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【ベースの日!特別企画】9人のプロ・ドラマーが選ぶ 今、私が組みたいベーシスト
- Photo:Great The Kabukicho(MonoNeon),Yuka Yamaji(Tom Kennedy)
神田リョウ
PROFILE
かんだ・りょう●1987年生まれ、兵庫県出身。ダンサーとしてのキャリアを経て高校でジャズビッグ・バンドへの入部をきっかけにドラマーへと転向。近年はNissy、EXILE TAKAHIRO、ORANGE RANGE、織田哲郎、GReeeeN、JUJU、坂口有望、BoA、WHITEJAMなど、名だたるトップ・アーティストのレコーディング、ライヴ・ステージをサポート。SNSにて“#一日一グルーヴ”という演奏動画シリーズが話題を呼んだ。
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Q1:あなたにとって、“良いベーシスト”の条件とは?
・演奏にメッセージがあること
・リズムが出ていること
・同じフィールを共有できること
・ユーモアがあること
Q2:“良いベーシスト”が共通して備えている演奏技術はなんだと思いますか?
ベーシスト自身がちゃんとリズムを出せること。なんとなくドラムに乗っかるのでなく、例えば白玉の音符を弾いていてもアンサンブルのテンポとグルーヴを途絶えさせずキープできる技術があるとドラマーとしてとても楽です。どんなときも太く、三次元的な立体感のあるサウンドは安心できます。そしてみんな人柄にも演奏にもユーモアがありますね。
Q3:逆に“こういうベーシストは苦手だなぁ”と思うのは、どんな場合ですか?
当たり障りなくなんとなくで弾いてるベーシストは苦手ですね。あとはバックビートとバス・ドラムの間合いがしっくりこないとやりづらさを感じます。
Q4:これまで共演したことのない人で、今、あなたが一緒に演奏したいベーシストは誰ですか?
ミシェル・ンデゲオチェロです。彼女の圧倒的なグルーヴの渦に巻き込まれてみたいですね(笑)。後頭部から背骨を経て腰にクる強烈な粘りとうねりを感じてみたいです。ヴォーカルとラップも最高。
ミシェル・ンデゲオチェロ
1968年8月29日生まれ、ドイツ生まれのアメリカ育ち。大学で教鞭をとるジャズ・ミュージシャンの父を持つ。ワシントンD.C.のハワード大学にてジャズを学び、黒人を差別的に扱う米国産業に対して反発を感じる黒人ミュージシャンが多数所属した互助団体BRCに所属しながらミュージシャンとして活動。マドンナに発掘されて彼女のレーベル“マーベリック”からデビュー作『プランテーション・ララバイ』を1993年にリリースする。ベースはもちろん、キーボード、ギターなども操るマルチ・プレイヤーであり、シンガー/ラッパーとしても随一の腕前を持つ。1980年代後半〜1990年代に興ったネオソウル・ムーブメントの先駆け的存在であり、その再解釈とも言えるロバート・グラスパーの『ブラック・レディオ』(2014年)にも参加するなど、その文脈においてもっとも重要なベーシストのひとりである。
Q5:そのベーシストが演奏している楽曲でお気に入りの曲を教えてください。
「ステイ」/ミシェル・ンデゲオチェロ
『ピース・ビヨンド・パッション』収録/1996年
まずこのアルバム自体大好きすぎて一曲に絞るのはかなり悩みましたが、全体の色気とループ感でトリップできるこの曲にしました。まず冒頭のスライドで持っていかれるのと、1拍目のポケットが深すぎるのと、ゴーストノートがエロすぎるのと、ブリッジ部分のベース・リフがクールすぎるのと……挙げるとキリがないですがとにかく最高に愛してます。
Q6:そのベーシストとふたりで演奏した場合、どういったグルーヴが生まれると思いますか?
まずはミディアム・テンポでただシンプルに“ドン”と“パン”だけを噛み締めたいなっていう。そこから盛り上がってきたら徐々に16フィールで駆け上がって昇天します。
Q7:あなたが理想的だと思うリズム体の演奏が聴ける作品を教えてください。
「スペース・カウボーイ」/ジャミロクワイ
『スペース・カウボーイの逆襲』収録/1994年
昔からスチュアート・ゼンダーも大好きで、特にこの曲を初めて聴いたときは衝撃を受けました。ドラムのデリック(マッケンジー)の小気味良いハットとの相性は必聴ですね。
少し最近だと、ヴルフペックのジョー・ダートとドラマーのネイト・スミスが一緒にやっているプロジェクトのThe Fearless Flyersもミニマル・ファンキーなグルーヴが最高ですね。