッタウェイが浅目にカットされ、ホーンが太く加工されたボディ・シェイプとなっている。また、ボディに貼られた日向を象徴する“極”のステッカーが、こちらはブラック・カラーのものになっている。基本的な木材構成やピックアップ、プリアンプ、各種パーツはメイン器と同じものが使用されている。10月にESPより発売された日向のシグネイチャー・モデルである、“RED 極” Hinatch Customは、こちらのボディ・シェイプのものが採用されている。なお製品版ではアルダー・ボディのモデルも販売されている。
HINATA‘s EFFECTS
日向のセッション用エフェクト・ボード。歪み系エフェクターやプリアンプが目立つ普段のボードとは異なり、シンセ系ペダルのほかリヴァーヴやフェイザー、オクターバーといった飛び道具系のペダルが目立つラインナップだ。各ペダルはプロビデンス製のPEC-2でコントロールされており、チューナーは同じくプロビデンス製のSTV-1JBが使用されている。サウンドの要となるのはプロビデンス製のシグネイチャー・プリアンプ、BDI-1HH“極”で、“ローが出過ぎず、粒立ちがいいので音像がわかりやすい”という理由でセッション時のメイン・プリアンプとして使用される。本ボードではそのほかSource Audio製SA223 Manta Bass Filterや3Leaf Audio製OCTABVRE MKⅡが特に高頻度で使用されるエフェクトであり、最左端で一際存在感を放つモーグ製moogerfoogerは、松下マサナオ(d)とのふたり体制でのセッション時に頻繁に用いられるとのことだ。
HINATA‘s AMPLIFIER
続いてアンプは、オレンジ製CRUSH BASS 100が使用された。こちらは主にセッションの現場にて用いられている。15インチ一発のスピーカーを搭載した、最大100Wのパワーを持つコンボ・アンプで、アクティヴ・ベースにも対応した-6db PADスイッチやミッドのフリケンシーも装備したイコライザーなど、幅広いサウンド・メイクが可能なモデルだ。日向はトレブルが12時、ミドルが3時、ミドル・フリケンシーが5時、ベースが1時と、ミドルを強調した設定で使用している。
DIはパルマー製のPDC-CTCを使用。4つのミニ・スイッチによりロー、ロー・ミッド、ハイ・ミッド、ハイの帯域をそれぞれブーストが可能な、プリアンプ機能も搭載したチューブ・タイプのDIだ。日向はそれぞれの帯域をフラットの設定にて使用している。DIの上に置かれているのは指板潤滑剤のESP製JS-8 JETT SLIDE(左)と接点復活剤のケイグ製DeoxIT D5(右)。シールド類はすべてプロビデンス製のもので統一されている。